お蔵入り厳禁【WEF Global 14 & Arzalet】WEFミドル級王者ルジボエフ「韓国でも日本でも戦う」
【写真】この勝利後、12月にロシアのトゥーラで行われた試合で判定負けを喫したルジボエフ。拳の影響はなかっただろうか。ロシア&中央アジアの弱肉強食ぶりのグンを抜いている (C)MMAPLAET
昨年11月10日にキルギスはビシュケクのスポルトパラス・コジョムクルで開催されたWEF Global14&Arzaletのメインで、レフェリング問題はあったが自ら保持するWEFミドル級王座を守ったヌルスルタン・ルジボエフ。
理解不能なブレイクの指示があったのは事実、と同時にマルキーニョス・ソウザのマウントからエスケープするなど彼は自身のベストを尽くしてたたかった。
カザフスタン、キルギスとMMAが盛んで格闘技も盛んな中央アジアにあってルジボエフの母国ウズベキスタンは、クラッシュという投げのみの柔道といえる国技があるが、それほどMMAは普及していないという。
そんなルジボエフはマルキーニョス戦後をどのように考えていたのか。お蔵入り厳禁、翌日腫れた拳を見せインタビューのために病院に行く時間をずらしてくれた未知のウズベキスタン人ファイターの主張をお届けしたい。
──ベルトを防衛して一夜経ちました。どのような気持ちですか。
「とても嬉しいです」
──左の拳はケガをされたのですか。
「ハイ、腫れています。最後のパウンドでやったようです」
──まず今回の防衛戦、マルコス・ソウザ選手というファイターのことを試合が決まる前に知っていたのでしょうか。
「ハイ。柔術黒帯の強豪ですし、そこは分かっていました。僕は常に対戦相手を研究して対策練習をして試合に臨むのですが、今回の試合は特にしっかりと準備してきたんです。チェチェンのグロズヌイでキャンプを張ったのですが、マルコス・ソウザ対策として、チェチェン人の柔術コーチも力を入れて指導してくれました。
ボクシング、キックボクシング、グラップル、そして柔術のコーチがいて練習してきたのですが、苦戦をすることも分かっていましたし、チャンスが巡ってくればそこで全力で攻めるつもりでした。そして、その通りの試合になり満足しています」
──どのような対策を練ってきたのですか。
「立って距離を取る。その練習をしてきました。柔術で対抗しても勝てないですからね」
──それでも寝技から逃れるというシーンが幾度かありました。寝技対策の成果もあったようですね。
「僕も子供の頃から組み技の練習をしてきています。ただし、マルコス・ソウザの柔術は本当に強かったです」
──ルジボエフ選手の責任ではなく、腕十字へのブレイクがあったことなど日本ではレフェリーに批判が集中しています。そのことについては、どのように考えていますか。
「UFCでも他のMMAでも寝技で動きが止まると、10秒とか20秒でブレイクが掛かるじゃないですか。あの腕十字は30秒は耐えていたので、問題ないと思います。あのまま続いてもクラッチを剥がされることはなかったです。十分に力も残っていました。
あと急所蹴りに関しては、あれは急所じゃないです。映像を確認すれば分かります。あの辺りはマルコス・ソウザが上手かったです」
──マルキーニョスに勝ったことで、アルゼルトで戦うチャンスが出て来ると思います。
「マルコス・ソウザには感謝しています。キルギスのような遠い場所まで来て、僕と戦ってくれたので。日本でも韓国でもアルゼルトが呼んでくれるなら、必ず良い試合をします」
──ところでルジボエフ選手の母国ウズベキスタンではMMAは盛んなのでしょうか。
「ウズベキスタンにはWEFのようなMMA大会はありません。僕も普段はウズベキスタンで練習していますが、試合前になるとロシアのチェチェン共和国にあるチーム・アクマットでキャンプを張ります。
今後はUFCやBellatorで戦えるようなファイターになって、ウズベキスタンの名前を上げたいです。そしてウズベキスタンのMMAを盛んにしたいと思っています。
僕自身、MMAを始めたのは喧嘩に明け暮れた日々があったからです。サンボも柔道も経験がなく、喧嘩をしていてMMAを始めました。だから僕のような人間がUFCで戦えるようになると、WEFのような組織がウズベキスタンにもできるでしょう。そんな日が来るために頑張ります」
──ルジボエフ選手、今日はありがとうございました。急いで病院に向かってください。
「こちらこそ、ありがとうございました。最後にアクメット・ファイトクラブのムラドヴィッチ代表、コーチ達に感謝していることを伝えさせてください」