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【Arzalet FGC01】幻の柔術世界王者アリ・ファリアス 「自分を信じて、完璧を求める」

Ary Farias【写真】昨年のムンジアル黒帯来フェザー級2位のファリアス。つまりイアゴ・ジョルジ、アイザック・ドーダーライン、ガブリエル・モラエス、マイキー・ムスメシ、ジャンニ・グリッポ、そして加古拓渡よりも上位の結果を残し、MMAを戦っていることになる。これって現状の日本の柔術、MMA界では考えられない快挙だ (C)MMAPLANET

11日(土・現地時間)にブラジルはサンパウロのジナーシオ・マウロ・ピンヘイロにて開催されるARZALET FIGHING GLOBE CHAMPIONSHIP。今大会で2013年ムンジアル黒帯フェザー級幻の優勝=準優勝、その後MMAデビューを飾り4勝1敗の戦績を残しつつ、昨年はライトフェザー級で再び準優勝を獲得しているアリ・ファリアスが、フィリピンのアーニー・ブラガと対戦する。
Text by Pedro Marques

ホナウド・ジャカレやアンデウソン・シウバとともにX-ジムでトレーニングを積む、ファリアスに柔術からの転向、打撃の上達について、そしてブラガ戦に関してインタビューを行った。


──若い頃から誰もがアリのポテンシャルの高さを認めていたけど、柔術やMMAを戦う上でその状況にプレッシャーは感じていなかった?

「いつも自然体でいたし、柔術を戦っている時はプレッシャーを自分に掛けることがなかった。柔術もMMAも自分で望んで始めたことだ。言い訳することなく、ただ自分の大好きなことを続けるには、ハードトレーニングを続けるしかないんだ」

──柔術もホナウド・ジャカレと練習し、今も彼と同じXジムに所属している。アリにとって、ジャカレとはどのような存在なのだろうか。

「ジャカレは柔術時代から僕のキャリアに欠かせない存在だ。凄く強い絆で結ばれている。ジャカレのことを『マイ・フレンド』と呼べることを凄く嬉しく思う。ジャカレは僕にとって師匠のようなものだよ。

ジャカレ、そして家族のサポートがあって僕は今、ここにいることができる。子供のころから柔術、そしてMMAファイターになりたいと思っていた。でも、プロフェッショナル・ファイターになることが、これほどまでに大変だとは分かっていなかった。

特にブラジルは、ほとんどのファイターがしっかりとしたファイナンシャルを手にすることができない。本当にタフな状況だよ」

──2013年のムンジアル決勝で起こった出来事を引きずることはないかい?

「あれは僕だけでなく、柔術ファンをバカにした判定だった。誰だって、本当の勝者が誰か分かっているはずだ。でも、もう気持ちの面ではスッキリしている。どれだけ柔術に心血を注ぎ、その結果ここにいることができているのか分かっているから。何が重要かは理解しているつもりだよ。あんな腐った裁定のせいで、僕の軸がブレることはないから」

──誰もがアリの柔術の強さは認めている。その一方で打撃に課題があると思っていた。だたし、前回の試合では18秒でKO勝ちを収めている。そんな疑問の声をシャットダウンさせたね。この打撃の成長の裏には何があったの?

「人間って、何かあれば否定的になるんだ。それが人間の性ってヤツだろうね。そういうことをいう連中が間違っていたことを証明できた。毎日、ジムにいってジョズエ・ディスタッキ、ホジェリオ・カモエス、セオドロ・カナル、ペドロ・ヒーゾ、そしてカイオ・ピスチーリの指導を受けてきたんだ。

練習量、成長するには多くの練習をすることだけ。シークレットなんて何もない。そして、どれだけ成長する必要があるのかを、ちゃんと自分で理解すること。加えて自分の能力を疑わない。自分を信じて、完璧を求めるんだ」

──X-ジムではジャカレ、アンデウソン・シウバ、ハファエル・フェイジャオンらとトレーニングをしているけど、彼らとのトレーニングから学ぶことは?

「僕は完全なファイター、完璧になりたいんだ。彼らと練習すると、プロとは何か、何が重要なのかを教えてくれる。今、僕は彼らを見上げて、追いかけている状態だ。いつの日か、子供たちが僕に憧れ、僕のようになりたいと思う日が来ることを約束するよ」

──では今回の試合だけど、アーニー・ブラカ対策はもう十分かな?

「大丈夫だ。対戦相手はタフで才能がある。作戦としては、コーチと練習してきた全てを出すこと。それだけだよ」

──準備万端だと?

「全く問題ない。全て計画通りだよ。ファンに喜んでもらえる試合をして、勝利を手にする。毎試合、全てが大切な試合だと思っている。常にキャリアで一番大切な試合を戦うのだから、万全を期して試合に臨んでいる」

──では日本のファンへメッセージを。

「この素晴らしい大会に自信をもって臨めている。良い試合をして、皆をガッカリさせることはない。約束するよ。ドウモ、アリガトウゴザイマス!!」

■Alzalet FGC01対戦カード

<ライトヘビー級/5分2R>
ホドウフォ・ヴィエイラ(ブラジル)
ダニヤル・ザリルベック・ウウル(キルギス)

<ウェルター級/5分2R>
マルキーニョス・ソウザ(ブラジル)
ファビアーノ・アラウージョ(ブラジル)

<フェザー級T決勝/5分2R>
芦田崇宏(日本)
ブラディスラフ・バルブチェンコ(ウクライナ)

<83キロ契約/5分2R>
マーカス・ペレス・エッシンンベルク(ブラジル)
イルデマール・アルカンタラ(ブラジル)

<70キロ契約/5分2R>
ジョルジ・パチーユ・マカコ(ブラジル)
アンドリュー・フィッシャー(英国)

<61キロ契約/5分2R>
アリ・ファリアス(ブラジル)
アーニー・ブラカ(フィリピン)

<ライト級T準決勝/5分2R>
ドミトリー・パルブチェンコ(ウクライナ)
星野大介(日本)

<ライト級T補欠戦/5分2R>
ジョナサン・メネゼス・バルバーリョ(ブラジル)
チアゴ・ナシメント(ブラジル)

<ヘビー級/5分2R>
カルロス・トヨタ(ブラジル)
サミルベック・シルガバエフ(キルギス)

<66キロ契約/5分2R>
グスタヴォ・ウーリッツァー(ブラジル)
ネマット・アブドゥライトフ(キルギス)

<グラップリングマッチ>
シャーウス・オリヴィエラ(ブラジル)
セルシーニョ・ヴィニシウス(ブラジル)

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