【Pancrase288】杉山和史に逆転勝利の鈴木琢仁「オリジナリティのある選手に」
【写真】ボンサイのチームメイトと。ムンジアルで負傷し、現在リハビリ中の関根秀樹も会場に駆けつけていた(C)KAORI SUGAWARA
2日(日)、Pancrase288が東京都江東区のディファ有明で開催され、鈴木琢仁は杉山和史に逆転の判定勝利を収めた。
初回、ダウンを奪われるも、柔術を駆使してバックを制することに成功した。その結果、40歳のベテランファイターの杉山から勝利を勝ち取った鈴木に、計量時に宣言していた「ビックリするような技」の真意と、ファイターとしてのこれからについて訊いた。
──勝利おめでとうございます。用意していた技というのは、最初に見せたカポエイラの蹴りだったのですか。
「とりあえずは勝ててホッとしています。どちらかというと、空手の胴回し回転蹴りですね。ただ、僕はどれがカポエイラの蹴りだとか、空手の蹴りなのかということはあまり認識していません。
言われたようにカポエイラも取り入れようかという気持ちはあります。とはいっても、僕は純粋なカポエイラは全く未経験で。また独学でカポエイラを練習する時間を設けている事でもなく、あくまでMMAやキックボクシングの練習の中で少し取り入れるために、多少の映像を見て研究している程度です。それは空手に関しても同じで、これから本格的に研究するかもしれないですが、それはまだ秘密です(笑)。
ですから現段階では自分がカポエイラ使いのように言われるのだとしたら、それはまだ違います。ただし自分には寝ても柔術があるので、そういったトリッキーな打撃が出せるという意味合いでは語弊はあるかもしれないですが、カポエイラも空手も同じで。
戦略的なところはあんまり言いたくないところもあるんですけど、カポエイラを柔術とミックスさせたら面白いかなと思っています」
──柔術、カポエイラ、そして空手。ブラジル色の強く、かつ日本の古流のようなMMAを展開していくのが鈴木選手のスタイルだと。
「一番初めに自分はMMAがやりたくてジムを探していて、近くにあったのがボンサイ柔術だったんです。一番練習しているのが柔術で普段からやっているから、それを試合で使うまでという感じですね。基本的には先生たちから教わった純粋な柔術を練習しているんですけど、自分の中でそれをMMAにうまく使えるよう、工夫はしています」
──今日の勝ち方はどのように感じていますか。
「うーん……。やっぱり極めがまだまだ弱いので、ボンサイに戻ったら極めを強化して、試合を終わらせられるような選手になりたいです。1Rやられても気持ちが折れなかったところは良かったですかね。2、3Rで盛り返せたと思います。
自分は浜松のボンサイなんですけど、クレベルに打撃を教わって、柔術はサトシ先生、もちろんマルキーニョス先生もそうですけど、支部が色々あったりして、付きっ切りということはないです。ボンサイの柔術で学ぶところはもっともっといっぱいあるし、打撃もいろんな面で強化したいです。
ボンサイに柔術で黒帯の人は沢山いるんで、誰にでも教われるところもあるんですけど、比べて打撃は教われる人がクレベル1人だけなので、基本的にはクラスで練習しています。だから自分で工夫している部分もあります」
──MMAと並行して柔術の大会に出ることも?
「高校の時に数回出たくらいで今まであまり出たことがなかったんですけど、柔術を普段から練習しているのでタイミングが合えば、もちろん出たいですね」
──柔術での得意な技はありますか。
「それもシークレットで(笑)」
──では、これからの目標を教えてください。
「なるべく大きい会場でやれるような選手になりたいです。もちろんチャンピオンにも。あともう一個は、やっぱ格闘技が好きなんで長く現役を続けたい。目標はパンクラスで勝って注目してもらえるように、他の選手にない部分、柔術であったり、トリッキーな打撃もそうですけど、オリジナリティのある選手になりと思っています」