【Ground Impact】東日本選手権の見どころ、GIの方向性を安井佑太代表に訊く
【写真】顎髭も勇ましい(??)Ground Impactを安井佑太IF-PROJEC代表 (C)TSUBASA ITO
19日(日)、東京・墨田区総合体育館で『Ground Impact東日本選手権2016』が開催される。日本ブラジリアン柔術連盟公認となるこの大会の歴史や意義、見どころを、大会を主催するIF-PROJECTの安井佑太代表に語ってもらった。
Text by Tsubasa Ito
5日の北日本選手権(北海道)、6月26日の西日本選手権(大阪)、8月7日の南日本選手権(福岡)など、全国各地で開催されているGround Impact。この東日本選手権は、時期的に7月の全日本選手権や全日本マスターズ選手権、全日本キッズ選手権の前哨戦という形となるため、関東地区を中心に猛者が集まる。では、Ground Impactはどのような目的で始まった大会なのか。安井代表はその歴史を次のように語る。
「もともと、大会を主催するIF-PROJECTは、日本ブラジリアン柔術連盟の浜島(邦明)理事が、ブラジリアン柔術の普及を目的に立ち上げた団体で、連盟の理事就任にともない、私が引き継ぎました。アマチュアのトーナメントは、2004年から開催しています。また、アマチュアの大会と並行して、プロ柔術と呼ばれるプロ興行も1、2年に一度のペースで開催しています。ですから、この東日本選手権などのアマチュアの大会は、プロ興行をやる時にオファーをかけさせていただくための選考会という目的もあります」
IF-PROJECTが昨年10月に開催したプロ柔術の大会『Ground Impact 2015』には、総合格闘技で活躍する五味隆典が参戦。グラップリングルールで細川顕と激闘を繰り広げたことは記憶に新しい。また、2013年の『Ground Impact REVIVAL』では、ヒカルド・デラヒーバ×中井祐樹というレジェンド同士の夢の顔合わせを実現させている。
「IF-PROJECT の『IF』はイフ、もしもですよね。もしも五味選手のような総合で一線を張っている選手と、柔術の黒帯の選手がグラップリングで戦ったらどうなるのかとか。普段では起こり得ない、そこでしか見られないような試合を組んで、お客様に喜んでいただきたいと思っています。基本的には、柔術の国内トップカテゴリーの選手を集めてワンマッチの大会をやったり、ノーギルールやグラップリングルールで、柔術の黒帯の選手と総合格闘技の有名な選手をぶつけたりとか、そういった内容になっています」
各種全日本選手権の前哨戦という見方の他に、いずれ開催されるプロ柔術の大会を見据える意味でも注目したい今大会。アダルト黒帯の体重別には、ライトフェザー級、フェザー級、ミドル級と3つのカテゴリーが並んだ。それぞれの見どころを安井代表はこう解説する。
「アダルト黒帯ライトフェザー級は、対照的なファイトスタイルの山田悦弘選手と宮地一裕選手に注目です。山田選手は下からのガードワークが得意で、ホレッタやラスト系のスイープなど、いわゆるモダン柔術に長けています。宮地選手はベーシックなブラジリアン柔術を軸に闘っていて、昨年の全日本選手権でも優勝しています。ふたりの試合が実現すれば、モダン柔術×古典的なブラジリアン柔術という好対照な戦いになると思います。
アダルト黒帯フェザー級の優勝候補は、大塚博明選手ですね。4月のジャパニーズナショナルでは、優勝した白木大輔選手に敗れはしましたが、終始パスガードをさせませんでした。技術の幅が広いだけではなく、フィジカルもとても強く、年齢が若いこともあり、今後も国内トップレベルとしてフェザー級をけん引していく選手だと思います。
アダルト黒帯ミドル級には、関西から伊東元喜選手が参戦します。チャールズ・ガスパー選手とのワンマッチという形になりましたが、ガスパー選手がどれだけ伊東選手をテクニックで翻弄できるか、それに対して伊東選手がベースを保ってポイントを奪えるか。おそらく、この試合は10分間フルタイムでの削り合い、スタミナが切れたほうが負けという持久戦になると予想します」
好勝負必至、様々な柔術絵巻が見られそうなGround Impact東日本選手権。IF-PROJECTの代表のみならず、ADCC ASIA Japan 日本支部代表、日本ブラジリアン柔術連盟サブディレクター、デラヒーバスポーツアカデミーインストラクターなど多様な肩書を持ち、日夜、ブラジリアン柔術普及に尽力する安井代表に、今大会に関わるすべての人へメッセージをもらった。
「大会に出場する選手は、ケガをしないように日頃の練習の成果を発揮してもらいたいと思います。ぜひお友だちも連れてきていただいて、熱い応援で大会を盛り上げてください。また、アダルト黒帯オープンクラスには、ヘビー級の関根“シュレック”秀樹選手も参戦します。熱いトーナメントになると思いますので、そういったところもチェックしていただいて、トップカテゴリーはすごいなと感じてもらえれば幸いです。スムーズで快適な大会運営を心がけていきますので、みなさん一日楽しく過ごしてください!」