【UFC239】JJ✖マヘタ、ヌネス✖ホルム、アスクレン登場のメガショーで中国のソン・ヤードンが見逃せない
【写真】中国市場を知るうえで、中国MMA界の将来=ドン・ヤードンのファイトは見逃せない(C)Zuffa LLC/Getty Images
6日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナでUFC239「Jones vs Santos」が開かれる。2015年以来、TUFやFight Nightと連戦が組まれ、2016年に至っては3Daysイベントが開催されていた独立記念日のUFCウィークも、今年はUFC239の単独開催となった。
それでもメインはUFC世界ライトヘビー級選手権試合=ジョン・ジョーンズ✖チアゴ・マヘタ(ブラジル)、コメインがUFC世界女子バンタム級選手権試合=アマンダ・ヌネス✖ホーリー・ホルム、さらにはベン・アスクレンのオクタゴン2戦目となるホルヘ・マスヴィダル戦が組まれており、特別感が漂うビッグショーだ。
JJは昨年12月に返り咲いたライトヘビー級王座防衛戦を3月のアンソニー・スミスに続き、マヘタと行う。1984年1月生まれ、34歳のチャレンジャー=チアゴ・サントスはスレッジハマー=マヘタの異名を持ち、キャリアは21勝6敗。TUF BRを経てUFCには2013年から参戦し13勝5敗と浮き沈みは見られるものの、現在は4連勝中で王座挑戦権を得た。うち3試合がTKO及びKO勝ちでパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを2度、ファイト・オブ・ザ・ナイトを1度獲得している──今が旬といえるファイターだ。
アフリカ系のブラジリアンらしくカポエイラを勤しみ、ブラジル軍の空挺部隊を経てMMAの道へ。高い運動能力と戦闘意欲を持ち合わせいるマヘタだが、JJと対するには体格的にアドバンテージはない。それでも打撃戦のなかでチャンピオンの頭が落ちるような攻防に持ち込めると、裏必殺技といえるギロチンチョークで世界の頂点に立つ可能性を持っている。
セミの女子バンタム級選手権試合はフェザー級とのチャンプ・チャンプ=ヌネスにとって、同王座の4度目の防衛戦となる。ミーシャ・テイト、ロンダ・ラウジー、クリス・サイボーグという女子MMA界の先人を倒してきたチャンピオン対し、ホルムはMMAのキャリアこそ短いものの年齢的には6歳年長で、女子ボクシング界で16のタイトルを獲り──格闘家としては先人世代といえる。
いってみればヌネスにとって、残り少なくなったレガシーを受け継ぐ──いや、強奪すべき数少なくなってきた相手がホルムといえよう。サイボーグに打ち勝ち、今や無敵感すら漂うチャンピオンに対し、チャレンジャーはUFCでは5勝4敗と黒星が決して少なくない。ただし、その全てが接戦といってよく彼女がダメージを受けるようなファイトはなかった。その接戦もつば競り合いではなく、主導権争いという印象が強いホルム。つまり手数でなく精度で戦うスタイルがマイナスに作用してきた。ただし、この試合は勢いづくチャンピオンが相手だけに、そんなホルムのディフェンス能力、距離のコントロールが最大の武器となりそうだ。
アンダーカードの注目は、中国のソン・ヤードンだ。2017年の11月のUFCデビュー以来、3連勝中のハルビン出身の21歳のソン・ヤードンは、UFCがアジア市場で断トツで力を入れる中国MMA界の将来を担っているといっても過言でない。その期待度の高さが、ラスベガスのビッグショー出場という形で表れた。
カンフー・モンキー異名を持つソン・ヤードンは中国人ファイターらしく散打ベース、オーソの構えから前足の蹴りでディスタンスをコントロールし、回転技も多用する。低い重心から右オーバーハンドを強振することもでき、軸が強いファイターだ。これまでは様子見でもありプロテクト的な対戦相手だったが、今大会で戦うアレハンドロ・ペレスはオクタゴンで既に7勝を挙げている中堅ファイターだ。ここからがソン・ヤードンにとって本当の意味で、ドラゴンへの道となるラスベガス決戦だ。
■ UFC239対戦カード
<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
【王者】ジョン・ジョーンズ(米国)
【挑戦者】チアゴ・マヘタ(ブラジル)
<UFC世界女子バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]アマンダ・ヌネス(ブラジル)
[挑戦者]ホーリー・ホルム(米国)
<ウェルター級/5分3R>
ベン・アスクレン(米国)
ホルヘ・マスヴィダル(米国)
<ライトヘビー級/5分3R>
ルーク・ロックホールド(米国)
ヤン・ブラボヴィッチ(ポーランド)
<ウェルター級/5分3R>
マイケル・キエーサ(米国)
ディエゴ・サンチェス(米国)
<フェザー級/5分3R>
ギルバート・メレンデス(米国)
アーノルド・アレン(英国)
<バンタム級/5分3R>
マルロン・ヴェラ(エクアドル)
ノエリン・ヘルナンデス(米国)
<女子ストロー級/5分3R>
クラウジア・ガデーリャ(ブラジル)
ランダ・マルコス(カナダ)
<バンタム級/5分3R>
アレハンドロ・ペレス(メキシコ)
ソン・ヤードン(中国)
<ミドル級/5分3R>
ジャック・マーシュアン(英国)
エドマン・シャバジアン(米国)
<ウェルター級/5分3R>
イズミール・ヌルディエフ(オーストリア)
チャンス・レンカウンタ(米国)
<女子バンタム級/5分3R>
パニー・キアンザド(スウェーデン)
ジュリア・アヴィラ(米国)