この星の格闘技を追いかける

【Pancrase295】サパ戦へ、北岡悟―02―「美談でも何でもなくて、2連敗の人間が王者とやるのはおかしい」

Satoru Kitaoka【写真】北岡を創る、ロッキー川村とのミット打ちや彼のねぐらも番組内で紹介される(C)MMAPLANET

15日(日)、東京都江東区の新木場スタジオコーストで開催されるPancrase295でタラス・サパとの再起戦に挑む北岡悟インタビュー第2弾。

ameba TVが制作するドキュメンタリー番組= ONE DAY が北岡の1日を追い、そこで次戦及び格闘技に関して語られた部分を抜粋してお届けしたい。

サパ戦、そして自らの調整、トレーニング、北岡の存在証明とは――。

<北岡悟インタビューPart.01はコチラから>


――今回、最初は久米鷹介選手との試合のオファーがあったとも伝わってきました。

「あぁ、本気かどうか分からないですけど、そういう話はされました」

――その資格がないと北岡選手が断ったという話は?

「ハイ。その通りです。ただ別に美談でも何でもなくて、2連敗の人間がチャンピオンとやるのはおかしいと普通に思うんですけど……」

――別に戦っても良いという気もします。ベルトを賭けて戦うことがダメなのか、チャンピオンと戦うことがダメなのか。どちらでしょうか。

「両方ですね」

――パンクラスで戦う限り、王座を目指すという気持ちは残っていますか。

「残っているといえば残っていますが、大切なことは次の試合で勝つことです。なので、そういうことを語る気が今はしないですよね。2連敗して、この試合をするんだから……そんな状況じゃないです。一つでも星を取り戻したのであればともかく……」

――つまりアガッていない。敗北を許容していないから、北岡選手は戦い続けていると思える。

「ハイ。ありがとうございます」

――そのようななかでタラス・サパですが、最近戦っていたクンルンファイトでの動画がなかなか見当たらず、ウクライナのかなり暗いリングで戦っていた頃の試合しか、自分はチェックすることができなかったのですが、北岡選手はどのような印象を持っていますか。

「僕もクンルンの試合は見られていないです。そうですね……打撃が鋭く、下からのサブミッションも鋭い選手ですね」

――スクランブルMMAではない、MMAのように感じました。

「ハイ。混ざっている感じでなく、一つ一つが鋭い。一通りのことはできるでしょうし。スクランブルだってできると考えています」

――いつだろうが、振り回しているモノが当たるのは怖いです。

「そうですね。身体能力が高いのは間違いないです」

――当然、もらわず入ることが一番です。と同時に、相手の得意な距離で打撃に応じないと入れないことも考えられ、ストラッサー戦からどれだけ進歩しているのかが、問われる試合にもなってきます。

「さっきのミット打ちでやっていたように……色々とやっているし、色々と考えています(笑)。(ロッキー)川村は勝つために僕が巧くなるようしてくれて、それがハマることもありました。ただ今回は強くなるとか、巧くなるのではなく、試合に勝つために必要なことをやってきています」

――それは出稽古の守塾でも同じでしょうか。

「マモルさんも僕が勝つために引き出しを増やしてくれたり、そういう指導をしてくれますが、それをいかに僕が切り取るかですね。そこは上手くしないと、危険性を孕んでいます。

それと……このパンクラスイズムのケージでやるとすぐにファイトになる。やはり、この距離感だと。それを連敗の要因にするつもりはなくて、僕の考えが足らなかっただけで……」

――つまりは練習での戦い方と、実戦での戦い方を修正できなかったと?

「要はこの短い距離でスパーをやると、僕のやり方はできない。練習なので。そこでMMAスパーが多くなると、立ち方や構えが変わったりとかして、スパーリングの距離で優位になる形が、体に入ってきてしまうんですよね。

それで伸びている部分もあると思いますが、そこが少し巧くなろうが、試合で相手をなぎ倒したり、勝ち切ることができるかといえば、それはちょっと違うじゃないですか?」

――ハイ。言われていることは、分かるような気がします。

03「試合っていうのは問答無用の力、圧倒的な力が必要になってきますから」

――だからこそ、サパ戦が大切になってきますね。

「そういうことなんです」

02――別取材のときに北岡選手のプロ練習と重なることが続き、どうしても動きが疲れているように見えました。TTMでのMMAスパー、ロータス世田谷でのグラップリングにしても。対して、気持ち良く攻める練習はどれぐらい行っているのでしょうか。

01「気持ち良い練習をやっていないわけではないですけど……。比較的、ここ(パンクラスイズム)でやっているかと思います。ただ、僕もTTMやロータスでも攻めて動いていますからね。それは練習を見てもらうと、分かってもらえていると思います」

――強度の高い練習が多いからか、やはり疲労感も伝わってきます。刹那的に追い込み過ぎてしまうのではないかという点が気になった次第です。

「できる限りのケアはやっています。整体、お風呂、酸素カプセルと。整体が足らない分、ジムの近くのタイ古式マッサージに行っていますし(笑)。

こんな地下のジムにある部屋に寝て、疲れがとれるのかとか思われているかもしれないですけど、エアウィーヴの敷き布団2段重ねですからね」

――あの高反発マットレスの……。ちなみに2段重ねにはどれぐらいの投資になっているのですか。

「20万ぐらい掛かっています」

――かなりドヤ顔になっていますね(笑)。

「20万円ですッ!!」

――4月15日のパンクラスは好カードが並んでいます。そこで存在証明として、北岡悟ここにありという試合が必要になってきます。

「その通りです。僕が一番ファイトマネーも多くもらっているわけだし。それは仕事として、しっかりとやります。存在感に関しては、試合をすれば勝手についてくると思っています。それが悲劇のシナリオにならないことが大切で、そこだけです」

<この項、続く

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