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【HEAT45】後輩・春日井たけし戦へ──赤尾セイジ「1回しかない現役生活のなかで、戦っておきたい相手」

Akao【写真】春日井戦へ臨む、赤尾の気持ちを尋ねた (C)MMAPLANET

28日(日)に名古屋市熱田区の名古屋国際会議場で開催されるHEAT45。同大会で、赤尾セイジが春日井たけしとHEATバンタム級王座決定戦を戦う。

古巣が系列ジムだったこともあり、10年来の親交があり広義で捉えると先輩・後輩の仲でもある両者。それだけに赤尾は春日井の成長と現在の強さを認め、遣り甲斐のある相手と言い切った。


──春日井選手とのHEATバンタム級王座決定戦を戦う赤尾選手ですが、その前に王座を返上したキム・ミョンギュがONEウォリアーシリーズに出場して敗れたことについてはどのように感じていますか。

「そうですね、上の階級に出たんですよね……。王座返上したのも直前で、それでアッチに急に出た感じですけど、できれば彼と戦ってベルトを取り戻したかったというのはあります」

──当初、春日井選手との試合はノンタイトル戦でした。旧知の仲、そして後輩でありかつての練習仲間との試合に関してどのような気持ちでいましたか。

「確か5月に春日井がパンクラスで試合をする前にオファーが来て、『試合前に次の話をして、エェんかな』って思いました。真面目な話、その話が来た時、春日井にはメールをしましたよ。『お前、話を聞いたか?』って(笑)。

ただ、春日井が階級をバンタム級にした時点でタイトルを取り戻すならアイツと戦うことになるという流れを予測はしていました。そういうなかで最初は、キム・ミョンギュとの再戦のオファーがあったんです」

──そうだったのですか!!

「キム・ミョンギュとすぐにできればラッキーだとは感じましたけど、その時点まで彼に負けている僕と春日井が戦うのは当然だと思っていました。結局、キム・ミョンギュに何かあったんでしょうね──それが春日井に代わったという流れでした」

──春日井選手に連絡を取ったのは、やはりこれまでの人間関係があったからでしょうか。

「最終確認ですね。アイツもやるって言うやろうという前提で聞きました。僕も春日井もこの世界で生きてきて、練習していたことがあるとか、後輩だったとかで試合を断ることはないし。お互い勝てば得るモノがある戦いになるわけですから、それを受けないなら格闘技なんかやらんかったらエェわけですし

HEATという大会では、これはやるしかないカードです。僕も向こうにおった時代の皆に試合を見てもらえる機会やし、皆に喜んでもらえるカードですからね。ケージのなかに入ってストンピングをする機会があったら、思いきり踏み付けますよ」

──先輩後輩対談をしてもらった人間としては、正直……見たくない。

「あんな記事創ってくれたんで、そうなりますよね(笑)」

──それは両者に負けて欲しくないからであって、つまりは戦う価値のある試合だと捉えています。

「複雑は複雑です。ただ僕もキャリアの終盤になっているし、意味のない試合はやりたくない。そういうなかで春日井との試合は何て言うのか……1回しかない現役生活の中で戦っておきたい相手です。特にこういう間柄のヤツと戦うのも、現役を終えて振り返った時に『良かったんちゃうかな』と思える試合かなって。良い相手なんで。それだけ春日井のことを認めていますからね」

──初めて練習をした時に、将来拳を交えることになるかもしれないという予感はありましたか。

「全くないです。もう10年、11年ぐらい前ですからね、初めて会ったのは。あの頃、アイツが強くなるなんて想像もできなかったですし。だからこそ、そういう頃からアイツを見ていて、ここまで強くなった。だからこそ認めているわけだし、僕にとってやりがいのある相手でモチベーションも凄くあがっていますよ」

──改めて春日井たけしというMMAファイターの強さをどこに感じていますか。

「オールラウンダーですよね。ただし、フライ級の時に持っていたずば抜けた強さは、今の春日井からは感じないです。冷静に一選手としてみた時にはそう思います。フライ級でUFCに行こうとしていた時は、飛びぬけたモノを感じましたね。まぁ気持ちはどうか分からないですけど、フレーム的に相手を組み伏せていたのが、バンタム級になるとそこまでできていないです。組の強さが際立っていたのに、今は生かし切れていないように見えます」

──そんな春日井選手に対して、赤尾選手の攻撃手段は?

「僕はいつだってやることは同じです(笑)」

──ところで最後に一緒に練習したのはいつ頃ですか。

「一昨年の夏ぐらい、2年ぐらい前ですかね。グラップリングですけど、僕がテイクダウンをとってもギロチンを狙われたり、そんな感じでしたね。特徴は把握しているつもりです。もちろん、試合にならないと分からない部分はありますけど」

──ここでHEAT王座を狙う。このベルトはどこに通じているのでしょうか。

「僕としてはRIZINに出たいです。それにはタイトルを持っている方がアピールしやすいと思っています。これからはどうなるか分からないですが、HEATとDEEPを軸に試合をしていこうと思っています」

──では春日井選手との試合に向けて、意気込みをお願いします。

「2人の人間関係も含めて、全てを見てもらって楽しんでもらえればと思います。そして、必ず勝ってRIZINに行きます」

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