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【Shooto 30th Anniv.T07】バンタム級2戦目=魚井フルスイング戦、田丸匠「地方のジムをバカにするな」

Tamaru【写真】腕十字で一本勝ちした復帰戦では、バンタム級の感触は確認できなかったという田丸 (C)KEISUKE TAKAZAWA/MMAPLANET

22日(日)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto 30th ANNIVERSARY TOUR07で、田丸匠が魚井フルスイングと対戦する。

計量失敗から7月にバンタム級で実戦復帰。その時の田丸の心境は楽しいから戦うというものだった。あれから2カ月、魚井という対戦相手を前に田丸の気持ちにどのような変化が見られたのかを試合前に確認してみた。


──まずバンタム級転向初戦となった一条貴洋戦を終えた時、バンタムでの自身の動きをどのように思いましたか。

「良く分からなかったです。試合内容が一方的になってしまったので、それが分かってくるのはこれからだと思います。自分自身では測りかねていますね。ただ、まだバンタム級のフィジカルにはなっていないと思います。4、5カ月ほど週に3度ウェイトもしていたんですけど、試合間隔が空きすぎていて体を戻すので精一杯でした。以前の僕と比較するとフィジカルは上がっているとは思いますが、上を見ると全然まだまだです」

──減量の方は?

「それは楽でした。普段の体重も70キロに届かないようにしていますし、水抜きが5キロほどだったので全くフライ級の時とは比較にならないほど楽でした」

──水抜き5キロが楽に感じるとは……。

「以前は感覚が麻痺していていましたね(笑)。計量を終えた時点では、体調もよくて丁度良い感じでした」

──ズバリ、魚井フルスイング選手の印象を教えてください。

「最初オファーが来た時は、うわぁっと思いました」

──うぁっというのは?(笑)。

「凄いパンチの持ち主だし、ヤバいなぁって(笑)。でも、しっかりと試合の映像とか見てみたら穴も多いし、ちゃんとやれば勝てるんじゃいかと思います」

──好きだから戦う、そういう気持ちで前回は戦いました。今回の試合は手応えのある相手を求めて、強さを追求するという気持ちになっているのでしょうか。

「良い相手が目の前に来ると、食いついちゃいます。やっぱり好きなだけだと……楽しいだけだとできないですね。でも練習していると、勝ちたいと思ってきて……試合前の練習なんて、全く楽しくなかったです(苦笑)。対策練習をずっと繰り返して、本当に面白くなかった。でも、そうしないと勝てないんだって。楽しくなくても、これが好きだなって……」

──魚井選手も楽しみたいだけの選手と戦いたくないですよ。

「そうなりますよね」

──魚井選手サイド、つまりHEARTSとすれば猿田選手が田丸選手に負けた試合もあります。ジムとして連敗は許されないという気持ちではないでしょうか。

「あのう……あの試合の前に猿田選手がインタビューで、『自分はサンディエゴに行く必要がない。普段の練習している内容が彼とは違います。彼のチームメイトを落とすつもりではないですが、本当に僕の日々は違う』って言っていたんです」

──……。

「あれは……僕のことはどう言っても良いです。でも、ジムのことを言われたのは正直、未だに根に持っています。僕らのジムのプロ選手は趣味の延長でやっているのかって……。試合を盛り上げるための発言かもしれないですけど、やっぱりあんな風に言われると……僕らは負けていないつもりです。

僕は選手だし、言われる立場にあると思っています。でも、仲間のことをいうのは違う。地方のジムのことをバカにするなってムカつきました。魚井選手も大沢一門なんで、同じように思っているでしょうから、この気持ちをぶつけさせてもらいます」

──それにしても魚井選手のようなプレッシャーのある選手はフライ級時代には対戦していないかと思います。

「ないですね。それにサウスポーでフルスイングするような選手って少ないんですよ。今回は大石ジムさんで出稽古させてもらったのですが、皆テクニシャンで(笑)。それでもしっかりとした打撃の練習をさせてもらいました。やっぱりスピードとか、皆さんが凄いモノを持っているので。ガチスパーで2階級上の外国人選手とか、強いフィジカルの選手とやらせてもらったり、凄く為になりました。

そして、魚井選手対策はジムに戻ってからソーキ選手とスパーをする感じで」

──ソーキ選手はウェルター級じゃないですか!!

「ハイ。だからこそ、良いと思って。思いっきり振ってくださいってお願いして練習していました」

──では、この試合の後を田丸選手はどのように考えているのでしょうか。

「全く考えていないと言えば嘘になりますけど、あまり考えていないです。勝てばランキングが上がり、チャンピオンが見えてくるのかなとはボンヤリと見ている感じで。でも、ぶっちゃけ僕は世界で勝てる気はしていないです。56キロならやれると思っていたけど、61キロの僕にその力はない。

冷静に考えて僕がUFC、Bellator、そしてONEで勝てるとは思えないです……今は。だから、とりあえずランカーになって修斗のベルトが見えるのかなってぐらいです。それでも7月の試合の時と比べると、やりたいと思うようになっています。あの時はそういう気持ちはなかったので……。練習になるとガチガチでやっていますし(笑)。とにかく精いっぱいやって、HEARTSには負けないようにします」

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