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【ACB77】ACBライト級王者アブドゥルバクヘヴァ×挑戦者ヴァルタニャン=掘ってはいけない鉱脈??

Abdul-Aziz Abdulvakhabov【写真】またも掘ってはいけない鉱脈なのか――アブドゥルアジス・アブドゥルバクヘヴァ (C)ACB

23日(土・現地時間)、ロシアはモスクワのルズニキ・デバレツ・スポルタでMMA界要注目のACB77 「Vaslesky vs Duraev」が開催される。メインはACBライト級王者アブドゥルアジス・アブドゥルバクヘヴァが、エドゥアルド・ヴァルタニャンを相手に防衛戦を行う。


チャンピオンは当然として、トップコンテンダーはUFCランカー級といわれるACBファイター達のなかでもアブドゥルバクヘヴァは特に気になる選手だ。キャリアは14勝1敗、チャレンジャーのヴァルタニャンは昨年3月に初防衛戦で戦った相手だ。

この時は僅か2分53秒でアブドゥルバクヘヴァがTKO勝ちしている。現代MMAの攻めの部分でもっとも効果的で、最も有効な部分が強い、それがアブドゥルバクヘヴの特徴だ。オーソドックスの構えから、繰り出される強烈なローキックと、KOパワーを有している左リードフック。もちろん、ジャブに続く右ストレートや右オーバーハンドも相手を倒す力を秘めている。

加えてアブドゥルバクヘヴァは圧力のある打撃の距離ではダブルレッグ、差し上げ、ボディロックで次々とテイクダウンを奪うこともできる。胸を合わせた四つ組みの状態で、小外掛けの仕掛けを豪快に内股で投げてしまう腰の強さ、例えるならUFCライト級トップコンテンダーのカビブ・ヌルマゴメドフを思わせるファイトスタイルといえば分かりやすいか。

とにかく圧力を掛け続け、自分の距離と位置で試合を試合できる。その結果は14勝のうち7試合がTKO勝ちという数字にも表れている。

一方、このアブドゥルバクヘヴァに一度は敗れているヴァルタニャンも、紛れものない本物だ。今年の4月にかつてBellatorを席巻していたタイガー・サルナフスキーにしっかりと差を見せて勝利していることでも、その力は実証されているといってよいだろう。

前回の対戦ではアブドゥルバクヘヴァの圧力に晒され、最初の悪い流れを一気にフィニッシュまで持ち込まれた形だ。西側MMAと比較対象となる対戦相手が決して多くないとはいえ、ACBで2度目もタイトル挑戦の機会を与えられるヴァルタニャンが工夫もなく同じような局面に持ち込まれるとは思えない。最初のプレッシャーを乗り越え、スクランブル系の一進一退の凌ぎ合いに持ち込むことができれば、王座奪取も見えている。

もちろん、そうさせないことがチャンピオンの強さなのだが、自らの2度の負傷欠場もあり3度の試合機会を逸しているチャンピオンにとって、2年2カ月振りの実戦という不安要素もある。スタンド&組みで圧倒し強烈なパウンドや鉄槌を打ち込むアブドゥルバクヘヴァが、この局面を凌がれ競い合いになった時に、どのような一面を見せるのか。そんな展開も楽しみだ。

今大会ではライト級選手権試合以外にもミドル級王座決定戦=ビチュシラス・ヴァシレフスキー×アルベルト・デュラエフ、暫定フェザー級王座決定戦=ユーサップ・ラソフ×アレクサンドル・ペドゥソンと、計3階級の選手権試合が組まれている。

世界を震撼させるACB=ロシアの脅威が、また見られるのか。冷や汗をかきながら、その様子を伺う必要がある。

■ ACB77対戦カード

<ACBライト級選手権試合/5分5R>
[王者]アブドゥルアジス・アブドゥルバクヘヴァ(ロシア)
[挑戦者]エドゥアルド・ヴァルタニャン(ロシア)

■ ACB77対戦カード

<ACBライト級選手権試合/5分5R>
[王者]アブドゥルアジス・アブドゥルバクヘヴァ(ロシア)
[挑戦者]エドゥアルド・ヴァルタニャン(ロシア)

<ACBミドル級王座決定戦/5分5R>
ビチュシラス・ヴァシレフスキー(ロシア)
アルベルト・デュラエフ(ロシア)

<ACB暫定フェザー級王座決定戦/5分3R>
ユーサップ・ラソフ(ロシア)
アレクサンドル・ペドゥソン(ロシア)

<ヘビー級/5分3R>
ジニス・ゴルツォフ(ロシア)
チェイス・ゴムレー(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ベスラン・イサエフ(ロシア)
ナフション・バレル(米国)

<フェザー級/5分3R>
アルマン・オスパノフ(カザフスタン)
アレクセイ・パルプニコフ(ロシア)

<ライト級/5分3R>
アミルカン・アダエフ(ロシア)
ダレン・スミスJr(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
ムスリム・マクムドフ(ロシア)
アシルザン・バジジャウリ(カザフスタン)

<ミドル級/5分3R>
アレクセイ・ブトリン(ロシア)
ガムザット・キラメゴメドフ(ロシア)

<ヘビー級/5分3R>
コンスタンチン・エローヒン(ロシア)
コーリー・ヘンドリックス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
アリ・アスキエフ(ロシア)
ルスタン・ガジエフ(ロシア)

<ヘビー級/5分3R>
セルゲイ・ベロステニー(ロシア)
アミルカン・ガジヒエフ(ロシア)

<フライ級/5分3R>
マンスール・ハトエフ(ロシア)
マイコン・シルヴァン(ブラジル)

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