お蔵入り厳禁【Invicta FC FR01】ストロー級ワンナイトT出場、魅津希─02─「私に向いていない試合タイム」
【写真】魅津希がNYで掴んだモノとは(C)ON THE ROAD MANAGEMENT
5月3日(金・現地時間)に、カンザス州カンザスシティのメモリアル・ホールで開催されるInvicta FC「 PHOENIX RISING 01」=インヴィクタ8人制ワンナイト・ストロー級トーナメント。
1回戦と準決勝が5分✖1Rという特殊なレギュレーションが適用されたトーナメントに挑む魅津希。ここをステップにUFCとの契約を目論む彼女は、トーナメント開催と出場メンバーが決定していた時点で何を語っていたのか。
インタビューを行っていた時に、「塩漬けされて終わるのだけは避けたい」と話題になっていたシャロン・ジェイコブセンと初戦でたたかうことが、インタビュー後に決まった。
お蔵入り厳禁、5分1Rとジェイコブセン、そしてトーナメント対策に関して魅津希は何を語っていたか。インタビュー第2弾をお届けしたい。
<魅津希インタビューPart.01はコチラから>
──おお力強い言葉です。できればジェイコブセンは1回戦では外れ、決勝で5分✖3Rで当たって欲しいとは思っていたのですが……。
「決勝だっら、もうそれこそ3ラウンドもあるのでボコボコしてやります(笑)」
──やはり対戦相手よりも問題になるのは5分✖1Rという試合タイムでしょうか。
「そうですね。皆、同じ条件ですが私には向いていない試合タイムだと思います。でも、そこを楽しみたいです」
──この5分✖1Rに対して、どのような対策を練っていこうと思っていますか。
「現時点ではどうしようかと……。5分✖1Rの対策はまだ練られていません。5分✖3Rならスタミナをつけてというのはあるのですが……そうですね、コーチと話をします。フィジカルの先生がストレスの状態を測ることができる機会と言うのを使って、アップの仕方を変えようという話はもうしているんです」
──ストレスの状態を測って?
「ハイ。私はスロースターターなのでウォーミングアップをどれぐらいすると、試合の時の2Rや3Rの調子が出てくるのか。そういうことを調べて、アップを変えることで最初から調子が出るようにするとか……そういうことをやっていくみたいです」
──科学的というか、近代的というか。そこまでの世界になっているのですね。初戦を終えると、準決勝も違う相手と5分1Rの一発勝負で戦う。初戦を一番短い勝った選手が対戦相手とピックするなど、通常の試合と比較して圧倒的に不確定希要素が増えてきます。
「本当に難しいですよね」
──この試合は勝てばインヴィクタ世界ストロー級チャンピオンになれるのでしょうか。
「トーナメントのチャンピオンです(※その後、同級王者のヴィルナ・ジャンジローバがUFCと契約し、トーナメント優勝者が新世界王座に就くことが発表された)」
──いずれせよ、ここで勝ってUFCというプランかと思いますが……。
「ハイ。決勝まで行けば、誰が相手でも勝つ自信はあります。そこまでの5分✖1Rをどのようにクリアするか。そこが問題になってきます。ここで勝てれば、パパパパっとUFCに行けるかと思うので、頑張りどころですね。なので、ちょっと抑えられて塩漬けされてということだけは避けたいです」
──それこそNYで積んできたことを全て出す機会かと。もともと能力として高いレベルにあった魅津希選手ですが、NYにきて得られたことは何になりますか。
「やはり先ほども言いましたが、勝っている時は良かったのですが、負けた時に何がいけなかったと考えると、言われたことをやっているだけだったことが挙げられると思いました。自分でゲームプランを考えることもなく。
NYに来てからは皆がコーチと話をして、皆で盛り上がって戦う。チーム力というモノを感じています。自分で考えて、そこにコーチや他の選手からアドバイスをもらうことで、それを練習で試す。その結果、納得できてから試合で使う。そこがNYに来て変わったところです。
色々な意見があって、耳を傾けることで自分でゲームプランを考えるようになりました。自分で考えることの、大切さを知りましたね。
ただ、これが中学の時に自分で考えろと言われてもできていなかったかもしれないです。私にはベースがあるので、上手くできている。立ち技も寝技も、豊橋で教えられたことは、そこそこは海外で通用してきました。そのベースがなければ、NYで練習できていなかったと思います。
外国人と真っ向勝負をしても力負けしても、日本人特有の器用さ、技術力で対抗できる。それは日本でやってきたことがあるからです。週に1、2度あるスパーリングの時でも序盤は力で押されることは少なくないです。でも、真っ向勝負しなくてかわして戦えるのは、豊橋で土台が作られたからで。それは実感しています」
──その正確な技を自分で選択して使えるようになってきたと。
「教えられたことを土台に吸収していきたいと思っています。自分が持っていたモノに、何を付け加えていくのか。日本の人って2週間とかでこっちに来るじゃないですか? そういうのってあまり意味がないと思うんです」
──えっ……。それはまた……。
「外国人と練習して、その力を肌で知ることで日本に戻って生かすというのであれば分かります。でも、こっちで何か掴もうと思っているなら、2週間いるだけでどんな能力が身につくんだろうって。それは私のなかで思っています」
──なるほど、直球勝負ありがとうございます。では私の方からは変化球を投げさせてもらいます(笑)。豊橋からNYへ、30分や40分でマンハッタンがある場所での日々。その状況にウキウキし、格闘技以外の部分でエンジョイしてしまうことはないですか。
「そんなことは……楽しいですけど、う~ん……楽しいです(笑)」
<この項、続く>