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【UFN129】デミアン・マイアの柔術、カマル・ウスマンのレスリング防御を打ち破れず完敗

<ウェルター級/5分5R>
カマル・ウスマン(米国)
Def.3-0:50-45.49-46.49-46
ダミアン・マイア(ブラジル)

右ジャブ、左ローを繰り出すウスマンに対し、マイアは頭を上下に振ってフェイントを見せ左ストレートを伸ばす。左ストレートを被弾したウスマンは、左ローにテイクダウンを合わされるが、尻餅からケージを使って立ち上がる。ケージにウスマンを詰めたマイアがボディロック。ウスマンが小手を決めてくると、マイアは左足を入れ、スタンドツイスターのような形になる。残り1分15秒でブレイクが掛かり、ウスマンが左ジャブを放っていく。マイアも左を返し、右に回りつつ左ストレートをヒットさせる。ウスマンがワンツーを放ったところで初回が終わった。

2R、初回は攻勢だったがスタミナに不安が残るマイアは、ここも左フックを振るっていく。ウスマンはスイッチしつつローや右フック、右ジャブを打ち込む。マイアのダブルレッグを切ったウスマンは、がぶってから離れ左フックを振るっていく。続いて右ストレートを当てたウスマンに対し、マイアはまたもテイクダウンを切られる。

以前のように体力のある間に引き込んでからの仕掛けを見せなくなったマイアは、打撃と組んでは切られるという展開でスタミナを消耗していきそうだ。シングル&小外掛けにも倒れないウスマンが右を当て、左アッパーに続ける。ケージを背にしたマイアは残り20秒でジャンピングガードも、下からの仕掛けはなくこの回を失った。

3R、ウスマンは自ら組んでスクランブルという得意な展開を放棄し、パンチを当ててテイクダウンを防ぐことに専念する。マイアの組みがなくなると、ウスマンが前に出る機会が増える。シングルからついにウスマンに触れていないところで引き込んでしまったマイア、これはもう黄信号が灯ってきたか。残り30秒での引き込みはウスマンが頭と左足を抱えて、そこからの仕掛けを封じ込んだ。

4R、ウスマンの右で腰から崩れ落ちたマイアは、ガードからシングルに出るがスプロールされ右を連続で被弾する。立ち上がったウスマンは、シングルに見事な反応を見せ、がぶり&パンチを打ちつける。打つ手のないマイアはウスマンにコントロールを許し、スタンドに戻った直後のダブルレッグも切られてしまう。

一方的な展開にもウスマンはタイミングはラッシュをかけることなく、決してリスクを冒さないまま試合は最終ラウンドに。左目の周りが腫れているマイアは、ジャブの差し合いからシングルを切られシッティングもワキをさせないので、反撃に転じることができない。組むための打撃を出せないマイアは、組んで引き込み、ウスマンが寝技に付き合わないという展開が続く。

残り100秒、足を深く入れてガードを取れたマイアだが、こうなるとウスマンはエスケープの一手だ。ウスマンがスタンドに戻ると、レフェリーがブレイクを命じ、マイアが立ち上がらざるを得なくなる。最後に右を被弾して引き込んだマイアは、座った状態でタイムアップを迎えた。

柔術という槍で、レスリングという盾を突き破ることができなかったマイアは判定負けを喫した。ウスマンは勝利者インタビューで「2Rに右の拳を折った。頭を何度か殴ってしまったから」と明かした。


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