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【ONE72】フライ級王座統一戦へアドリアーノ・モライシュ「キョージ(堀口恭司)に空手を習っている」

Adriano Moraes【写真】MMA戦績17勝2敗、ONEでは10勝2敗のレコードを残す世界フライ級王者アドリアーノ・ミキーニョ・モライシュ (C)ONE

23 日(土・現地時間)、中華人民共和国マカオ特別行政区のザ・スタジオシティ・イベントセンターで開催されるONE72「Pinnacle of Power」。

同大会のメインはONE世界フライ級王座統一戦、正規王者アドリアーノ・ミキーニョ・モライシュ×ジェヘ・ユースタキオの一戦だ。

2013年からONEで戦うようになり、翌2014年9月にエウスタキーオと王座決定戦を戦いギロチンで一本勝ちしチャンピオンに輝いたミキーニョ。1度はカイラット・アクメトフに敗れベルトを失ったが、昨年8月のマカオ大会でチャンピオンに返り咲いた。

3カ月後にエウスタキーオの同門ダニー・キンガドを破り王座防衛、なぜかONEはその2カ月後に暫定王座を制定し、ユースタキオがアクメトフを破りもう一人のチャンピオンとなった。

今回の王座統一戦に絶対の自信を見せるミキーニョ。漆谷康宏、ランボー宏輔、渋谷莉孔という3人の日本人選手に勝利している彼が、自信を持つ要因の一つが堀口恭司に学ぶ空手だった。


──ジェヘ・ユースタキオ戦が近づいてきました。

「またジェヘと戦うことができて光栄に思っているよ。もう準備はできている。ATTでしっかりと調整してきたので、メンタルも強くなっているし、とにかくこの試合に向けて充実しているよ」

──ジェヘと戦うことで、何か重点を置いて練習してきたことありますか。

「う~ん、そうだね。僕は世界のベストチームでトレーニングしている。そこで毎日、ハードに練習することが仕事だ。ボクシングも柔術も、凄く進歩した。僕のMMAゲームは世界でも最高レベルにあるよ。それに空手も急激に力をつけているからね」

──ATTで空手といえば……。

「そうだよ、キョージ(堀口恭司)だよ。キョージとは、本当によく一緒に練習してきた。知り合った時から、もう3年ぐらいになるのかな……ずっと一緒にやってきたよ。

キョージとの練習はホントにハードだ。キョージに空手を習い、柔術をキョージに教えている。そして、2人とも強くなれた」

──空手をどのようにMMAに生かしているのでしょうか。

「空手は素晴らしいアートだ。そして、僕のMMAを進化させてくれた。どんな風に僕が空手を使うのか、しっかりと次の試合で確認しておくれよ(笑)」

──了解しました。ところでゲヘの大きな武器はスピードです。

「キョージはジェヘより速いからね。僕とキョージのスパーリングはATTの皆が練習の手を止めて眺めるほどさ(笑)。『フライ級で最高の動きだ』って皆が言ってくれるよ。

スクランブルでも強さを発揮するミキーニョ(C)DAVID ASH

スクランブルでも強さを発揮するミキーニョ(C)DAVID ASH

ゲヘとはしっかりと自分の距離を取って、戦おうと思っている。もちろん、グラップリングでは僕の方が上だ。レスリングも成長している。前に戦ったときも打撃を当てて、しっかりと一本で勝った。今回も何も違いはないよ。また、同じように勝つ」

──前回の試合から、両者揃って成長したと思います。

「ジェヘはグラップリングが凄く伸びた。それはカイラット・アクメトフに勝った試合でも明らかだ。それにテイクダウンディフェンスも、上手くなっているよ。もちろん、打撃は前からパワフルで、スピーディーだ。でも、僕が負ける要素はどこにもない」

──今回の試合、2度も延期されました。その影響はありませんか。

「問題ないよ。それにマカオはアクメトフに勝った思い出の街だ。つまり王座を取り返した街で、今度は世界フライ級王座を統一することになるんだ。マカオはポルトガル領だったこともあり、僕らの母国語が通じるし、たくさんのブラジル人サポーターがいる。ホームとまでは言わないけど、凄く戦いやすい場所だよ。人々からエネルギーも貰えるしね」

──もちろん、今は次の試合に集中しないといけないですが、このところONEチャンピオンシップでは階級を越えた対決を数多く組むようになりました。それも世界戦で。

「将来的にバンタム級のベルトを狙うつもりだ。それは以前から考えていた。そして、次の試合で勝てばONEもそういう試合を組むために動き始めるだろう。ファンの皆が、見たいと思うならなおさらだよ」

──ところでATTのチームメイトの多くは北米で試合をしていると思いますが、ミキーニョはいつも時差やロングフライトを乗り越えて試合をする必要があります。

「もう5年近くも、アジアで戦ってきた。試合の1週間前に現地入りすれば何も問題はないよ。ところで、ONEが日本で大会を開くという話を耳にするんだけど、それは確かなことなのかい?」

──確かどうか私には分からないですが、来年3月開催という流れは確実に存在していると思います。

「おぉ!! 僕の夢は日本で試合をすることなんだっ!! 日本のMMAは、ブラジルとともにこのスポーツの歴史を創ってきた。そして、互いに尊敬しあっている。そこが他の国との違いなんだ。ホント、ONEが僕に東京で試合をさせてくれることを願っているよ」

──では最後に、土曜日の試合に向けて日本のファンに一言お願いします。

「僕は日本のアート、空手が大好きなんだ。いつか日本へ行って文化、習慣に触れ、エネルギーを得たい。そして、セミナーを開くことができれば最高だね!!」

■ONE72対戦カード

<ONE世界フライ級王座統一戦 (※61.2キロ)/5分5R>
[正規王者]アドリアーノ・モライシュ(ブラジル)
[暫定王者]ジェヘ・ユースタキオ(フィリピン)

<ONE世界女子ストロー級選手権試合(※56.7キロ)/5分5R>
[王者]シィォン・ヂンナン(中国)
[挑戦者]ラウラ・バリン(アルゼンチン)

<67キロ契約ムエタイ/3分3R>
ペットモラコット・ウォー・サングラパイ(タイ)
ファブリシ・フェアテックス・デラノン(ギアナ)

<ライト級(※※77.1キロキロ)/5分5R>
エブ・ティン(ニュージーランド)
安藤晃司(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ジャダンバ・ナラントンガラグ(モンゴル)
エドゥアルド・ケリー(フィリピン)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
レジラ・プーケットトップチーム(タイ)
ソク・ティ(カンボジア)

<キックボクシング・ヘビー級/3分3R>
アラン・ンガラニ(香港)
タリック・カブアベス(オランダ)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ルイ・ボテーリョ(ポルトガル)
小笠原裕典(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
リー・カイウェン(中国)
ロディアン・メンチャベス(フィリピン)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
マ・ハオビン(中国)
ダニー・カンガド(フィリピン)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
マリオ・サティア・ウィラワン(インドネシア)
リン・サロス(カンボジア)

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