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【UFN87】オランダ凱旋アリスター・オーフレイムが、アンドレイ・オルロフスキーを迎え撃つ

Alistir Overreem【写真】オランダで戦うのは2009年10月以来、6年7カ月振りとなるアリスター (C)MMAPLANET

8日(日・現地時間)、ロッテルダムのアホイ・ロッテルダムでUFCにとって初のオランダ大会=UFC Fight Night 87「Overeem vs Arlovski」が開催される。メインは大会名にある通り、ご当地ファイターのアリスター・オーフレイムがアンドレイ・オルロフスキーと対戦する。

両者揃ってジャクソン・ウィンクルジョンMMA所属のMMAファイター。同門対決ということも話題となっているが、これまでチーム対決に積極的でなかったファイターとは違い、彼らはいくつものジムを移り歩いた結果、現時点でジャクソン・ウィンクルジョンに辿り着いたに過ぎない。

将来を夢見て──共に汗を流した竹馬のチームメイトというわけではない。彼らにとってはたまたまトレーナーが同じ場所という意識が強いのではないだろう。それでも何かと難しい同門対越に臨むは、ヘビー級王座挑戦権を手にするためだ。

特にアリスターはステファン・シュトルーフ、ロイ・ネルソン、そしてジュニオール・ドスサントスと3連勝中で、2試合連続で元王者に勝利することで、タイトルコンテンダーとしての地位を確実なモノとしたい。

強い時は強い──ただし、精神的にも崩れると弱い。それがアリスターというファイターだった。よって積極的な打撃戦で優位に立っても、何かの拍子で形勢逆転されると盛り返すことができないままジリ貧となっていく。そんな姿をファンも幾度となく目にしてきた。そんなアリスターがジャクソン・ウィンクルジョンの下で戦うようになり、距離を生かし、角度&構えを変えて、最大限にローやミドルという蹴り技を生かして戦うようになった。

相手の攻撃を受けないようにステップ、サークリングを繰り返しつつ、思い切り左足を蹴り抜いて前足を破壊、あるいは腹を効かせる。動きが止まったところで首相撲からヒザ蹴りを生かしてパンチを打ち込む。それが今のアリスター・オーフレイムだ。

一方、オルロスキーは前回のスタイプ・ミオシッチ戦でUFC復帰以来、刻んできた連勝が4(通算5連勝)でストップした。Strikeforceや時代に露呈したアゴの弱さ。歴戦の勇者が陥ったダメージの蓄積により、彼はジャブでも意識が飛んでしまう典型的なグラスジョーの持ち主となってしまった。

ただし、WSOFに活躍の場を打ちし、UFCに復帰を果たすと──彼もまた相手に殴られない戦いで勝利を手にするようになっていた。以前は接近戦で強烈な右アッパーやストレートを打ち込んでいたが、最近では遠い位置から右ストレートを伸ばし、スナップを効かせる──あるいは押し込むような打ち方が多くなった。後者で相手のバランスを崩し、カウンターを打たせない。さらに態勢が崩れたところで、手首が返して拳を打ち込む。

それでもMMAで戦っている限り、パンチを受けることは当然あり、すぐに腰が落ちるというシーンも見せてきた。こうなるとオルロフスキーは伸るか反るかのような派手な打ち合いで勝負を賭ける。トラビス・ブラウン戦では功を奏したが、逆に手負いの状態で臨んだミオシッチ戦では一方的に押し切られ、その形にも持ち込めなかった。

一時期よりも回復傾向にあるオルロフスキーのグラスジョーだが、アリスターのガラスのハートと比較すると、以前症状は重いといわざるを得ないか。慎重に戦うなかで、より引き出しが多く、距離を遠く取れるのはアリスター。母国ファンの声援を見方につけることができるか、プレッシャーと感じてしまうか。この点もメインのヘビー級対決の鍵を握ってきそうだ。

■ UFN87対戦カード

<ヘビー級/5分5R>
アリスター・オーフレイム(オランダ/3位)
アンドレイ・オルロフスキー(ベラルーシ/5位)

<ヘビー級/5分3R>
ステファン・シュトルーフ(オランダ)
アントニオ・ペイザォン・シウバ(ブラジル/12位)

<ウェルター級/5分3R>
グンナー・ネルソン(アイスランド)
アルベルト・トメノフ(ロシア)

<女子バンタム級/5分3R>
ジャーメイン・デランダミー(オランダ/14位)
アンナ・エルモセ(デンマーク)

<ライトヘビー級/5分3R>
ニキータ・クリロフ(ウクライナ/14位)
フランシマール・バローゾ(ブラジル)

<女子ストロー級/5分3R>
カロリーナ・コバケビッチ(ポーランド/10位)
ヘザー・クラーク(米国)

<ライト級/5分3R>
クリス・ウェード(米国)
ルスタン・ハビロフ(ロシア)

<ミドル級/5分3R>
マグナス・セデンブラド(スウェーデン)
ギャリス・マクレラン(南アフリカ)

<ライト級/5分3R>
ニック・ハイン(ドイツ)
ジョン・タック(米国)

<ライト級/5分3R>
ヤン・カブラル(ブラジル)
レザ・マダディ(スウェーデン)

<フライ級/5分3R>
堀口恭司(日本/5位)
ニール・シーリー(アイルランド)

<ウェルター級/5分3R>
レオン・エドワーズ(英国)
ドミニク・ウォーターズ(米国)

<フライ級/5分3R>
ウィリー・ゲイツ(米国)
佐々木憂流迦(日本)

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