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【Shooto】新環太平洋ライト級チャンピオン川名雄生─01─「仕事を言い訳にしたくなかった」

Yuki Kawana【写真】川名は控え室では学生時代から家族のように過ごしてきた仲間達と喜びを分かち合っていた(C)KAORI SUGAWARA

23日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されたプロフェッショナル修斗公式戦¥のメインイベントで環太平洋ライト級王座決定戦が行われ、ABをKOした川名雄生がそのベルトを腰に巻いた。

松本光史と環太平洋、そして世界王座とベルトを賭けて戦い前者はドロー、後者は一本負けで涙の飲んできた川名がパンクラス、DEEPと国内の主要プロモーションで32戦のキャリアを重ねてきたABに勝利した。

3度目の正直が成った川名に勝利の喜びと、ついに実現する小谷直之戦への想いを試合直後の控え室で訊いた。


──3度目の挑戦でついに悲願のベルトを獲得しました。レフェリーストップの瞬間、どのような気持ちでしたか。

「一瞬、思考が停止して『あれ? 勝ったのかな?! 俺、勝ちで良いんだよね?!』という感じでした。セコンドがベルト獲ったぞと飛び込んで来たので、そこで初めて『俺、勝ったんだ!!』と思いました」

山城(裕之Y&K MMA ACADEMY代表) 自分が興奮しすぎて飛び込んで行ったら肩が彼に当たっちゃって、腰から崩れて行きましたね(笑)

「物凄い勢いで飛び込んで来ましたよね。それに『俺、勝ったんだ!!』と思ったら足の力が抜けてしまって……(笑)」

山城 いやあ、嬉しいですね。彼は練習ももちろんそうなんですけど、仕事も凄く大変な時期だったんですよ。プロ選手として練習環境を整えるために、良かれと思って店舗管理責任者にしたんですけど、真面目なんで夜に終電がなくなるまで仕事をしていて。

結果、練習時間が取れくなってしまった時期があったんです。それでは本末転倒なので選択を間違えたかなと思うこともありました。それでも彼はセカンドキャリアのための経験を重ねつつ、ちゃんとこうやってチャンピオンになった。周りの格闘技の選手達にとっても大きな一歩です。凄く安心しました。

「自分が働いているのは北海しゃぶしゃぶという飲食店の湘南藤沢の店舗で、人の行き来のある場所です。お店に出ることによって、格闘技をやっているという話から『凄い人なんだね』とか『頑張ってね』と直接と言ってもらえることもありますし、『今度試合を見に行くよ』とか、『ストリーミングを見るね』と声を掛けてくれる人もいたので嬉しかったです。

それに店舗管理責任者になったことによって試合に負けましたというのは、物凄く格好悪いですし、仕事を言い訳にしたくなかった。店舗管理責任者やりつつチャンピオンになったら格好良いなと思い、モチベーションが上がりました。

ひとまずやっと3度目の正直で形になるものを獲れてホッとしました。正念場になると負ける選手っているじゃないですか。何でもないワンマッチでは強さを見せて勝っているのに、大一番で負ける選手が。もしかしたら自分もそういう星の下に生まれてるんじゃないかという心配がありました。

試合直前、名前を呼ばれるまで頭の中で自問自答をしながら自分に『いや、そんなことはない。自分を信じて行こう!!』と言い聞かせていました。どうやらそういう星の下に生まれていた訳ではなく、大一番でも勝てたので良かったです(笑)」

──チャンピオンシップが発表されてから、自問自答をし続けていたのですか。

「『試合が決まったぞ! よしっ!!!』みたいな感じではなかったです。3度目ともなるとタイトルマッチという意識も特になくて、結構冷静だったと思います。直前になって、一気に色んな感情がパーンと出てきて『あれ?! もう次、試合じゃん!!』みたいな(笑)。

それももう入場でお客さんの前に出た時には全部吹っ切れているんで、入場の時は気合いと殺気の塊です」

<この項、続く>

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