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【Pancrase293】フライ級KOP仙三に挑戦、若松佑弥─02─「組んできても、殴ってKOする」

Yuya Wakamatsu【写真】ロータスのマットに背中をつかされ、立ち上がった分だけKO率が上がるのかもしれない(C)MMAPLANET

2月4日(日)、東京都江東区の新木場スタジオコーストで開催されるPancrase293で仙三の持つフライ級KOPのベルトに挑戦する若松佑弥インタビュー後編。

KO率89パーセントの男をameba TVが制作する格闘家の1日を追うドキュメンタリー番組=ONE DAYが追った。

番組内の収録で若松が語った話から、MMAに関する部分に特化したインタビューをここで伝えたい。KO至上主義ファイターが、ロータス世田谷でグラッピリング練習に取り組み、身につけた自信と技術とは。

<若松佑弥インタビューPart.01はコチラから>


──殴り合いにならないのもMMAですが、そういう展開になった場合は?

「まぁ、あれだけ『俺も倒せる』と言っているので、その言葉を信じます(笑)。それに別に組んできても、そこも今までやってきているので、どっちにしても自分は殴ってKOします。何でも来いって感じです」

──ところで、それだけ打撃戦を臨んでいるなかでロータス世田谷に来てグラップリングの練習に励んでいる。ここでの練習は何を意味しているのでしょうか。

「出稽古で同じジムの選手ではない人と肌を合わせるのは、緊張感があります。ロータスに来る選手はチャンピオンクラスで、強い選手ばかりです。そこに1人で来るというのは試合に近い緊張感があるんです。何より自分の苦手な部分を鍛えることができます。

相手がストライカーだといっても、寝技の練習をやらないというのは違います。MMAなので、何が起こるか分からないですし。万が一の時のためにもロータスでのスパーリングは必要です」

──いつ頃からロータスで出稽古を行うようになったのですか。顔と名前が一致していなかったのですが、取材でロータスにやってくると若松選手の姿を見ていたような気がします。

「一昨年3月にネオブラの試合が決まった時からなので、もう1年10カ月間ぐらい来ていますね」

──その時点で打撃が主武器でも、グラップリングの必要性を理解していた?

「ハイ。最終的な目標について、今はまだ偉そうなことは言えないですけど、後々世界で戦っていくためには絶対にグラップリングもできないとダメです。だから、ずっと前から頭に置いてきました」

──そこで、なぜロータスだったのですか。

「金曜日は元々TTMではフリースパーの日で、色々な人が出稽古に来てくれていたのですが、それがなくなってしまって。どこかで出稽古をしようと考えていたら、長南さんが『ロータスに行けよ』って言ってくれました。

自分も八隅(孝平)さんとか知っていたし、その時に長南さんに話していただいて、来るようになりました」

──ここの絶対に下にならないためのグラップリング。そういうロータスのMMAグラップリングを経験し変わったと思えますか。

「ここは下になって止まっていると、青木さんや北岡さんから激が飛んでくるので、ひたすら立つように何が何でもという感じでやってきました。そうしているうちに、立てるようになりました。まだ極めるとかは、全然できないですけど立ち上がる方は前より強くなったと思います。

最初の頃は動けなかったのが、少しずつ立ち上がることができるようになり、極められる回数も少なくなっています。それだけでも、試合で思い切り打撃を使うことができるようになりました。何があっても、極めらないという自信がついたので」

──なるほどぉ!!

「ロータスで学んだことを持ち帰って練習すると、それが分かります。ここでは本当に集中してやっているので。今もロータスに来る前は気合を入れ直しています。普通の気持ちできたらケガしますし、皆さんに失礼になるので」

──田中路教選手も来るようになったのですね。どうですか、肌を合わせてみて。

「柔らかいです。力も強いし、世界で戦うというのはああいうことなんだろうなって。でも、自分もそういう人たちと張り合っていかないといけないので焦ってしまいます(苦笑)。

それとロータスではやられていますが、他で自分が極められるように練習をしています」

──ディファ有明から新木場スタジオコーストでの初イベント、そこのメインを任されたことについてはどのような気持ちでいますか。

「俺のために準備してくれたんじゃないかというような感じです。前から仙三選手のようなストライカーとやりたいと思っていて、そういう大会で自分がチャンピオンになると凄く会場も盛り上がると思います。絶対にKOで勝つので。

もう、僕のためにある大会です。かといって仙三選手を舐めるようなことは全くないです。とにかく、時は来たって感じですね」

──試合が待ち遠しいですか。

「ハイ。早く、試合がしたいです」

──初めて会場です。控室やアップの状況なども勝手が違うかと思いますが、その辺りは気にならないですか。

「対戦相手も同じなので。僕だけじゃないですから。どんな状況でも本当に強いヤツは負けないので。試合に関しては、場所が変わっても気にならないです。自分がやるべきことは変わらないので……まぁ、ちょっと不安ですけど(笑)。そうやって改めて話を振られると、気になってきました」

──アハハハ。スイマセン、要らぬことを言ってしまって。

「ただ日々、変わったことがあるので動じないように心がけています。昨日の調印式のこともそうだし、今日もロータスに来る途中で自転車が壊れて、途中の駅において電車できました(笑)」

──本当に色々なことが起こりますね(笑)。

「そこで表情も変えずに冷静でいられるヤツが強いと思っているので。そこはメンタル的な部分でニックさんに教わってきました。試合中にも、そういうところは関係してくるからと。

調印式の遅刻にしても、やってしまったものはしょうがない。そこで焦ると余計、変なことが起こるかもしれないですから」

──素晴らしく冷静かつ太々しい、それが試合に生きるのですね。

「前は結構、焦っていたんです。でも、ニックさんのお陰で気持ちが変わりました。以前は調子の良し悪しが激しかったのが、今はそんなことないよう練習できています。それも日々の生活のなかで冷静にいる、焦らないということを心掛けてきたからだと思います」

──まさに常在戦場といったところですね。では、改めて今回のタイトル戦に向けて、意気込みをお願いします。

「新しい会場で初メイン、チャンピオンになる記念すべき日なのでそれまでの試合でどんなKOとかあっても、全部自分が持っていくような……自分の試合が一番良かったと思われる劇的なKOをして会場を盛り上げたいです」

──KOという言葉が出て来るたびに笑顔を浮かべていること、気付いていましたか。

「そうなんですか? 口にするだけで、相手が担架で運ばれていくのが目に浮かびます。それで最近、興奮して眠れないぐらいです(笑)」

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