【TUF24】大善戦のエリオットを2R以降は寄せ付けず、DJが9度目の王座防衛!!
<UFC世界フライ級選手権試合/5分5R>
デメトリウス・ジョンソン(米国)
Def.3-0:49-45.49-46.49-46
ティム・エリオット(米国)
現役王者最多9度目の王座防衛の臨むDJがTUF24ウィナーのエリオットに対して、まず左ローを入れて左右に回る。左右の荒いパンチで前に出るエリオットをアッという間にダブルレッグで倒したDJはパス狙いから、そのまま跨いて腕十字へ。腕を抜いてトップを取ったエリオットは頭を抱えてパスを狙うも、DJはガードに戻しシングルレッグへ。
ギロチンに捉えたエリオットは暴れるDJをガードに収め、背中をつけてきたところでダースへ。サムアップで大丈夫だとアピールするDJだが、まさかのピンチに陥る。腹ばいになったDJは、エリオットが技を解いて立ち上がると後方からハイキック、シングルレッグを切って、がぶりからバックを伺う。ここは対応したエリオットだが、DJは肩口にヒザを入れて、シッティングガードのエリオットをがぶる。
立ち上がったエリオットはガードを下げた構えで、手をヒザにやる。疲れたと思わせ、荒いパンチからボディを連打するエリオットは、DJのテイクダウン狙いに左を合わせ、何とシングルレッグでテイクダウンに成功する。ハーフでトップをとったエリオット、潜ったDJだがギロチンを警戒し上体を起こせない。健闘を上回る、大健闘ぶりを見せたエリオットが初回を取ったか。
2R、左ロー、右前蹴り、右ローを入れるDJ。エリオットはガードを下げたままでパンチを繰り出してチャンピオンを惑わせようとする。そして右オーバーハンドを見せて、ワンツーから左ミドル。DJはシングルで倒してギロチンにもサイドに回って頭を抜く。スクランブルでバックに回ったDJは足の前にRNCクラッチ、エリオットがたまらず背中をマットにつける。
サイドで抑え、エルボー、頭をキャンバスに叩きつけるチャンピオンはキムラを狙い、エリオットは足を戻して防ぐも、即DJがパスを決める。クルスフィックスに捉え、パンチを落とすDJはハーフに戻されても、ストレートアームバーとキムラで攻めていく。気が付けば足を抜いているDJはバックへ。
正対したエリオットはガードに戻してキムラ狙い。立ち上がったエリオットのバックを取って、ハイキック、ヒザ蹴りを入れるチャンピオンだが、その蹴り足をキャッチしたエリオットがテイクダウン!! エリオットは劣勢ながら、最後はトップでラウンド終了を迎えた。
3R、DJが思い切り右ローを蹴り込む。左を振るって前に出るエリオットはドミニク・ステップを踏む。距離を詰めて組んだDJは、スクランブルのなかで前転するようにバックに張り付く。足のフックの前のRNCを逃げたエリオットのシングル狙いにDJがギロチンを合わせる。エリオットは頭を押し込んで防ぎつつ、リバーサルに持ち込ませてまんまと頭を抜くやトップを取る。
エリオットはシングルを仕掛け、足を引き抜いたDJのシングルにパンチを落とすが、結局は王者がしっかりとトップを取り切る。ハーフでパンチを連打するDJは足を戻させず、執拗にパスを仕掛ける。ついに足を戻したエリオットの三角を簡単に潰したDJがパスを決める。シザースから頭を挟みに掛かるなどエリオットも懸命に抵抗するが、チャンピオンが反撃を許さずラウンドを取った。
4R、両手を広げた変則的な構えにDJはテイクダウン、首を抱えに来るので倒したときにはハーフに回ってギロチンを無力化させている。パンチからスクランブルになるとスナップバック。背中を許しつつ起き上がるエリオットに対し、DJはバックに回って足をフックしてRNCをセットアップ。腕を差しいれて防御するエリオット。ならばとDJは上四方に移行して、下からのニンジャにも対応し、クルスフィックスへ。右のパンチを連打し、エリオットが体を捻ったところで、DJはサイドで抑える。
エリオットの掌底という小技にも、自在なトランジッションから逆側のサイドに回るDJがストレートアームバー、パンチ、キムラのコンビネーションで攻め込む。続いて腕十字へ移行したが、ここはエリオットが足を入れて絶妙な防御を見せる。長時間戦うことで評価を高めるエリオットだが、王者は完全に試合を支配して最終回を迎えた。
5R、左ミドルからテイクダウンに出たDJは自ら離れると、エリオットがシングルレッグを決める。頭を抱えに来るエリオットに対し、DJは頭を抜いてパスを決めると、正対してきたところでがぶってバックへ。グラウンド版スナップバックの要領で上四方を何度も取るDJが、ここもノースサウスからサイドへ。エリオットが足を戻しても次々とパスを仕掛けて、立ち上がることを許さない。
残り90秒、DJはストレートアームバーとエルボーのコンビネーション、エリオットのキムラ狙いも足を抱えてトップを取り、そのクラッチを利用して腕十字へ。ヒジが抜けるとギロチンから抑えたチャンピオンは、バタフライカードで固めてきたエリオットのヒザを潰してハーフガード&アームロックを仕掛ける。このままタイムアップとなり、DJは完全防衛に成功──もエリオットは防御能力の高さと一発の強さを世界にアピール。
「エリオットのダースには『ヘイヘイヘイ、ハーブ(ディーン※レフェリー)、試合止めるよな』って思っていたよ。初回はタフだったね。でも、彼の動きをせき止めるような攻撃にもリラックスして試合を組み立てていった。僕のグラップリング技術をもってすれば、切り抜けることができるからね」とアンデウソン・シウバに並ぶに次ぐ9度の王座防衛に成功したDJは語った。
一方、エリオットは「僕は誰だって倒せる。彼は世界のベストファイターで彼とオクタゴンで一緒にいられたことがハッピーだったよ」と話した。この善戦を将来に結びつけるために、次戦が絶対的に重要になってくる。