【ADCC2013】-99kg級はアシス、+99kg級はブシェシャが優勝
19-20日(金~土・現地時間)、中国の北京でアブダビコンバットクラブ(ADCC)主催の世界サブミッション選手権が開催された。99キロ以下級はジョアオ・アシスが、99キロ以上級はブシェシャことマーカス・アルメイダが制し、両階級ともフレッシュが世界王者が誕生している。
【99キロ以下級】
優勝 ジョアオ・アシス(ブラジル)
準優勝 ディーン・リスター(米国)
3位 レオナルド・ノゲイラ(米国)
前回優勝のディーン・リスターは、今回も眠そうな顔で座り込んでは、やわらかく相手に組み付き、足を絡めては必殺のヒールフックを仕掛けてゆく戦いぶり。パスやマウントを許しても、慌てず騒がずエビで体勢を戻して、試合中親しげに相手に話しかけ、声を出して笑うこともしばしば。そんな、まるで道場のスパーリングを楽しむがごとき戦いを見せたリスターだが、必殺の足関節の威力は天下一品。近年はあまり極まるところが見られない外ヒールも、リスターはがっちりと足を絡めて相手を逃がさず、一瞬で極めてしまう。
そうして順当に勝ち上がって来たリスターと決勝で戦ったのは、チェックマットのジョアオ・アシス。この二人は去年も決勝で戦っており、その時はリスターが必殺のヒールで一本勝ちしている。アシスとしては雪辱戦となる。
<決勝>
ジョアオ・アシス (ブラジル)
Def.
ディーン・リスター(米国)
いつものようにシッティングガードから静かに相手に近づくリスターに対し、アシスは足を取られないように注意しながら戦う展開。ならばとリスターはアシスの体勢を崩してバックに付き、さらにそこから腕狙いを見せるがアシスはエスケープ。リスターはシッティングの他にハーフガードで足をからめての攻撃を試みるが、常に警戒するアシスはリスターに仕掛けを許さず、たまに離れてはパスを仕掛けてゆく。
加点時間帯に入ってから、リスターは自ら下になってしまいマイナスポイントを献上。シッティングガードから前進しようとするが、アシスはリスターの頭を抑えて距離を詰めさせない。リスターは一瞬の隙を突いて三角を仕掛けるも極まらず。残り時間僅かと鳴ったところで、リスターが、不用意にシッティングを取ろうと起き上がった瞬間にアシスがパスに成功する。さらに、うつ伏せになって逃れようとするリスターに対し、バック付いたアシスは、両足フックを完成させて点差を広げたところでタイムアップ。アシスが念願の初優勝を飾った。
なおこの階級には、日本の小沢幸康も参加したが、1回戦スウェーデンのミカエル・クヌートソンに背後からV1アームロックの要領で腕を極められ敗退している。
【99キロ以上級】
優勝 マーカス・アルメイダ(ブラジル)
準優勝 ガブリエル・ジ・オリヴェイラ(ブラジル)
3位 ホベルト・アベレウ(ブラジル)
前回覇者のヴィニー・マガリャエスは、米国のジャレド・ドップに敗れるという波乱が起った同階級。決勝はそのドップを倒したガブリエル・ジ・オリヴェイラと、ギありの柔術では現在世界最強の名を欲しいままにするブシェシャことマーカス・アルメイダの戦いなった。
そのブシェシャは2回戦で日本のシュレック関根秀樹と対戦。背負い投げで投げられる場面も見られたが、最後はトップからキムラロックを極めて一本勝ちしている。関根は1回戦、米国のロビー・ドノフリオに反り投げや支え釣り込み足といった投げでポイントを奪って勝利。最重量級における1回戦突破は快挙といえるだろう。
<決勝戦>
マーカス・アルメイダ
Def. ヒールフック
ガブリエル・ジ・オリヴェイラ
どちらが勝っても初優勝となるこの試合は、スタンドの攻防が続く展開に。ブシェシャが時折りテイクダウンを狙うが、オリヴェイラが防ぐ。やがてガードを取ったブシェシャは下から必殺の膝十字狙い。そこからアンクルに移行するが、これもオリヴェイラはディフェンス。しかし、ブシェシャは再び下からオリヴェイラの足を取ると、今度は外ヒールに。この仕掛けが極まってブシェシャが初優勝。今年度は、ムンジアルと合わせてギあり、ギ無しの双方の世界最高峰の舞台を制したこととなった。