この星の格闘技を追いかける

【Bellator106】ティト×ランペイジより、チャンドラー×アルバレス!!!

Chandler vs Alvarez

【写真】Belaltor史上最高のカードはティト×ランペイジでなく、マイケル・チャンドラー×エディ・アルバレスだ(C)KEITH MILLS & GONGKAKUOTGI

2日(土・現地時間)、カリフォルニア州ロングビーチのコンベンション&エンターテイメント・センターで開かれるBellator106。ご存じのようにベラトール初のPPVイベントは、ティト・オーティズの負傷欠場により、Spikeでの中継に変更、ランペイジ・ジャクソンの出場もなくなった。

ある意味、等身大のBellatorで最高のラインナップが揃ったといえる同大会。ヘビー級Tファイナル、シーク・コンゴ×ヴィニシウス・ケイロスやテリー・エティムの初陣が飛んでも、その評価は変わらないだろう。何といってもメインの世界ライト級選手権試合、マイケル・チャンドラー×エディ・アルバレス戦に説得力がある。2年前の対戦で予想を裏切り、4RにRNCを決めて王座を獲得したチャンドラー。その後の2度の防衛戦と一つのノンタイトル戦で、強さをまざまざと見せ続けている。正直なところ、UFC以外のプロモーションで世界王者を名乗ろうが、その根底には『UFCで通用するか』という疑問が常に付きまとうのが現実だ。

その『通用するか』という疑問も、対象がUFCトップファイターとの対戦と、プレリミの生き残り合戦という違いある。そして――間違いなくチャンドラーは前者で、しかも『通用するか』ではなく『通用するだろう』という見方をされている。そのチャンドラーは、ベラトールと8試合という長期の契約を済ませたばかり。

一方、アルバレスはUFC入りを果たすために、ベラトールと法廷闘争にまでもつれた結果、残り2試合をチャンドラーと戦うという折り合いをつけた。アルバレスがこの試合を制せば、チャンドラーと3度目の対戦。ここで敗れれば、リリースという変則的な契約という話も伝わっており、ベラトール・サイドとして、3度目を考えずここでの決着を求めているだろう。

前の試合のインパクトの強さで、チャンドラー有利という声が高いが、果たしてそうだろうか。アルバレスは決して、油断のならない対戦相手だ。開始30秒ほどでパンチを貰ったアルバレスがダウン、ガードも取れず追撃を受けており、あの時点でTKO負けを喫してもおかしくない状況だった。にも、関わらずアルバレスは持ち直し、残りの4分30秒で2度、チャンドラーの動きを止める右を打ち込んでいる(チャンドラーも同様に、もう一度アルバレスの腰を落すパンチを放ってはいる)。

ダメージからの回復力に関しては、チャンドラーの方がアルバレスを上回るだろう。ただし、その後の2年で2試合。青木真也戦、パトリッキー・フレイレ戦でパンチを被弾することなく、蓄積したダメージも回復傾向にあるに違いない。加えて、ブラックジリアンに練習場所を変えたことで、名匠ヘンリー・ホーフトの下では、トレーニングでダメージを蓄積することもないはず。

エディが気をつけないといけないのは、チャンドラーの組と打撃の融合だ。多くの場合、組と打撃の融合といえば、打撃からテイクダウンの流れを気にしないといけないわけだが、チャンドラーはテイクダウンを逃れた相手が、防御態勢あるいは攻撃態勢に入る前にパンチを打ち込むことに長けている。ここ3試合はテイクダウンを切られる場面もなかったが、エディとの前回の試合では、最終的にフィニッシュに結び付くダメージを与えたのは、この流れのなかでの打撃攻撃だった。

エディとしては、これも前回の対戦でテイクダウン狙いから亀になったチャンドラーの背中について、すぐに前方に落されたことがあったが、ああいう場面でいかにポジションをキープできるかが大切になってくる。ブラックジリアンにはジルベウト・ブーン・ドゥーリ―ニョやルイス・ブスカペも在籍しており、彼らとのトレーニングで落ち着いた柔術を身に付けていれば、試合の流れを変えたり、有利であれば時間を稼ぐこともできる。もちろん、一気に勝機を呼び寄せることも可能だ。アグレッシブで荒々しい試合内容で、ベストファイトの名声を勝ち取った前回の試合だが、今回はアグレッシブな姿勢のなかでも、繊細な動きが投打で求められる。それこそが、彼らの2年間のバージョンアップ。豪快かつ完成度の高いMMAが期待される。

■Bellator MMA 106主な対戦カード

<Bellator世界ライト級選手権試合/5分5R>
[王者]マイケル・チャンドラー(米国)
[挑戦者]エディ・アルバレス(米国)

<Belltor暫定世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
キング・モー(米国)
エマニュエル・ニュートン(米国)

<Bellator世界フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者]パット・カーラン(米国)
[挑戦者]ダニエル・ストラウス(米国)

<Fighter Masterフィナーレウェルター級/5分3R>
マイク・ブロンゾウリス(米国)
ジョー・リッグス(米国)

<フェザー級/5分3R>
マイク・リッチマン(米国)
アコップ・ステパーニャン(ロシア)

<ウェルター級/5分3R>
アレジャンドロ・ガルシア(米国)
クリスチアーノ・ソウザ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
クレバー・ルシアーノ(ブラジル)
ジョー・カマチョ(米国)

PR
PR

関連記事

Movie