【RFC40】減量24キロ!? 3日間、水分摂らず?? ホニ・トーレス「計量が終われば、半分勝っている」
【写真】インディオの血が流れ、以前は民族衣装を着用して計量などに挑んでいたこともあるホニ・トーレス (C)KAORI SUGAWARA
15日(土・現地時間)、韓国ソウルのチャンチュン体育館で開催されたROAD FC40。同大会でライト級100万ドルトーナメント本戦初戦を迎え、エルヌール・アガエフをキムラで破り、完勝したホニ・トーレスに話を訊いた。
アマゾンの奥地から、100万ドルを目指して戦うトーレスの想いとは。
──一本勝ち、おめでとうございます。
「今回の試合のために24キロ減量をしたんだ。そして、家族と3、4ヶ月の間も離れて生活をし、試合の準備をしてきた。本当に厳しかったけど、今日の試合に勝てて本当に嬉しい」
──24キロも体重を落としているのですね。
「地元のマナカプル(※アマゾナス州マナウスでネグロ川と合流し、大河アマゾンを成すソリモエンス河岸の街)で家族と一緒に生活している時は練習をする時間が少なくなって、体重がどうしても増えてしまうんだ。
そして、試合が決まるとリオデジャネイロのノヴァウニオン本部へ行くので、家族と離れ離れになる。リオまでは4000キロ以上も離れているからね(※車での移動の場合。空港のあるマナウスまでは100キロほど)。
マナカプルでは十分な練習ができる場所はなくて、16歳の時からリオで練習しながら生活してきた。30歳になった今でも、アマゾンとリオを行き来しながら選手生活を続けていて。試合の度に家族と離れて暮らしている。だから、ブラジルに戻ったら、真っ先に家族に会いに行くよ。1週間ぐらい家族と過ごしたらリオに戻って、次の試合のために練習を再開しようと思っている」
──ご家族に勝利の報告は?
「韓国とブラジルの時差は12時間あって、僕は勝った時間は向こうは早朝の5時なんだ。それでも連絡したよ。母は怖くて試合を見ることができなかったみたいだけど、父が試合の映像を見て母に勝ったことと伝えてくれていたよ。母は『神様の恩返しだ……!!』と、神様の恩があったからこそ勝てたと、とても喜んでくれたよ」
──ホニもケージの中で祈りを捧げていましたね。
「神様へ感謝の気持ちを示した。この試合のために減量、練習と辛かった。そこを耐えて良い結果で終われたので、天と神へ心からの『ありがとう』という感謝の気落ちと、涙が込み上げてきたんだよ」
──一本勝ちという結果には?
「本当に嬉しいよ。達成感も強い。もう12、13回ほどキムラで勝っているので、寝技になった時に『いける』と思いしけたんだ。まぁ、僕にとって一番辛いものは、試合ではなくて減量だよ。無事、計量を終えることができた時、もう半分以上は勝利を手に出来ている。計量が終わったら、必ず勝てるという気持ちになれるんだ」
──それだけ減量が大変だということですね。
「今回は試合の3日前に韓国入りして、水を飲まずに過ごしたよ」
──……。これで100万ドルに一歩近づきました。
「優勝して、家族の生活を豊かにする。それが僕の夢であり、それを実現することが僕の目標だ。100万ドルを手にして。家族と一緒に生活したいです。できるだけ、一緒に暮らせる時間を増やしたい。だから、このトーナメントへの出場を決めたんだよ」
──ご両親と一緒に暮らしているのですか。
「父、母、妻と13歳の娘がいて、家内は今、妊娠6カ月なんだ。でも彼女とは正式に結婚していなくて、正確には婚約者だね(笑)」
──2回戦の相手は、同朋のトム・サントスに決まりました。
「トム・サントスは打撃が強いね。ただ、僕は今まで色んな選手と戦ってきたし、ノヴァウニオンは世界で最高の練習環境にあるから、ブラジル人もロシア人も中国人も関係ない。夢を叶えるためなら、誰も怖くない。トム・サントスと戦っても、これまで通りサッと試合を終わらせたいと思っている」