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【LFA138】田中路教と対戦、天然柔術家アリ・ファリアス「僕はMMAのために柔術の練習はしない」

【写真】満面の笑みを浮かべるファリアス。インタビュー中は、通訳がいても不慣れな英語を懸命に駆使し続けた。そこに彼の意志力、なりふり構わない強さが見られた(C)MMAPLANET

5日(金・現地時間)にオクラホマ州ショーニーのグランドホテル・カジノ&リゾートで開催されるLFA138で田中路教と、アリ・ファリアスが戦う。

競技柔術では間違いなく世界の最高峰の1人だったファリアスは、全く別競技のMMAとの両立をしてきた。そこには愛すべき天然キャラと強い自我とともに、柔術とMMAを同一線上に置かないというファリアスのアイデンティティが見受けられた。


――アリには以前から聞きたいことがありました。2012年のムンジアル、勝ち名乗りを受ける前に喜びを爆発させマットの外に出て、金メダルを失いました。

「IBJJFのレフェリーは、全く僕のことを尊重しなかったよね。ガブリエル・モラエスは敗者だ。僕が彼の立場だったら、金メダルは受け取らない。ブラジルに戻っても、両親、友人に『お前は勝っていない』って言われるよ。あんな試合で勝利を宣言されて、よくメダルを首に掛けられたなって思っている。僕は性格的にも、そんなことはできない。

あれから僕は柔術から暫く離れた。でもアンドレ・ガルバォンが、またやろうと言ってくれて2016年に戻った(決勝でパウロ・ミヤオに敗れるも、禁止薬物使用で失格となり金メダルを獲得)。僕はガブリエル・モラエスのことを尊敬できない」

――あの時、場外に出たことは後悔していない?

「ムンジアルで戦うには、本当にハードな練習が必要だ。そして、その環境を整えることは簡単じゃない。ムンジアルの前にガルバォンが金銭面のサポートをしてくれて、アカデミーで寝起きしていたんだ。何よりも、僕はガルバォンに感謝の言葉を送りたかった。それで失格だって? UFCでもケージを乗り越えたらダメだ。でも、勝った選手がそれで勝利を奪われることはないよ」

――毎年、十数人のムンジアル王者が誕生しますが、数人を除いて記憶に残ることはありません。でも、2012年のアリ・ファリアスのことは誰も忘れないです。

「その通りだね。ありがとう」

――そんなアリが柔術のトップでありながら、MMAを戦うようになったのはなぜでしょうか。柔術とMMAはあまりにも違う競技になったというのに。

「確かに2つの競技で、どちらもトップを取るなんて不可能だ。MMAを戦い始めた時、そう思った。どれだけ柔術で優秀でも、同時にMMAでトップになるなんてありえない。でも、そんな考えはやめたんだ。柔術で勝ってもMMAで負ける。MMAで勝っても、柔術で負ける。そんなもんだって。

そして、柔術の技術とMMAの技術も別物。ケージの中と畳の上は違う。MMAには柔術で使えるような多くのポジションはない。だからって、僕は柔術を止めることはない。MMAで戦っていても、僕は常に道着の練習をしているんだ。

でも、それはMMAのためじゃない。MMAのために柔術の練習はしない。柔術は柔術の試合で勝つために練習するんだ。それを多くの柔術家が、MMAを戦うようになるとノーギばかりで練習するようになる。違うんだよ。柔術は柔術のために、強い柔術家と練習しないと。僕の柔術は今はそんなハイレベルにある」

――なるほど、そこまで明確に分けて考えているのですね。では柔術では世界を制したアリは、MMAでの目標は何でしょうか。

「UFCチャンピオンだ。大金を稼いで、家族や色々な人をサポートしたい。ブラジルだけじゃない、世界中で貧困にあえぐ人々を助けたい。それが僕のゴールだ。ただチャンピオンになりたいわけじゃない。チャンピオンになって世界を変えたい。僕は神に救われた。そんな僕が、なぜ困っている人を助けないでいられるか。その理由が見つからない。マナウスで過ごした子供時代、僕には何もなかった。でも色んな人が僕を助けてくれて、今、ここにいることができる。次は僕の番だ。誰かが貧しさ故に諦めないといけない夢を実現させる手伝いをしたい」

――そのゴールに辿りつくために、UFCファイターになることが絶対です。

「違う。UFCファイターじゃない。UFCチャンピオンだ。UFCで戦うことと、チャンピオンになることは同じじゃない。きっと何年後かに『あのカジノでアリはそう話していたな』って思い出す日が来るよ」

――そのために田中選手との試合は凄く大切になります。田中選手の印象を教えてください。

「まず、僕は日本の人たちのことを凄く尊敬しているんだ。そもそも、僕らは日本のマーシャルアーツ、侍の精神を持つ皆のことを尊敬しているから。

タナカはどの局面でも、とても危険な相手だ。柔道と柔術が上手い。彼のことも凄く尊敬している。元UFCファイターだしね。でも、マイ・タイムだ。レッツゴー、ここには自分の戦いをするために来たんだ」

――明日、何をケージの中から見せたいですか。

「いつも通り。僕は僕だから。ジョークを言って人生を楽しみたい。だから、これまで通り戦うだけだよ」

■視聴方法(予定)
8月6日(土・日本時間)
午前10時~UFC Fight Pass
午前10時~ABEMA格闘CH

■LFA138計量結果

<バンタム級/5分3R>
アリ・ファリアス: 135.8ポンド(61.59キロ)
田中路教: 135.4ポンド(61.41キロ)

<バンタム級/5分3R>
アスカル・アスカル: 136ポンド(61.69キロ)
ディエゴ・シウバ: 137.2ポンド(62.23キロ)

<フェザー級/5分3R>
アライジャ・ジョンズ: 145.6ポンド(66.04キロ)
河名マスト: 145ポンド(65.77キロ)

<148ポンド契約/5分3R>
AJ・カニンガム: 147.4ポンド(66.85キロ)
シェイ・コンリー: 147.6ポンド(66.95キロ)

<フェザー級/5分3R>
二宮城太: 145.6ポンド(66.04キロ)
ニック・タラヴェラ: 143ポンド(64.86キロ)

<150ポンド契約/5分3R>
ムタズ・アスカル: 150ポンド(68.03 キロ)
クリス・マカーテ: 149.8ポンド(67.94キロ)

<フェザー級/5分3R>
アシュトン・カービー: 146.2ポンド(66.31キロ)→: 146ポンド(66.22キロ)
カラム・パーカー: 145.6ポンド(66.04キロ)

<フェザー級/5分3R>
ジャレッド・ブラウン: 147.8ポンド(67.04キロ)
ライアン・フーバー: 145.6ポンド(66.04キロ)

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