【RIZIN TRIGGER02】アキラと対戦、鈴木琢仁─02─「どこで戦っても自分のスタイルを貫くだけ」
【写真】Guerreiro verde。この緑はブラジルではなく、故三沢光晴さんから来ているそうだ (C)MMAPLANET
23日(水・祝)、静岡県袋井市のエコパアリーナで開催されるRIZIN TRIGGER02で、アキラと対戦する鈴木琢仁のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike
地元・静岡で行われる大会に、チームメイトであるクレベル・コイケや内山拓真とともに出場する鈴木。DEEPで連勝中の鈴木と、パンクラスで連勝中のアキラが激突する一戦は、今回のTRIGGERの中でも注目のカードとなった。そんな鈴木に訊いた、記者会見のバナナの真実――ではなく、本当の鈴木スタイルとは。
<鈴木琢仁インタビューPart.01はコチラから>
――鈴木選手のエピソードから、ボンサイ柔術の和気あいあいとした雰囲気が伝わります。先日の記者会見でも、サトシ選手から「チャンピオン(サトシのこと)とやりたいと言え」と指示されたことを明かしていました。ボンサイ柔術の中で、鈴木選手はイジられキャラなのでしょうか。
「いえ、僕はリアクションが薄いので、チョッカイ出されるのは少ないほうですね」
――そうなのですか。今のお話を聞くと、ジムで他の選手とワイワイやっているのかなと……。
「ジムでも普段から口数は少ないと思いますよ。記者会見でも、あまり喋れなくて」
――その記者会見では、写真撮影の際にバナナを持っていました。YouTubeチャンネルでバナナをよく食べているアキラ選手に対するパフォーマンスかと思うのですが、鈴木選手にはそのようなパフォーマンスをするイメージがなかったので、意外でした。
「あぁ、あれですね……。周りの人から『記者会見を盛り上げるために何か用意している?』と聞かれたんです。そう言われるまで僕は何も考えていなくて。記者会見というものが今回初めてでしたから」
――口数が少ないというか無言でバナナを持っていたので、誰もよく分からなかったと思います(笑)。
「アハハハ、そうですよね」
――大きな舞台となると、会見で普段とは違うパフォーマンスを行う選手もいます。鈴木選手の中では、これまでの試合とRIZIN系の大会では、何か違いを感じますか。
「いえ、それはないですね。そこまで深く考えていないというか、どこで戦っても自分のスタイルを貫くだけです」
――では、鈴木選手にとってRIZIN TRIGGERに出る意味とは何でしょうか。
「何ですかね……うーん、どうなんでしょうか。それも特に何もないです。いつもよりは多少テンションが上がっているかもしれないけど、どこで誰とやろうと同じMMAなので。たとえば、昔のほうが対策とか試合前のケージチェックをやっていたんですけど、最近はチェックもほとんどしていません。何をやっても、結局は普段から練習していることしか出ないですし」
――今回はRIZIN系大会でも、ケージで行われます。これまでも鈴木選手はパンクラスやDEEPにおいて、ケージで戦ってきましたが、リングとケージの違いは大きいでしょうか。
「ケージのほうが良いですね。ロープには慣れていないので。普段の試合もケージですし、練習環境もリングはないので」
――なるほど。鈴木選手がプロデビューした時代は、もうケージが中心になり、練習もジムの壁を利用したものになっていましたか。
「そうなんです。リングで試合をしたことはあります。DEEP浜松大会はリングを使っていました。でもリングを使う経験は、その時ぐらいでしたね」
――鈴木選手がケージの中で貫く自分のスタイルというのは、どのようなものなのでしょうか。
「柔術と、試行錯誤してきた打撃や、諸々ですね。今までずっと手あたり次第、いろんなものを試してきましたけど、ようやくミックスして固まってきました。先ほど言ったとおり、それが練習の中で通用するようになってきたものなんです」
――今回の試合は、鈴木選手の地元である静岡で行われます。
「地元だから有利とか、そういうことはないです。でもボンサイ柔術の会員さんもチケットを買ってくれていますし、それと去年、ボンサイの静岡支部が出来たんですよ。その静岡支部の会員さんたちも会場へ来てくれるので、嬉しいですね」
――また、当日はメインでクレベル選手が佐々木憂流迦と対戦します。
「もう練習の時の目が違いますね。気合いが入りまくっていますよ」
――そして、鈴木選手がボコボコにされると。
「いやぁ……僕だけじゃなく、ボンサイ柔術の若手はみんな、同じことを思っているはずですよ(笑)」
――アハハハ、そういうことにしておきます。次のアキラ戦は、どのような試合になると思いますか。
「どちらのペースになるか、ですね。アキラ選手は身長が低めで、筋肉があってガンガン前に出てくる。左右のパンチが強いのは、大きなポイントですよね。でも、スタイルがハマれば自分のペースで戦うことができます」
――タイプは違うかもしれませんが、イメージとしては北岡悟戦に近いかもしれません。
「そうですね。2人が似ていると言ったら、どちらにも失礼になると思うんですけど、試合のイメージは同じかもしれないです。その意味では、やっぱり北岡選手との試合を経験して良かったし、とても大きな試合だったと思います。その経験を生かして、次の試合は自分の全てを出していきたいです」