【UFC105】壮絶KO負けから復活、ビスピン逆転勝利
■第9試合 ミドル級/5分3R
マイケル・ビスピン(英国)
Def.2R4分24秒/TKO
デニス・カーン(カナダ)
場内の大歓声を受け、自らも小走りとなり興奮を隠しきれないビスピン。そのビスピンに冷めたい視線を送るカーン。どよめきのようなブーイングをカーンに送ったマンチェスターのファンは、地元の英雄に割れんばかりの声援を送る。
鋭い右を放ったカーン、続いてローキックと打撃を上下に打ち分ける。ビスピンの右には距離をとり、待ちの構えのカーンの狙いは右のカウンターか。飛び込んだビスピンに狙い通り、右フックを放ったカーンはこの一発でダウンを奪う。すぐにグラウンドへ移り、パスに成功する。ビスピンはハーフに戻すが、カーンは動きを止めず、エルボーを落としヒザを押してマウントを奪う。ビスピンはハーフに戻すが、再びマウントを奪われ、パウンドを浴びる。
エビからハーフに戻し、さらにフルガードから十字を狙ったビスピン。パウンドの直撃をさける、巧みなガードワークを披露する。ビスピンが仕掛けた3度目の腕十字を察知し、パスからサイドを奪ったカーン。ここでもビスピンがハーフに戻す。カーンがトップから攻め続け、ポイントを奪った初回、猛攻を逃げ切ったビスピンは観客にガッツポーズを見せた。
インターバル中の会話から、初回のダウンを覚えていないことが伺えるビスピンは、いきなり左ハイを見せる。左ロー&左ジャブを繰り出すが、カーンは足を使ってカウンターの機会を待つ。と、いきなりの右オーバーハンドを見せたカーンは、ビスピンが多用するハイを簡単にカット。しかし、ビスピンは直後にシングルレッグからテイクダウンを奪うと、カーンの草刈り、手繰りを潰してパウンド&鉄槌を連打する。
転がるように難を逃れ、立ち上がったカーン。ビスピンはダブルレッグで再びテイクダウンを奪うと、額をカットしたカーンにパウンドを落としていく。三度、試合がスタンドに戻るが、カーンは左フックから右フックを見せるが、足が前に出ておらず有効打とならない。すると、ここでも距離を詰めたビスピンは右をヒットさせ、簡単にテイクダウンを奪う。
体を畳んだカーンにパウンド、後方回転をしタートルポジションになってもヒザを脇に落としていくビスピン。なんとか立ち上がったカーンだったが、ビスピンはここで顔面にヒザを突き上げる。両ヒザをついてキャンバスに突っ伏したカーン、レフェリーが試合を止め、ビスピンが地元のファンの前で逆転勝ちを手にした。
「マイケル・ビスピンは戻ってきた。UFC、マンチェスターに礼をいいたい」というビスピンは、愛息テイラー君に腕十字をかけさせると笑顔でタップし、オクタゴンを後にした。