【UFN156】あのカモーシェが手も足も出ず。ヴァレンチーナ・シェフチェンコが完全支配防衛
<UFC女子フライ級選手権試合/5分5R>
ヴァレンチーナ・シェフチェンコ(ペルー)
Def.3-0:50-45.50-45.50-45
リズ・カモーシェ(米国)
遠く距離をとって左右&前後に移動するカモーシェ。ジリジリと詰めるシェフチェンコがハイを避けて、ワンツーを打っていく。スイッチを見せるカモーシェに対し、シェフチェンコが後ろ回し蹴りで間をつなぐ。ローを入れたシェフチェンコ、慎重な試合のなかでポイントは失わないよう戦う。ミドルを届かせたカモーシェはどこのタイミングで組みを仕掛けることができるのか。そのまま最初の5分が終わった。
2R、若干距離が近づくとシェフチェンコの右ジャブが届く。カモーシェが左ローを当てると、王者は左ストレートを打ちこむ。遠いレンジでダブルレッグを繰り出したカモーシェだが、この距離では倒すこともその後に活きる残像にもならないだろう。シェフチェンコはスーパーマンパンチを当て、無暗に距離を近づくことはない王者の戦いを見せる。残り1分を切り、ワンツーを見せたチャンピオンはスピニングバックフィストを繰り出し、ワンツーにつなげた。対してカモーシェはシェフチェンコの距離に入ってからの攻撃は出さないまま中盤を迎えることとなった。
3R、ワイドスタンス、重心の低い構えで前に出たカモーシェだが、これでは自らの攻撃はなく、逆に標的になりやすい。案の定、シェフチェンコはローを蹴り、ワンツーを放つ。重心を戻し、距離も戻ったカモーシェはフェイクばかりで空振りすら少ない。そしてローを蹴り重心がさらに上がったところをシェフチェンコは見逃さず、パンチを纏める。押されるように倒れたカモーシェは立ち上がって前に出ると、クリンチ戦でボディロックからの投げでテイクダウンを取られてしまう。カモーシェはクローズドを取り、時折りラバーを仕掛けるのみでラウンドを失った。
4R、空振りでも左ジャブ、リードフック、ローを繰り出すようになったカモーシェ。その動きが落ち着くと、距離を一気に詰めたシェフチェンコがワンツーを入れる。ダブルレッグをスプロールされ、引き込むように背中をちつけたカモーシェは蛇に睨まれた蛙のようにまるで動けない。シェフチェンコは足を一本抜き、さらにパスの圧力を高めるとカモーシェが足を戻す。やがてレフェリーがブレイクを命じ、試合はスタンドに戻った。
ハイを2発見せたカモーシェの攻撃は届かず、パンチを被弾しダブルレッグへ。シェフチェンコはスピニングバックフィストを合わせると、姿勢を乱したカモーシェがバックを譲る。足をフックする前にRNCを仕掛けた王者。カモーシェが背中をマットにつけ、タイムアップ。生物として強さが違うような試合になってきた。
最終回、あとがないカモーシェが右ミドルハイを蹴る。ブロックしたシェフチェンコは力の入ったパンチや蹴りを繰り出し、逃げ切りファイトにはしない迫力を見せる。こうなると右の拳のチョットした動きに反応してしまうカモーシェが、シングルレッグもスプロールされ引き込んでガードを取る。最後にラバーから10thプラネットの仕掛けを見せたい挑戦者だが、ケージに押し込まれ自由に動けない。シェフチェンコはボディにエルボーを落とし、ハーフガードへ。肩パンチ、右腕を差してしっかりと抑え込み、試合は残り1分へ。
最後の10秒で鉄槌を落とし、スタンドに戻ったシェフチェンコは時間があっても背中を見せて試合終了を迎えフルマークの判定勝ちを収めた。