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【Pancrase281】情念。マフラと対戦する北岡悟<04>「僕だって格闘技でまだ夢を見ている」

Satoru Kitaoka【写真】人々の北岡への捉え方は多々あるだろう。基本、格闘技の話をして、別れる時にこういう表情になる──それが北岡だ (C)MMAPLANET

10月2日(日)、東京都江東区のディファ有明で開催されるPncrase281で、元UFCファイターのブラジリアン=レオナルド・マフラと戦う北岡悟インタビュー第4弾。

MMAを続けるにはアップデートは欠かせないという北岡は、『やれることが変らない』というなかで、やれることを増やしている。そして、マフラという未知強と戦うことは、見返りの大きさを求めていることになるという。

北岡悟インタビュー、最終回。彼のMMAへの取り組み方が少しでも伝われば幸いだ。

<北岡悟インタビューPart.01はコチラから>
<北岡悟インタビューPart.02はコチラから>
<北岡悟インタビューPart.03はコチラから>


──そのDJ.taiki選手の『フィニッシュに』という考え方は、今の北岡選手はどのように捉えているのですか。

「実際、極めに行かなくても極めに行く動きが大事だというのはあると思います。彼に言われたことでも、色々な受け止め方が存在します。だから、パンクラスイズムで練習する時は極めへの動きを入れ、ロータス世田谷でグラップリングをやるときはメチャクチャ抑えにいきます」

──練習によって目的を設定しているということですか。

「いえ、その時、その時に一生懸命やっているだけです。当然、ロータスのスパーリングはグラップリングのレベルが高いですから」

──北岡選手の一本勝ちですが、以前はぶった切りような一本。今はその状況にハマったら極める。そんな違いがあるように感じています。

「う~ん、どっちにしても一本を取るというのは、これだけレベルが上がったMMAでやっていくことは相当難しいですよ」

──ギロチンだと、それこそ仕掛けることで抑え込みへの布石にもならないですか。

Kitaoka vs Akira「本当はノースサウスとか肩固めの方が得意で……本当は仕掛けたいし、練習ではかなり磨いている部分なんですけどね。でも、簡単じゃないです。アキラ戦では極めかけることができましたが。

ギロチンは下になりやすい技だって昔、書かれたことがあったじゃないですか(笑)。高島さんにギロチンという技自体を否定されましたよ」

──確かに(笑)。外されると下になるので、あの時はホントにそう思っていました。

「だからギロチンが良い技だとは思っていないです」

──ただし、あれからギロチンへのディフェンスというか、フロント系チョークを仕掛けられた際、対戦相手の方が絞められたくないという判断で、自ら背中をつけるという防御方法が増えました。そこでギロチンは抑え込みへのトランジッションになると考えを改めたんです。

「MMAの進化ですね(笑)。でも、やっぱりあんまり良くない技ですよ」

──そうなのですか!!

「よろしくない、理想的な技ではないです。がぶりですら、本当は流行っているのはどうなのかなって思います」

──えぇ、北岡選手のがぶりとギロチンのコンビネーションもバックを取れる有効なトランジッションだと考えていたのですが……。

「がぶりに自信はありますし、大切です。でも、理想的じゃない。そして、その理想的でない技術に頼らざるを得ないのが、現状なんです」

──それでも北岡選手のギロチン、そしてがぶりにはめ込められる対戦相手は多かったです。ただし、マフラにはどうなるのかというのも、この試合の一つの焦点だと感じていました。

「未知な相手だし、どうなるかは分からないです。でも、さっきも言ったようにやることが変らないのではなく、できることが変らないので(笑)。それが現実で。もちろん、できることを増やしていっています。増やしたいと思っています。

それに僕の戦いにはめ込めるかどうかということを気にするなら、下石との試合にだってそういう気持ちがありました。毎回、そういう想いで戦っています。こいつには掛かるとか、そんな自信はあってないようなものなので。でも、やる。嫌なら辞めろ──なんです。やるしかない。

相手をイメージして、そこではめ込めるようには作っていきますけど、こういう言い方をすると詰まらなくなるから(苦笑)」

──何が詰まらなくなるのか分からないですが……。

「いずれにせよ、そのために構えとかを作っていて、少しでもレベルを上げられるようにしています。だからミット打ちもスパーリングもしているわけだし。

Kitaoka & DJ構えとかも、やればやるほど難しいです。新しいことを習うと、一歩間違えるとこれまでの形が崩れてしまいます。DJのミット打ちで、『もっと強く打て』ということを習っているのですが、そんな風に言われても強く打つのは難しい。これまでミット打ちで、そんな風に強く打つことがなかったので。

何かを得ると、何かを失う可能性って常に付きまとうし。でも、勝ちたいからチョット、そういうエッセンスが欲しいと思っています。それをちゃんと消化しないと薬でなく、毒になってしまうのですが……」

──北岡選手ができることを見つけていくのとは別に、マフラという相手に対し気をつけないといけないのはどこだと考えていますか。

「気を付けるのは打ってきた時のプレッシャーが、どこまでかということですね。プレッシャーはあると思いますし、試合はそこに尽きるんですよ。それは下石戦でも危惧していたし、不気味な部分になるんです。ただし、外国人でプレッシャーの強い相手ともこれまで向き合ってきたので。

う~ん……でも、今また世界中でこの競技が行われ、そのなかで夢を求め、真剣に取り組んでいる相手です。だから、ブラジルから出て米国に移り住んだんだろうし。

マフラも本気でMMAに向き合っている。だから……当然、強いでしょう。そういう覚悟はしています」

──夢を求めて米国、AKAで練習しているということですよね。

「でも、僕だって格闘技でまだ夢を見ているし。そういう部分でも負けていないです。つまり……そういう話なんですよ。別に色々な見方があるんでしょうが、僕はコレを選手でやることで夢を見たいから。

無理やりです。今の僕の状況は賭けを大きいモノにしている。小さく賭けて、小さく貰うんじゃなくて……。それだと快感が小さいじゃないですか?  お金のためでもあり、快感を得るためでもある。それこそ、快感が勝ったあとのアクションになっているわけだし」

──マフラ戦後、ブラジルや米国で何を言われていたか、意気揚々と北岡選手がエゴ・サーチできることを願っています。

「多分、そこまではしないと思います(笑)。しないけど、『北岡、ブラジル人に勝てないだろう』とか言っているヤツの言葉を読み返して、ざまぁ見ろって思えるようにします」

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