【写真】右を向いても左を向いても強豪ぞろい。ミッツが末席からどのような活躍を見せるか楽しみだ(C) SATOSHI NARITA

15日（現地時間・火）から20日（同・日）にかけて、ポルトガルのリスボンにあるパヴィラォン・ムルチウソス・ジ・オジヴェラスにてIBJJF（国際柔術連盟）主催のヨーロピアンオープン柔術選手権が開催される。ヨーロッパのみならず、米国より入国しやすいという状況でブラジルからも強豪が参戦しやすい──ヨーロピアン。最終回はフランス生まれの侍、トーマス・ミッツが出場するミドル級の見どころをお届けしたい。
Text ISAMU HORIUCHI

世界の強豪が集まるこの階級に日本のカルペディエムから参戦するのが、フランス出身にして昨年の世界大会で黒帯デビューを果たしたミッツだ。世界大会の一回戦を見事に競り勝ったミッツは、次戦ではマルコス・ティノコと対戦。トップからの強烈なプレッシャーに2度のパスを許して完敗したが、大舞台で世界最高峰の力を肌で知る経験を得た。

その後ミッツは、全日本大会では一回戦、準決勝と圧勝した上で同門の田村幸成（ヒビキ）とクローズアウトを達成。アジア大会でも決勝に進出し、かつてライト級絶対王者のルーカス・レプリに勝利したこともあるルアン・カルバーリョと対戦。ここは大量得点差で敗れたものの、またしても世界トップの力を体験した。

そんなミッツの今回の初戦の相手は、これまた著名なアンドリス・ブルノフスキスだ。一昨年のアジア大会の決勝で、岩崎からオモプラッタで一本勝ちを収めているテクニシャンを倒せば、おそらく次に控えるのは昨年の世界大会ライト級でセルソ・ヴィニシウスやエドウィン・ナジミに圧勝して世界を驚嘆させたノルウェーの若者、エスペン・マティエセンになる。

ここで勝利した者が準決勝で、昨年の世界王者イザッキ・バイエンスとの戦いとなりそうだ。 これだけ世界的強豪がひしめく舞台にて、アジアを渡り歩き日本の道場で強くなったフランス人青年がいかに戦うか、見守りたい。

さらに別ブロックには、上述のマティエセンのチームメイトにして昨年のミドル級世界準優勝者であるトミー・ランガカーの名前がある。昨年の世界大会では2階級に分かれて一本勝ちを量産してバイキング旋風を巻き起こした2人が、北欧と南欧とまるで風土が違うとはいえ、御当地大会=ヨーロピアンでは揃ってミドル級に出場。当然、狙いはクローズアウト。ヴァイキングズによるクローズドアウトが実現するかどうかも、このヨーロピアン・ミドル級の大きな見所だ。

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