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【ONE96】日本大会での敗北から再起、ニコリニとのリベンジ戦。アンジェラ・リー「This is my World」

Angela【写真】常に明るくプロとしてしっかりとメディアに対応するアンジェラ──が、ニコリニに対しては、どこか含みのあるような物言いだった (C)MMAPLANET

本日12日(金・現地時間)にマレーシアはクアラルンプールのアシアタ・アリーナで行われるONE96「Masters of Destiny」でアンジェラ・リーがミシェル・ニコリニを相手に3月に喫した敗北からの再起戦に挑む。

キャリア10戦目で、ONE世界女子ストロー級王者シィォン・ヂィンナンに挑戦しTKO負けしたアンジェラ。MMA初黒星から、3カ月半を経て元柔術界の女帝ミシェル・ニコリニと対戦する。

両者はEVOVLE MMAで同時期に所属していたことがあり、2016年8月にグラップリングで対戦し、アンジェラはトーホールドで一本負けを喫している。

再起とリベンジを賭けた試合に向け、アンジェラ・リー敗北からこれまでを尋ねた。


──ミシェル・ニコリニ戦を金曜日に控えているアンジェラです。今の調子は?

「とてもエキサイトしているし、またクアラルンプールで戦えることが嬉しいわ。彼女との戦いには絶対の自信を持っている」

──3月の東京大会でキャリア初の敗北を経験しました。どのように精神的なリカバリーをしてきましたか。

「あの試合の後は、本当に苦しかったわ。私はずっと競い合いのなかで成長してきたし、負けるたびに傷ついていた。いつまで経っても、あの感覚は嫌なモノだし。そうね……自信も失っちゃうし、もう勝てないのではって思うこともあったわ。

本当に色んなことを考えて、最終的には『まだ終わってない。私は23歳じゃない』って奮い立つことができたの。もう重圧に苦しむこともない。勝ち負けは一旦忘れて、ベストを尽くそうって思えるようになったから」

──どれぐらいの時間を要しましたか。

「う~ん、波があったから……大丈夫って思えて、また落ち込んで。そうね、でも1カ月ぐらいしたらもう立ち直れたかな。

それにクリスチャンがシンヤの世界タイトルに挑戦するための取り組みを見て、そしてベルトを手にした時にまた私のハートに火がついたの。『これでしょ、私がやりたいことは!』ってね。そしてミシェルとの試合のためのキャンプに入ったの。

MMAって、永遠に戦えるスポーツじゃないでしょ? だから今は戦いに没頭して、他のことは後からやれば良いって思えて。とにかくベストを尽くすこと……そのスポーツを楽しみながら」

──ところでニコリニ戦はいつ頃決まっていたのでしょうか。

「5月に入って、クリスチャンの世界戦の前までにオファーはあったわ」

──グラップリングで敗れている相手です。

「あの時は朝起きて、そうだグラップリングだし出てみよう……なんて気軽な気持ちで参加を決めてしまったの。何も準備もしていなかったし、本当に軽い気持ちだった。黒帯のワールドチャンピオンと戦うのに、そんなことじゃダメに決まっているわよね。そんな気持ちで彼女が戦っているわけがない。

アレは私の失敗。そして、あんな気持ちで戦っちゃいけないんだってことをあの試合で学んだ。あれ以来、一切あんな状態で試合をしたことはないわ」

──今回の試合は当然グラップリングではなく、MMAです。

「そうね、この試合はMMA。ディス・イズ・マイ・ワールド。彼女のグランドが素晴らしくても、私はどこでも自信を持って戦うことができる。もちろん彼女も打撃の練習をしてきているでしょうけど、打撃戦がしたいわけじゃないはずだし。そういうことよ、アハハハ」

──試合前だというのに、チャトリCEOから10月の東京大会でジィォン・ヂィンナンの挑戦を受けて世界女子アトム級の王座防衛戦を行うという発表がありました。

「ねぇ……。驚いたわ。何も発表があるなんて知らなくて、モバイルを開いて、あの情報を見たんだから(苦笑)。でも、皆が見たい試合よ。私だってそう。前の試合が終わってから、また戦う必要があるって思っていたから。それがどこで、いつになるのかってことだったけど、日付も場所も階級も決まってスッキリしているわ」

──なるほど、毅然としてアンジェラらしいです(笑)。この間、またアンジェラは強くなったのでしょうね。

「どれだけコンディションが大切かを改めて学んだわ。背中のケガが原因で、3月までやっぱり練習も全開とはいかなかった。どうしても背中をかばってしまって。ランニングもしていなかったし。ストロー級で戦うから体重を落とす必要はないことで、走らなくても問題ないって思っていたの。

でも、それって体重を落とさなくても私からスタミナを失わさせてしまっていたの。そういうことも含め、しっかりと戦うための準備ができていなかった。再発が怖くて作りこめなかったのね。言い訳にはできないけど、事実としてメンタルと共に十分でなかった。今回はもう大丈夫。これまで以上に練習ができるだけ体調は戻ってきたから」

──では、今回の試合を日本から応援しているファンに一言お願いします。

「日本のファンの皆の応援にいつも感謝しているわ。クアラルンプールでミシェル・ニコリニと試合をし、10月13日に東京に戻って、アトム級のタイトル防衛戦戦をシィォン・ヂィンナン相手に戦うことも決まったし。前回の時のように皆に応たくさん援してもらえると嬉しいわ」

■ONE96対戦カード

<ONE Super Seriesキックボクシング・フェザー級ワールドGP準々決勝/3分3R>
ペットモラコット・ペッティンディー・アカデミー(タイ)
ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア)

<女子ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
アンジェラ・リー(米国)
ミシェル・ニコリニ(ブラジル)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エブ・ティン(ニュージーランド)
阿部大治(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
アブロ・フェルナンデス(インドネシア)
グルダージャン・マンガット(インド)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ジヒン・ラズワン(マレーシア)
ジョマリー・トーレス(フィリピン)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
トロイ・ウォーセン(米国)
チェン・ルイ(中国)

<キックボクシング・フライ級/3分3R>
秋元皓貴(日本)
ケニー・ズィー(豪州)

<ムエタイ・女子アトム級/3分3R>
カイティン・チュアン(台湾)
ジェネット・トッド(米国)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R/5分3R>
パク・デソン(韓国)
江藤公洋(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
アレクセイ・トイヴォネン(フィンランド)
藤沢彰博(日本)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
サイフル・メリカン(マレーシア)
モハメド・ビン・マムード(マレーシア)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
アドリアン・マテイス(インドネシア)
リィー・ヂゥー(中国)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ボージェナ・アントニヤ(ミャンマー)
ビー・ニューイェン(ベトナム)

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
ジョージ・マン(英国)
ソーグラオ・ペッティンディーアカデミー(タイ)

<キックボクシング・フライ級/3分3R>
ジョシュ・トナー(中国)
森本・狂犬・義久(日本)

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