【TUF27】ジアネッティの独創的なファイトはジャッジが嫌う?? トリザーノがライト級ウィナーに
<TUF27ライト級決勝/5分3R>
マイケル・トリザーノ(米国)
Def.2-1:29-28.29-28.28-29
ジョー・ジアネッティ(米国)
サウスポーのジアネッティが軽い蹴りを見せ、トリザーノは逆に鋭いローを走らせる。独特のリズムで、ゆったりとステップを踏みながら鋭い踏み込みでテイクダウンを仕掛けたジアネッティがバックに回る。さらに後方からヒザを入れ、足を一本入れるや右足でケージを蹴ってグラウンドへの移行を狙う。必死に立ち上がろうとするトリザーノだが、背中を取られた状態が続き、ついにグラウンドへ持ち込まれてしまう。
ここでジアネッティはバックでなく足を入れてサドルへ。さらに体を起こしたトリザーノに対し、内側から足を入れたままダースを仕掛ける。頭を抜いたトリザーノがヒールを狙うと、ジアネッティがすかさず起き上がってトップを奪った。トリザーノの腕十字狙いを防ぎパンチを落としたジアネッティは、最後に三角絞めの態勢に入られたが、タイムアップとともに笑顔を浮かべた。
2R、ローキックの応酬からスピニングバックフィストを放ったジアネッティは、続くニータップをギロチンに切り返される。自ら背中をつけて頭を抜いたジアネッティは、ハーフ&ロックアップもパスを許す。トリザーノがアメリカーナを狙うと、両足を胴に回して反転したジアネッティがトォーホールドを狙う。
体を起こしたトリザーノが、お尻の方を向いた逆マウントの形になるが、四の字フックを続けるジアネッティが攻撃を許さない。ジアネッティは座った状態で足首固めを狙うが、ジアネッティは足を組みなおし腰にエルボーを入れる。トリザーノは両足につけにダブルエルボーを落とすという──冗談のようなポジションと攻撃のなか2Rが終わった。
最終回開始早々、トリザーノのローが急所に入り試合が中断する。再開後、トリザーノのローに対し、相変わらず緩いステップから蹴りやスーパーマンパンチを繰り出すジアネッティが、一点鋭いスイッチから左ミドルを蹴る。ローを繰り返すトリザーノも、攻め手が見つからないか。
WKF系のポイント空手のようなジャンプを続ける構えから、ジアネッティはミドルを繰り返す。トリザーノは右ボディから左フックを当てる。さらにボディストレートを入れ、右ストレートも届かせる。ジアネッティが組まなくなり、サークリングを続け左ミドルを見せるのみ。
残り90秒、ケージの前を移動するジアネッティは、蹴り技以外はほぼ技を出さない。トリザーノも組まれるのを嫌がってか、インファイトという距離は取らないまま試合は残り20秒へ。前に出るトリザーノに対し、回るジアネッティがここでもミドルを見せたのみ。タイムアップとともに笑顔を見せたジアネッティだが、観客はブーイングを送った。
結果、独創的な動きを続けたジアネッティは初回と2Rを取ったかと思われたが、スプリット判定で敗れると、その場に座り込み──「分かったよ」というような澄ました表情をしていた。