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【WJJC2019】ライトフェザー級、鍵山士門。36歳で茶帯世界王者になった漢=41歳のアナンダに下る

Kagiyama【写真】ある意味、超人ではない実に柔術家らしい競技人生を往く先人に鍵山は敗れた(C)MMAPLANET

5月30日(木・現地時間)から6月2日(日・現地時間)にかけて、米国カリフォルニア州ロングビーチのカリフォルニア大ロングビーチ校内ピラミッドにて、IBJJF主催のブラジリアン柔術世界選手権が行われた。競技柔術世界一を決定するこのムンジアル・レビュー第7回はライトヘビー級に出場した鍵山士門の初戦の模様をレポートしたい。


<ライトフェザー級1回戦/10分1R>
ラム・アナンダ(米国)
Def. by 2-0
鍵山士門(日本)

01鍵山の初戦の相手は、2014年に36歳で茶帯世界王者となった米国人選手、アナンダだ。両者同時に座ったと、鍵山は上を選択してアドバンテージを獲得。その後アナンダはもう一度立つが、ここも鍵山が上を選択しアドバンテージを追加した。

02上になった鍵山は、ニースライス等を狙うがアナンダは鍵山の手首を掴んで足を効かせて対抗。鍵山の左足を掴んで後ろに崩すと、クローズドガードに。鍵山が立ち上がると、アナンダはガードを開いて鍵山の右足に絡むデラヒーバに。そこからアナンダは鍵山を崩しにかかるもバランスを保つ。

03その後アナンダはラッソーやスパイダーも使っての崩しを試みるが、鍵山はヒジを巧妙に使い、また巧みな足運びで上をキープする。が、攻撃を仕掛け続けてくるアナンダに対して防戦が続いているのも事実だ。攻撃の手を決して止めないアナンダは、片襟片袖で鍵山を引きつけると右腕に絡んでのオモプラッタへ。そのまま鍵山の体を横に返してついに上を取り、2点を獲得した。

あと3分というとろこでリードされてしまった鍵山。ハーフガードを取ってワキを差し背中越しにアナンダのラペルを掴んで揺さぶりにかかるが、アナンダは体勢を低くして防ぐ。残り1分で鍵山はクローズドガードへ。アナンダは右ヒザを入れて体勢を低くして耐える。

04残り20秒、鍵山は右足を内側から入れてアナンダの左足を引き出して抱え、さらにアナンダのラペルも引き出して左足に絡めて掴み、前に崩してのスイープ狙い。アナンダが立ち上がって逃れようとするところを追いかけるが、場外ブレイクに持ち込まれてしまった。

05残り数秒からの再開。鍵山は最後の望みを賭けてテイクダウンにいくが、アナンダに距離を取られ万事休す。鍵山に何度凌がれても下からの攻撃を仕掛け続けたアナンダが、2-0で勝利した。

40歳を超えたアナンダがひたむきに攻撃を繰り返すのに対して、受け身に回ってしまった鍵山。技術では劣っていなかったと思われるが、戦いにおける心構えという点で──年長の黒帯選手から学ぶべきものがあるかもしれない。

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