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【Pancrase286】内村洋次郎に判定勝ち、再起戦で勝利の松嶋こよみ 「UFC帰りの選手と戦いたい」

Matsushima【写真】豪快な投げも見せた松嶋、MMAとして組みや寝技を意識した試合だったようだ(C)KAORI SUGAWARA

23日に行われたPancrase286で、内村洋次郎に判定勝ちを収めた松嶋こよみ。昨年12月にマルロン・サンドロに敗れて以来の再起戦で、松嶋は新たにウェルラウンダー振りを発揮した。

練習環境を変え、戦う態勢にも変化が見られた松嶋に今回の試合・前後を振り返ってもらった。
Text by Kaori Sugawa


──再起戦勝利、おめでとうございます。

「ありがとうございます。勝てはしましたが、勝った気のしない試合でした」

──というのは? 試合後のマイクの時も表情は厳しかったですね。

「今回は自分の中で凄く練習をしてきて、それを出したかったんですけど……100パーセント出せないのは分かっていたも、ここまで出ないのかっていうような試合展開だったので、悔しい気持ちが大きいです。

今まで打撃中心の試合ばかり考えていたんですけど、今回はMMAをしたいと思って、練習をやってきたんです。それに関しては多少は出来たかなと思うんですけど、まあ……、もうちょっと見せたい部分はあったかなっていう感じですね」

──打撃でなくテイクダウンへ行く展開もこれまでよりも多かったです。

「内村選手がもっとぴょんぴょん飛んで入ってくるイメージだったのですが、思ったよりどっしり構えられて、逆にやりにくかったです。これまでのように攻めてきたら、もうちょっと動きを考えられたかなとは思うんですけど、それも試合ですからしょうがないです」

──内村選手が挑発しているシーンもありました。

「僕もそういうのに乗りやすくて、『ああ、行きたい!!』って気持ちでいっぱいだったんですけど、今回はセコンドの声をしっかりと聞いて、テイクダウンだったり立たせないように意識して出来たかなと思います」

──北岡悟選手とロッキー川村選手がセコンドでしたね。

「そうです。今、川村さんと北岡さんについてもらっていて、ずっと練習を見てもらっているのがお二人なので。やっぱりセコンドも練習見てもらっている川村さんと北岡さんについてもらおうっていう感じですね」

──試合の対策もセコンドの両者と立ててきたのですか。

「そうですね。途中自分でも2Rで疲れちゃって、ダメだ、と思っていたんですけど、でも、北岡さんがゲキ飛ばしてくれて。気持ちを入れ替えて3ラウンド目が出来て、本当にありがたいなっていう気持ちでいっぱいです」

2Rは確実に取られたなと自分で思うほど、ダメなラウンドだったんで、3Rに修正出来たのは良かったと思います」

──2Rは何が良くなかったと思われますか。

「内村選手の挑発に乗ってしまい、気持ちが前のめりになってしまいました。それで突っ込んでしまうと、マルロン・サンドロ選手にやられた時と同じで」

──今回、組み技が多かったです。

Koyomi Matsushima「今まではスパーリングの中でそこを重視してなかったんですよね。上を取っても立たせるぐらいの感じで。でも、今回、試合前にずっとテイクダウンを取って上を取るっていうのも必要だと思って、そこを強化する練習をしてきてました。

まだ完成はしていないんですけど、そういうところは出すことができかとは思います。やっぱり北岡さんとか、そういう技術がすごいんで、見たりやったりしてどんどん吸収できればいいなと思っています」

──構えもこれまでと変わりましたか。

「体を緩くリラックスさせるっていうのをイメージしています。テイクダウンに行くのに、以前の構えだとやっぱりいけないので。前までの構えの良いところは良いところでそれを使いながらも、今回は体を使ってもっと動いてみようっていうイメージでやってみました」

──なるほど。

「もう少しレスリングをやらないといけないって思いました。レスリングの練習があんまり出来てなくて、スパーリングばっかりになっていたので。もう一度、レスリングの練習をしっかりやって、組みの強さも付けていこうと思います」

──レスリングはどこで練習をは?

「青山学院大学を始め、色々な大学に行かせてもらっています。MMAでレスリング自体を使えるかのかって言ったら、そのまま使えるわけではないんですけど、ただMMAで使える組みの力は全然あるので、そこを強化して行かないと外国人選手には勝てないなと思います。

しっかり外国人選手でもテイクダウンとって上から殴れる、そういうことを当たり前にできるようにしていくためにもレスリング力をつけていこうと思っています」

足下が松嶋コーデの要(C)KAORI SUGAWARA

足下が松嶋コーデの要(C)KAORI SUGAWARA

──対外国人選手を意識するというのは、目指すところが海外だということでしょうか。

「別にあまり意識はしていないですけど……。UFCとかを目指すのであれば、今のままじゃダメだなっていう風に思っとけば、どんどん自分が成長して行く糧になると思うので。そこを目標っていうのは変わらず、続けて行きたいと思います」

──では、今後の目標は?

「パンクラスでも、なかなかこの階級だとタイトル挑戦まで行くのは大変だと思うんですけど、でもやっぱり、そこを目標っていうよりは、そこを通過点にしたいっていう気持ちでいます。UFCから帰ってきた選手と戦いたい。フェザー級だと日沖(発)選手だとか川尻(達也)選手とか、やはりあのレベルで戦えるような力をつけて行きたいと思います」

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