【UFC FOX20】ブラジリアン・ムエタイ=オリヴェイラ×アメリカン・テコンドー=ムンタスリ
【写真】ムンタスリの蹴りの驚愕のハイスピードを誇る。このテコンドー流の蹴りをどこまでMMAに落とし込んでいるかが、オリヴェイラさんの行方を左右する(C)MMALANET
23日(土・現地時間)、イリノイ州シカゴのユナイテッドセンターでUFC on FOX 20「Holm vs Shevchenko」が開催される。同大会では最近の傾向にあるようにUFC Fight Passプレリミの最終試合で、興味深いマッチアップが組まれた。それがウェルター級のアレックス・オリヴェイラ×ジェイムス・ムンタスリの一戦だ。
オリヴェイラは2月にドナルド・セラーニとのカウボーイ対決で敗れて以来、5カ月振りの復帰戦となる。距離があるときは腰の位置が高く、ゆっくりとしたリズムで両足でジャンプをするようなステップを踏み、そこから196センチもあるリーチを生かしてジャブを伸ばす。
接近戦になると、腰を落としテイクダウンを考慮した構えから、真っ直ぐ系だけでなく、これでもかというほどの大外回りの左右のフックを得意としている。本当に大振りのパンチだが、しっかりと拳頭で相手の顔面、そして頭部を打ち抜いているのがオリヴェイラのフックの特徴だ。決して手首を返しているわけでもないパンチだが、遠心力で横Gが効いているかの如く、大きな威力を秘めている。さらに接近戦での首相撲もまた、オリヴェイラが得意とする攻撃だ。
一方、同じストライカーでもテコンドーがベースのムンタスリ。幼少期に習っていたというレベルでなく、2007年のパンナムゲームでは米国代表として出場し、銀メダルを獲得している本物のテコンドーの使い手だ。ムンタスリは対戦相手によって構えを変え、左右どちらが前足にあっても、テコンドー独特のピーンと体が伸び切るような姿勢で、前足の素早いローやミドルをスイッチなしでけることができる。
また、サウスポーの構えの時は空中で軸足を変える二段蹴りのような形で、捻りを加えた威力のある蹴りも見せてきた。このテコンドー流にムエタイを融合させ、ヒザ蹴りとの連携で相手を惑わし──首相撲からのヒザも多用している。ただし、動きの多さが災いしてかスタミナをロスするのが早いという欠点も併せ持つ。そして、上背のあるオリヴェイラとの対戦では首相撲は武器とはならず、逆にオリヴェイラの展開となってしまうだろう。
距離を詰められた時に真っ直ぐ下がる癖のあるムンタスリだが、オリヴェイラがリーチを生かした振り回し系のパンチで前に出てきた時、下がりながら効かせる蹴りを出すことができるか。前に出る時だけでなく、下がりつつ有効が攻撃を見せることが、ムンタスリを勝利に導く鍵となる。そんなブラジリアン・ムエタイ=オリヴェイラとアメリカン・テコンドー=ムンタスリの対戦だ。
■ UFC FOX20対戦カード
<女子バンタム級/5分3R>
ホーリー・ホルム(米国/2位)
ヴァレンチーナ・シェフチェンコ(ペルー/7位)
<ライト級/5分3R>
エジソン・バルボーサ(ブラジル/6位)
ギルバート・メレンデス(米国)
<ヘビー級/5分3R>
フランシス・ガヌー(カメルーン)
ボヤン・ミハイロビッチ(セルビア)
<女子ストロー級/5分3R>
フェリース・ヘリッグ(米国)
ケイリン・カーラン(米国)
<バンタム級/5分3R>
エディ・ワインランド(米国/15位)
フランキー・サエンツ(米国)
<フェザー級/5分3R>
ダレン・エルキンス(米国/12位)
ゴドフレイド・ペペイ(ブラジル)
<ウェルター級/5分3R>
カマル・ウスマン(米国)
アレキサンダー・ヤコブレフ(ロシア)
<ライト級/5分3R>
ミシェウ・プラゼレス(ブラジル)
JC・コトレル(米国)
<ウェルター級/5分3R>
アレックス・オリヴェイラ(ブラジル)
ジェイムス・ムンタスリ(米国)
<ウェルター級/5分3R>
ヘクター・アビーナ(米国)
ジョージ・サリバン(米国)
<フェザー級/5分3R>
ジム・エイラーズ(米国)
ジェイソン・ナイト(米国)
<ヘビー級/5分3R>
ルイス・エンリケ(ブラジル)
ドミトリー・スモリャコフ(ロシア)