【GRANDSLAM06】22カ月振りの勝利、田中路教─02─「厳しいところに行かないとダメです」
【写真】ただの強気でなく、謙虚さを兼ね備えた強気が戻ってきたノリ(C)MMAPLANET
29日(日)、東京都新宿区のGENスポーツパレスで開催されるGRANDSLAM06のメインで、ホジェリオ・ボントリンから一本勝ちを収めた田中路教インタビュー後編。
UFCリリース後初の──そして約1年11カ月振りに勝利に関して、周囲の人々への感謝の気持ちでいっぱいの田中は、この勝利と感謝の想いを胸に次の舞台へ進むことを誓った。
そして、そんな彼が口にしたネクストステージは田中らしくもあるものの、そこを目指すかという意外なプロモーション名だった。
<田中路教インタビューPart.01はコチラから>
──高橋選手の明確な指示もあって、結果的には危なげない勝利になりました。
「僕はずっと必死でした。優作が2Rで負けて、試合後に話した時に『1Rが終わって、ちょっと油断してもうた』と言っていたので、2R以降ももっと集中力を増すことができました。3Rは絶対に一本で勝ちたいと思っていたので、極めるつもりで戦っていました」──勝利後に改めて、UFCに戻る決意を口にしていました。
「高い壁です。本当に。だから、これだけしかできないようじゃダメです。もっと強くならないと。自分で言うのも何ですが、これだけ良いモノをもって生れて来ることができた。僕は自分が特別だと思っています(笑)」
──おお、強きも復活ですね(笑)。
「アハハハ。でも、それをもっと生かさないと。もっと生かしたいです。まだまだ強くなれるはずなので。今日は12勝0敗の選手に勝てた。これからもUFCのアンテナにも引っ掛かるような選手を倒していって、またUFCに戻りたいです」
──そのためにどのような道筋を考えていますか。
「まだ、ハッキリとどうなるのかは分からないですが、海外の強い選手が集まる大会で戦っていきたいです。そこで結果を残し、目立って実力で戻れるようにならないといけないです。今の状態でUFCに戻っても……ダメです。次に戻る時はランカーを普通に倒せるぐらい強くなっていないと」
──今回のグランドスラムは田中選手のためのイベントだったとも言えます。なかなかある環境ではないです。
「ハイ。本当に勝村さんと相原さんには感謝しています。次は……そうですね、僕が考えているのはACBです」
──エッ、本当ですか? なぜ、また……。
「強いヤツがたくさんいるからです」
──確かにUFCレベルにあるロシアの猛者がいくらでもいる印象です。ファイターは皆が皆、バキバキですし薬物検査はあるのでしょうか?
「いや、それでも良いんです。ステロイドを使っていようが。使っていたとしても、本当に強さでいえばUFCのランカーとどっこいぐらい強いと思います。だから、あそこの連中を倒せるぐらいにならないと。
今回は対戦相手も強かったですし、試合は厳しかったけど環境は優しかった。なので、また厳しいところに行かないとダメです。厳しい道を進む、そうやって強くなっていきます」
──改めて田中選手を見捨てなかったファンの人々に一言お願いします。
「今日は両親も会場に来てくれていました。3年前にはUFC JAPANで2人の前で負けてしまったので……というか、皆の前でやられてしまいましたからね。今回はこうやって、やっと勝つ姿を見せることができました。本当に良かったです。
見ている人がどう思ってくれたのかは分からないですが、自分としてはかなりヒリヒリする戦いだったと思います。相手も強かった。そういう試合で、引かずに勝てたことで何か見てくれた人達に伝えられたモノがあったのではないかと。
『田中が頑張っていたし、俺も明日から頑張ろう』と感じてくれた人がいたら、本当に嬉しいですし戦った甲斐があります。今日、応援してくれた人への感謝の気持ちを胸に、また茨の道を往こうと思います。皆の想いを肩に乗せて、僕は進みます」