【UFN117】泣いた夜叉坊――「全部見せて、皆も伸びているとこ見たいし。最後は倒す」
【写真】話題が中村優作になると突然、涙声になった夜叉坊は笑いで誤魔化しながら、感情を押し殺して言葉を続けた(C)MMAPLANET
20日(木)、東京都新宿区のパークハイアット東京で23日(土)にさいたま市中央区のさいたまスーパーアリーナで開催されるUFN117「Saint Preux vs Okami」のメディアデーが開かれ、メインカードの上位3マッチ出場選手と全日本人選手が共同取材を受けた。
ここでは2年前のUFC JAPANでオクタゴン・デビューを果たした石原夜叉坊の会見の模様をお伝えしたい(※要約)。
2連勝後の2連敗、このタイミングで凱旋試合を行う夜叉坊。この試合のために日本からチーム・アルファメール・ジャパンの盟友・中村優作がサクラメントに駆け付け、指導をしてくれたことに涙をこぼした。
そして、夜叉坊はロランド・ディ戦に向けて必勝、必倒を誓った。
(英語の質問に対し、通訳の入る前に)「Very good. I am ready.この1年ちょっと、米国でやっていて結果も出せなくてめっちゃ歯がゆい思いなので、ちょっと日本で見せたいと思います。
やってきたことは同じですが、今回の試合は日本から中村優作という選手に来てもらって、向こうで彼に打撃の指導を受けました。なので本当に自信に満ち溢れているというか。ワクワクしている」
――(※フィリピンの記者から)ストライカー同士、ディはフィリピンで有名なファイターでずっとイシハラと戦いたいと言っていた相手です。
「ナイス!! ディも結構陽気な奴でインスタグラムでもコメントしてきて、お互いに殴り合って5万ドル取ろうぜって言って来たりするような奴やから、ホンマに殴り合いするんやろうな。絶対に面白い試合になると思うので」
――一人だけパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを獲得するという気持ちは?
「そういうことになると思います」
――ディもチーム・アルファメールで練習してきたことがあるので、ある意味同門対決になります。
「そこは全く関係ない。皆が見たい試合ができると思う」
――逆輸入のような形での試合となります。
「恰好エェでしょ。外から内に、日本に攻めていこうかと」
――米国と日本の違いをどのように思いますか。
「一番は環境の差、サクラメントにいるとMMAにフォーカスできます。ジムに行って、家に帰るだけで。僕は心が弱いから、日本だと友達もおるし……。格闘技だけができるのが大きな違い。そういう環境におるから充実している。ただ、打撃に関しては、日本はめっちゃレベル高いと思います。
打撃だけやったら、日本人はホンマに強い。それがMMAに生かせていない。なんでか、それは分からんけど――俺らの打撃の距離で戦える選手は向こうにおらんし。俺らはそれを生かしていけば、絶対に勝っていけると信じているから……やっていける」
――コディ・ガーブラントなどハイレベルな練習仲間から何を吸収できていますか。
「着実に強くなっているけど、俺が発表会で発表できていないだけやから、フラストレーションがめっちゃ溜まっている。連敗が日本でなくて良かった。この連敗してから、後がない状況で日本で試合ができるのはラッキー。UFCにも感謝しているし、これは流れが来ている」
――前回のグレイ・メイナード戦、最後はサバイバルだけを考えていたという意見と、勝つことを諦めないでいたという意見と2つ出ていました。
「いや、あれが現実というか。発表できなかった自分が悪いし、何を言われようが僕は構わないです。そのあとでやってきたことが、今回の試合で絶対に出せるから。ソレを見て、なんて言われるのか。大丈夫やと思います」
――粘っていたと思うのですが。
「何もできなくて正直、終わった後は『俺ってこのレベルなんや。ここから上はチョット無理なんかな』って思ったんです。ただ、やってきたことが何もできなかったし……チャンスを作りたくて動いたけど、強すぎて何もできなかった。
立ち上がることができなかった……。こんなこと言っている時分もアレなんですけど。でも、高い授業になりました。ロボフ戦で足りなかったのはフィジカルとスタミナ。そこをやって、次はレスリングやとメイナードと戦ったけど、ケージファイトでやられて……。
俺が負けるなら、この展開しかないと思っていた形でやられて。そこを補ってきたので、日本大会はサクラメントで1年間やってきたことを見せることができる。そういうタイミングです」
――打ち勝つ、MMAで勝つ、どちらを考えていますか。
「全部出し切ります。全部出し切って、最後は相手が伸びているところを皆も見たいと思うので。全部を見せて、倒します」
――中村優作選手がサクラメントを訪れ、打撃の指導を行った。中村選手が指導してくれた利点は? またジャスティン・ブッコルズに教わったこととどう融合させていくのでしょうか。
「向こうでレスリングと柔術をずっとやっていて、知らない間に距離が近くなっていたんです。足の方向もレスリング的に内側に向いていたり。全く、それに気づいていなかった。ブッコルズも凄く良いコーチです。ただミットは全てパワーで打つような感じなんです。
で、気持ち良い打ち方ができるので、それも距離が近づく要因になっていました。そうしたら優作さんが『距離、終わってんな。助けに行くわ』って言ってくれて。良いキャンプができました」
――中村選手も10月16日の修斗でライリー・ドゥトロ戦というと大切な試合を控えている状態で。
「ホンマに……いや、泣きそうになるじゃないですか(笑)。うん……、ホンマに勝ちたいです。良い仲間に(※声を詰まらせて)……囲まれています」
――絆ですね。
「ホント……試合が待てないです。勝って恩返しがしたいです(※涙声で)」
――田中路教選手も10月29日にGRANDSLAMでハファエル・シウバ戦が決まりました。
「あんまり話せていないですけど、そうっスね……お互いが意識はしていると思います。ここで踏ん張らなアカンって。まず俺が勝って繋げたいです」
――2年振りの日本での試合。日本のファンにどこを見てほしいですか。
「躍動感のある試合をしたいです。それが自分の良さだし、見てくれる人に良いエナジーを与えたいです」
■UFN117対戦カード
<ライトヘビー級/5分5R>
オヴァンス・サンプレー(米国)
岡見勇信(日本)
<女子ストロー級/5分3R>
クラウジア・ガデーニャ(ブラジル)
ジェシカ・アンドレジ(ブラジル)
<ライト級/5分3R>
キム・ドンヒョン(韓国)
五味隆典(日本)
<ライトヘビー級/5分3R>
グーカン・サキ(オランダ)
エンヒッキ・フランケンシュタイン(ブラジル)
<フェザー級/5分3R>
石原夜叉坊(日本)
ロランド・ディ(フィリピン)
<フェザー級/5分3R>
廣田瑞人(日本)
チャールズ・ロサ(米国)
<ウェルター級/5分3R>
中村K太郎(日本)
アレックス・モロノ(米国)
<フライ級/5分3R>
ジョズエ・フォルミーガ(ブラジル)
佐々木憂流迦(日本)
<女子ストロー級/5分3R>
近藤朱里(日本)
ジョン・チャンミ(韓国)
<ウェルター級/5分3R>
安西信昌(日本)
ルーク・ジュモー(ニュージーランド)
<ウェルター級/5分3R>
阿部大治(日本)
イム・ヒョンギュ(韓国)