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【Pancrase281】情念。レオナルド・マフラと対戦する北岡悟<01>「嫌なら辞めれば良いんですよ」

Satoru Kitaoka【写真】北岡の狂気宿る表情は、ポートレイトよりも話をしている最中の方が圧倒的。しかし、その話を聞きながらカメラを向けるような余裕はないのであしからず……(C)MMAPLANET

10月2日(日)、東京都江東区のディファ有明で開催されるPncrase281で、元UFCファイターのブラジリアン=レオナルド・マフラと対戦することが決まっている北岡悟。

6月に下石康太を破りDEEPライト級王座を防衛した彼は、約3カ月のインターバルで実戦の場に戻ってきた。今は一選手としてだけではなく、パンクラスイズム横浜道場の運営、そして一般練習生と所属プロ選手の指導と多忙な日々を置くなかで、またも身を削るような思いをすることを覚悟で、少しでも強いファイターとの対戦を望んだ。

何をそこまで、北岡を駆り立てているのか。その根底で迫ってみた。すると、これぞ北岡悟というべき──普通の人間には感じられない情念が存在した。


──10月2日、レオナルド・マフラ戦まで1カ月と少しになりました。心身のコンディションの方はいかがですか。

「どういえば良いですかね。なんか『調子良いぜ』なんて軽く言いたくないですし、ネガティブなことも発信したくないですし。どういえば良いのか……、やれることはやっています」

──前回のDEEPでの下石康太戦がパンクラスイズム横浜をオープンさせて初めての試合でした。今回は2試合目、何でも最初は特別な感覚があると思うのですが、3カ月のインターバルで迎える道場主としての2戦目は、また何か違い、変化がありますか。

「ハイ、違いますね。1回目を勝ったことで、この生活が肯定されたというのがあります。だからこそ、この2回目が危険だということは認識しています。

1回目に勝っても、2回目や3回目に負けると否定されることは確かなので、ずっとコレが続くんだっていう感覚ではいます。そうじゃなくても、ジムをやっていると所属選手の試合が続く状態なので……終わらない闘争というか……。

そういう場所にこの身を置いているので休まることはないですね」

──ただし、このインターバルで試合を受けることなく、ジム運営に力を入れる時期を置いて、また試合に臨むという選択肢もあったかと思います。

「金銭的な状況的で試合をしないとダメです。ただし、金銭が一番ではないですけど……さっき休まらないとは言いましたが、この生活が好きなんです。休まらないから戦いたくないとか、そういうことじゃないんで」

──日本最強のライト級ファイターとして、下からのチャレンジを受け続けた時期。本当に憔悴しきっていた北岡選手をどうしても思い出してしまいます。徳留一樹選手に敗れ、インターバルを半年置いた。そして、またすぐに試合に挑む。ジムをやりながらなので、あの時以上に疲弊してしまうということはないでしょうか。

「嫌なら辞めれば良いんですよ。ちょっと、中毒的な感じなんじゃないですか。体力も気力もありますし。なぜ、戦い続けるのか……答なんて分からないですけど、やるんですよ。

試合数に関しては考えないといけないことは確かです。でも、やるんじゃないですか。もちろん、摩耗し過ぎないようにはしないといけないですけど。まぁ、それが徳留戦の敗因の一つだとは思っているので」

──やり過ぎていた、と?

「ハイ。間違いなく。13カ月で5試合、その5試合目でしたから。でも、その2カ月後に6試合目を戦おうと思っていましたし。繰り返しますが、嫌なら辞めれば良いんです」

──やりたいから、やる?

「やると決めたんだから、やるんです」

──ではこのタイミングでパンクラスというのは、いつ頃に決めていたのでしょうか。

「普通に考えると、DEEPの防衛戦をクリアすればそうなる。順番として。そう思っていましたが、海外や日本の大きなプロモーションが一つできているので、そこから声が掛かればという気持ちはありました。

海外は一つ、ロシアからあったのですが、あんまり良い話ではなかったので断らされてもらいました。8月の初めにオファーが来て、試合は月末、ファイトマネーは安い。そしてロシア。全てが断る理由になるので。それでなくても、次はパンクラスだと思って話もさせてもらっていたし、これは国内外に関わらず、正直あんまりバカにされたような形で試合はしたくないんです。

もう37歳だし。バカにされるような状況、条件で戦う時間はない。そのなかでパンクラスはそういうオファーじゃなかった。逆に僕の方から、いつだったら試合を組んでもあることはできますかって尋ねたほどぐらいです。

で、9月は枠が埋まっているから10月になって。最初に言われた相手はロシア人のバイザット・ハトホフでした。すぐに太田駿平選手に勝った試合をUFCファイトパスで見たんですけど、別に勝てると思うし、僕にとってのクライマックスにならない。なので元UFCの選手と戦えないかって僕の方から言い出しました。結果的にハトホフはタイで田村ヒビキ選手に負けることになったし、断って良かったと思っています」

<この項、続く>

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