【ONE48】フォラヤンの挑戦を受けることが決まった青木真也に聞く、韓国柔術マッチとタイトル防衛戦
【写真】韓国の柔術マッチでセコンドに就くなど、青木をサポートしたソ・ジェヒョンと (C)MOOZINE GILPOTO
11月11日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドスタジアムで開催されるONE48で、エドゥアルド・フォラヤンの挑戦を受けることが決まったONE世界ライト級チャンピオン青木真也。
27日には韓国に行われた「SPYDER INVITATIONAL BJJ CHAMPIONSHIP FINAL」では柔術マッチでチョイ・ワンチョイとまさかのドローという結果に終わってしまった。その青木に改めて韓国滞在とフォラヤン戦について尋ねた。
──アドバン2-1で勝利。試合が終わった瞬間は手を広げていましたし、あの時は勝ったと思っていた?
「ハイ、だって他の試合はアドバンで勝敗がついていましたからね(笑)。なんか、試合が終わってレフェリーが話をしに行っているし。ただ、ここで柔術で勝ったからってなんだっていうモノじゃないですしね。MMAだったら、もう怒りで収まりがつかないだろうけど。柔術だし、僕の土俵でなくある程度は戦えていたので。
まぁ、こういうことするんだって話で終わってしまいますよね。あの間は何なのって(笑)。俺の勝ちだろうって尋ねたんです。そうしたら、『ノー。スペシャルマッチ』って。意味分からないですよ(笑)。その言い訳が凄くて」
──道着有りで守って来る人間からは、ポイントが取れる形でのパスは取り辛いものでしたか。
「パスというか……もう寝ちゃいますからね。際になると背中をマットにつけて。柔術をやるつもりもなくて、僕のなかでは圧勝というかやりたいことはできていたので。まぁ、勝敗に関しては特に思うところはないです」
──首を殺してコントロールすると、青木選手のなかでは勝ち?
「僕のなかではフォールなんで。格闘技的では一番の勝ちだし、そこをコントロールして自分のやりたいことができているので、僕の勝ちだという気持ちです。もちろん、対戦相手は柔術は背中をつけてもOKだから──と思っているでしょう。でも、柔術ルールでもアドバンで2-1、結果はドロー。別にOKです。気にしていないです。
当然、試合に出ているのだから勝つために戦っていますよ。でも、ああいうことになってもまぁいいやって(笑)。今一つ、踏み込んだモノはないです。文句を言うよりも、またなんかあったらチャンスを頂戴ねって。
タイ人のムエタイ張りに張り詰める気持ちはないです(笑)。もうライフでやっていて、スパーリングのような感じですね」
──そろそろMMAの試合が決まりそうなので、まぁ柔術の試合だとそういうことで青木選手にとっては十分なのでしょうね。
「もう契約書も返したし、正式発表もあるんじゃないでしょうか(※取材の翌日にONEから青木×フォラヤンが正式発表された)」
──その相手はエドゥアルド・フォラヤンですね。
「ハイ。ずっとMMAの試合ができないのではないかという不安と戦ってきました。なので、ようやく疑心暗鬼から抜け出せます」
──率直にフォラヤンが青木選手に勝てば金星という試合です。その実力についてどのように捉えているか教えて下さい。
「とはいってもクォン・アソルにも勝っていますし、実力のある選手だと思っています。ここ2試合もしっかりと勝てている。怖い試合ですよ」
──当たり前のように青木が完封して勝つ。そこを遂行することを求められると思います。
「そういう風に求められていると思いますが、試合は毎回、恐怖との戦いです。勝負事に恐怖心は常に付きまといますし、どんな戦いも恐怖は存在しますから」
──では、どのような試合を目指すか。一言、お願いします。
「苦しい試合をします」
──ありがとうございました。
「あのう、一つ聞きたいことがあるのですが──構いませんか?」
──ハイ、何でしょうか。
「実は韓国に行った時にキム・ジヨンの彼氏のソ・ジェヒョンが凄く良くしてくれたんです。試合の前日とか全く何も予定がない時にジムを貸してくれて、一緒に練習して。まぁ、ぼこり続けたんですけど(笑)。で、そのあとに技術指導とかしていたら、キム・ジヨンも『私ともスパーをして欲しい』って言ってきたんです。
いや、強いですね。あの強さは日本の女子にあるかな? もちろん、ガチガチでやることはなかったですけど、攻防になっていましたからね。ちゃんとやっていますね」
──素晴らしい交流ではないですか。
「いや、それがセコンドにも就いてくれるし、翌日は空港まで送ってくれたんです。あんなに日本人に良くしてくれて、彼らの立場が韓国で悪くならないのか。拙いことになっていないのかって心配になったんです」
──いや、それは大丈夫だと思いますよ。格闘技界にいて、日本に対し何かをいうというケースはほとんどなかったですし。PRIDEの影響も強いでしょうから、尊重して付き合ってくれますよ。サッカーレベルになると、色々な人が出てくると思いますが。
「それなら良かったのですが……。僕はあんまり人に助けられなくないし、貸しを作るのも嫌な人間なので。で、どうして返せば良いかなって……。そこを困ってしまって……。貸しを創っているだけじゃ……なんだか」
──そこもまた青木選手らしいですが、大丈夫だと思いますよ(笑)。
「なんか日本に来るようなんですが、その時は試合前のキャンプで僕はシンガポールに行っていて、返せないんですよね」
──ようやくMMAです、キャンプに集中してください。韓国の記者に青木選手のその言葉を伝えておきます。
「ハイ、よろしくお願いします」