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【Shooto】宇野薫、戦い続ける理由<01> 「負けて悔しくなければやめる。そうやって20年やってきました」

Caol Uno【写真】1996年10月4日、桜井マッハ速人戦でデビューを果たしたプロ20年生の宇野薫。健全な精神は健全な身体に宿る──を地でいっているかのようだ(C)MMAPLANET

23日(土)に千葉県浦安市の舞浜アンフィシアターで開かれるプロフェッショナル修斗公式戦「MOBSTYLES Presents FIGHT&MOSH」に宇野薫が出場し、ファン・チョンホと対戦する。

当初の予定ではジェイソン・チルダースと戦う予定だった宇野。今大会の出場は昨年7月の大澤茂樹戦の敗北以来、8カ月振りの実戦復帰となる。来る5月には41歳を迎える宇野。そして、10月にはプロMMAデビューから20年となる総合格闘技界のパイオニアが今もケージに足を踏み入れ、戦い続ける理由とは何なのか──を試合前に訊かないわけにはいかなかった。

──昨年7月以来の試合を控えた宇野選手ですが、まずその7月の大澤茂樹戦でTKO負けした直後、どのように去就を考えていたかを教えてください。

「負けた後はいつも引退という選択は頭に過ぎります。引退する理由として、負けても悔しくなくなれば辞めようというのがあります。負けた直後というのは引退を考えるのですが、やはり悔しかったですし──時期的にはいつかっていうのは覚えていないですが、それほど時間が掛からずやるっていう方向に向かいました。単純に悔しかったので。そうやって20年やってきました(笑)」

──『悔しい』から続ける──それは分かりますが、やはり球技や陸上競技などではなく格闘技です。ダメージの蓄積を考えると、どこかで折り合いはつけないといけないという問題は誰もが抱えていると思います。

「ハイ。格闘技は危険を伴うものです。周囲から引退すべきという意見が多くなれば辞めるべきだと思います。それと大きなケガがあれば、続けたくても続けられないですし。それに続けるとしても、前の試合で感じた悔しさは次の試合で勝つまで払拭されないです。そこが続けている要因になっていると思います」

──ファイターは悔しくなくなったら辞めていくというのが宇野選手の考えのですね。

「僕は、ですよ。他の選手の気持ちは分からないので」

──確かに。悔しい、つまり勝ちたいから戦うという部分で前回の敗北から、どのような部分を強化してきましたか。

「それは言えないです(苦笑)。それを確かめるのが今回の試合なので。前の試合の敗因から、自分をどうしていくかという部分から取り掛かってきました。8カ月空いてしまいましたが、すぐに修正できるようなモノではないですし、試行錯誤しトライしてきました」

──トレーニングに関しては、カルペディエム三田での練習が加わったようですね。

「そうですね、基本はTEAM OTOKOGIとグランドスラムというのは変わらなくて……ロータス世田谷のYBTにもまた通うようになりました。カルペディエムは伊藤(健一)さんや岩崎(正寛)君たちと練習しています」

──岩崎選手とのトレーニングというのは凄く興味深いところです。どのような練習をしているのですが。

「そこも言えないです(笑)。まぁ、スキルアップですね。そうやって練習してきたことを自分のなかでどう消化していくか」

──ジェイソン・チルダース戦が決まったのは、いつ頃ですか(※取材後、対戦相手が変更)。

「対戦相手が決まったのは後になってのことでしたが、オファーというか4月に──という話は1月には貰っていました」

──動画を探してもキックしか見当たらなかったです。

「なかったですね。それはしょうがないです。自分がどういう風に戦わないといけないか──、それも相手次第にもなってくるのですが……。中村(ジュニア)戦にしてそうですし、大澤戦にしても負けた原因がいくつかあります。それを繰り返さないことですね。負けた理由は必ずあるので、そこを克服できるよう練習してきました」

──大澤戦に関しては珍しくカッとなって戦っていたように見えました。

「ハハハ、そうですね(苦笑)。そこはあると思います。そういうところ、自分の失敗というか……そこを出さないように戦うことですね」

──宇野選手に関して、最近はそのグッドシェイプと向上心を持ち続けることで称えられているケースが多いです。レジェンド、鉄人として認められるのは当然なのですが……。

「ハイ、分かっています。結果が大事です。MMAは日々進化していますが、そこに対して自分は成長できているのか。それを試合で出せないといけないと思っています」

<この項、続く>

■Shooto MOBSTYLES Presents FIGHT&MOSH 対戦カード

<修斗世界バンタム級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] 菅原雅顕(日本)
[挑戦者] 扇久保博正(日本)

<修斗世界ウェルター級(※70.3キロ)王座決定戦/5分5R>
松本光史(日本)
川名雄生(日本)

<ライト級(※65.8キロ)/5分3R>
斎藤裕(日本)
キム・ミンジェ(韓国)

<ライト級(※65.8キロ)/5分3R>
宇野薫(日本)
ファン・チョンホ(韓国)

<バンタム級(※56.7キロ)/5分3R>
ランボー宏輔(日本)
前田吉朗(日本)

<フェザー級(※61.2キロ)/5分3R>
土屋大喜(日本)
CORO(日本)

<ライト級(※65.8キロ)/5分3R>
高橋遼伍(日本)
内藤太尊(日本)

<ライト級(※65.8キロ)/5分2R>
美木航(日本)
青井人(日本)

<インフィニティリーグ・バンタム級(※56.7キロ)/5分2R>
オニボウズ(日本)
藤田寿大(日本)

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