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【WJJC2018】ウルトラヘビー級、ホシャの追撃振り切りブシェシャが6度目の頂点に

Ultra Heavy【写真】ホシャの下克上を許さなかったブシェシャが恒例となった表彰台の頂点に(C) SATOSHI NARITA

5月31日(木・現地時間)から6月3日(日・現地時間)にかけて、カリフォルニア州ロングビーチのカリフォルニア大ロングビーチ校内ピラミッドにて、IBJJF主催のブラジリアン柔術世界選手権が行われた。ブラジリアン柔術の頂点を極める同大会ロングラン・レビュー、今回は競技柔術最強の男マーカス・アルメイダ・ブシェシャが6度目の制覇となったウルトラヘビー級決勝の模様をお伝えしたい。


01最重量級では、2連覇中にして5度王座についている世界最強の競技柔術家ブシェシャことマーカス・アウメイダが、準決勝でヴィクトー・ホノリオからパスを奪いキムラロックを極めて決勝進出。もう一つのブロックからは、ルイス・パンザらを倒したジョアオ・ガブリエル・ホシャが勝ち上がり、本命と対抗と目された二人による決戦となった。

軽量級ばりのスピードとアジリティ、そして高度な技術を併せ持つ最重量級選手という点で、現在ホシャは唯一ブシェシャに匹敵する存在といえる。ちなみに無差別級でも決勝進出を果たしているブシェシャとは異なり、ホシャこの階級での打倒ブシェシャに集中する姿勢を見せている。

02<ウルトラヘビー級決勝/10分1R>
マーカス・アウメイダ(ブラジル)
Def. by レフェリー判定
ジョアオ・ガブリエル・ホシャ(ブラジル)

03気合十分のホシャは、試合開始と同時にブシェシャに突進して足を飛ばす。ブシェシャも負けじと頭から突っ込んで場外までホシャを押していき、試合はスタンド再開に。その後も足を飛ばすホシャと、足に手を伸ばしてシングルやダブルを狙うブシェシャによるスタンドの攻防が続く。どちらもスタンドで譲らないまま5分が過ぎ、両者にそれぞれ2つ目の膠着ペナルティが与えられた。

少しずつペースを上げるブシェシャは、ホシャのズボンを掴んで飛び込んでのテイクダウン狙いに。しかしホシャはそれを引き倒しにかかり、再び両者は場外に出た。残り時間が少なくなるにつれ、徐々にアグレッシブさを増していく両者だが、どちらもテイクダウンには至らない。

残り3分半のところで、ブシェシャがヒザを付きながらテイクダウン狙いへ。尻もちをついたホシャだが、すぐに立ち上がってブシェシャの巨体を内股で投げる──もこ場外でポイントには至らず。残り1分40秒、両者に最後のペナルティが告げられ、互いに2ポイントが与えられた。これで次にペナルティをもらった方が敗戦、もし両者同時にもらったら両者失格で優勝および準優勝の権利も失うこととなる。

04この状況で先に仕掛けたのは、やはりブシェシャだった。ホシャの襟を煽って豪快に引き倒したブシェシャだが、ホシャもすぐに体勢を戻してポイントには至らない。ブシェシャはさらにヒザを付いてズボンに手を伸ばすも、ホシャが防御。残り30秒となったところで、ホシャが背負いに。

05それを潰してがぶるブシェシャ。ホシャも負けじとドライブして前に出るが、ブシェシャが回り込んで上に乗り続けるなかで終了。次の瞬間、ホシャは勝利を確信してか咆哮した。

結果、レフェリー判定は3-0でブシェシャに軍配があがる。その瞬間、落胆のあまりにマットに崩れ落ちるホシャ。お互いがスタンドで譲らなかった攻防は、ブシェシャの方が仕掛けが多かったことが評価されたようだ。これでブシェシャは3年連続、6度目の最重量級王座に輝いことに。

勝利を引き寄せたのは、ディフェンディングチャンピオンにして、決して守勢に回らず常にアグレッシブな戦いを展開するブシェシャの姿勢だろう。

■WJJC2018 ウルトラヘビー級 リザルト

優勝 マーカス・アウメイダ(ブラジル)
準優勝 ジョアオ・ガブリエル・ホシャ(ブラジル)
3位 ヴィクトー・ホノリオ(ブラジル)、アドミルソン・ゴビ(ブラジル)

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