【UFN117】6戦目のUFCデビュー決定──不死鳥=阿部大治 「誰に対してもスタイルは変えません!!」
【写真】このマイクから3週間後、UFCデビューが正式発表された阿部(C)KAORI SUGAWARA
25日(火)、UFC JAPANより9月23日(土)にさいたま市中央区のさいたまスーパーアリーナで開催されるUFC Fight Night117「Shogun vs St.Preux 2」に阿部大治が出場することが発表された。
今月2日にウェルター級キング・オブ・パンクラシストになった際にUFC出場を声高にアピールしていた阿部が、キャリア6戦目で世界最高峰の舞台に到達した。デビューから1年半でのオクタゴン入りは、同じくクィーン・オブ・パンクラシストとして、同大会でUFC初陣を迎える朱里と並んで、J-MMA史上最速だ。
阿部は新潟県の豊栄高校柔道部時代にインターハイで優勝、一度は東海大学に全額免除(※特待生のなかでも年に2人だけ。この時のもう1人の全免は後のリオ五輪銅メダリストの羽賀龍之介だった)で進学することが内定していたが、『柔道だけの人生ってどうなんだろう?』と取りやめる。
その後、地元・柏崎のチーム・ゼロでキックボクシングを始め、J-NETライトヘビー級チャンピオンになるも『キックはK-1がなくなり、GLORYはあったのですが世界として目指すモノがなかった。ならMMAでUFCを目指そう』とMMAへ転向。ハワイのHMCでかつて名門AMCでマット・ヒュームやモーリス・スミス、ジョシュ・バーネットらを指導していたハル・シマニシ氏の下でトレーニングを開始した。
一昨年4月にMMAデビューが決まっていたが……阿部は右足の骨折を原因に菌が肺まで回り肺血種に。死亡率3割強、一度は死を覚悟した。生還後も右足はヒザから下を切断するかもしれないという状況だったが、5度、うち3度は8時間以上という大手術を繰り返し、格闘家としての死の淵からもカムバックを果たした。
その結果1年遅れのMMAデビューより、彼だからこそできる怖いモノ知らずのファイトで、僅か6戦目でUFCに辿り着いた。そんな阿部の対戦相手イム・ヒョンギュはPXCウェルター級王者からUFC入りし、これまでオクタゴンでは3勝3敗のイーブンの戦績を残している。日本では2014年大会で佐藤豪則のテイクダウンを切ってエルボーでTKO勝ちした試合が印象深い。
■『勝った方が強いんです!!』
188センチの長身イム・ヒョンギュ、身体能力の強さに加え打撃戦では──2014年1月のタレック・サフィジーヌ戦で見せたように類まれな気持ちの強さを誇る。イム・ヒョンギュとUFC初陣を戦う阿部、その意気込みは以下の通りだ。
阿部大治
「いつ、どこのタイミングでチャンスが巡って来るのか分からなかったので、いつでも戦えるようパンクラスでのタイトルマッチが終わって3日後から練習は再開していました。チャンスがあるタイミングで最高のパフォーマンスができるように。
イム・ヒョンギュは身長も高くリーチも長い、打撃で来るタイプだと思います。強いと言われていますが、前評判は関係なく勝った方が強いんです!! それを9月23日にはUFCという舞台で魅せます。
僕は誰に対してもスタイルは変えません!! KOデビューをしたいと思っています」
UFN117=UFC JAPAN 2017はマウリシオ・ショーグン×オヴァンス・サンプレーをメインに井上直樹×ジネル・ラウサ、佐々木憂流迦×ジュズエ・フォルミーガ、朱里×ジョン・チャンミ、そしてグーカン・サキ×エンヒッキ・ダ・シウバ戦が決まっている。