【Pan BJJ】ミッドヘビー=怪物ロに立ち塞がるホミーニョ。激戦スーパーヘビーを制するのは?
【写真】鉄板のトレアドール、ニースライス・パスがホムロにも通じるか──レアンドロ・ロ(C)MMAPLANET
17日(木・現地時間)から20日(日・同)にかけてカリフォルニア州アーヴァインのブレン・イベントセンターにてIBJJF主催のブラジリアン柔術パン選手権が行われている。実に5日間もかけて開かれるこのイベントは、世界選手権に次ぐ規模のブラジリアン柔術大会だ。世界選手権への前哨戦ともいえ、多くの強豪が顔を揃えた同大会アダルト黒帯の部の見所──最終回は軽重量級から重量級の4階級を紹介したい。
【ミディアムヘビー級】
去年の世界大会のこの階級を制し、ライト、ミドルと合わせて驚異の3階級制覇を成し遂げたレアンドロ・ロ(N’s ブラザーフッド)がエントリー。以前、世界初公開のワームガードでロをまんま攻略して世界を震撼させたキーナン・コーネリアスが出場しないため、当然優勝候補大本命かと思いきや、今回は強力きわまりないライバルが参戦している。元世界王者のヴェテラン、ホムロ・バハウ(グレイシー・バッハ)だ。
近年はノーギに集中し、2013年にはADCC世界王者にも輝いてみせたバハウは、今年のヨーロピアン大会でギあり柔術にも復帰し、階級別&無差別ともに圧倒的な強さを見せつけている。ともに長い手足を活かした難攻不落のスパイダーガードと強烈なスイープを持ち、同時にトップからの攻撃力も抜群のロとバハウ。決勝で両雄の顔合わせが実現するならば、まさにファン垂涎の夢の対決と言えるだろう。
が、同階級には他にもヘナート・カルドッソ(アリアンシ)、タナー・ライス(アマゾナス)、マニュエル・ディアズ(ソウルファイターズ)、マテウス・ジニス(アリアンシ)ら強豪が参戦。彼らが二強のどちらかを食えば一躍世界に名を轟かすことになるだろう。
【ヘビー級】
11、12年の世界王者にして、昨年の本大会では一階級上のスーパーヘビー級で出場しチームメイトのべウナウド・ファリアとクローズアウトしたレオ・ノゲイラ(アリアンシ)がエントリー。重厚なトップゲームで連覇を狙う。
ノゲイラに立ちはだかるのが、2年前のワールドBJJエキスポでノゲイラに10-0で完勝したティム・スプリッグス(ロイド・アーヴィン)だ。こちらもレスリング仕込みのトップゲームに定評がある選手だけに、ノゲイラ戦が決勝で実現したら、まずはどちらが上を取るかが着目点となる。あるいは、どちらかがあえて下を選択しスイープを仕掛ける場面が見られる可能性もなくはないだろう。
【スーパーヘビー級】
昨年、凄まじい強さでパン大会と世界大会両方の階級別&無差別級を制覇し、(ホドウフォ・ヴィエイラが欠場し、ブシェシャことマーカス・アルメイダが負傷で脱落した世界における)地上最強の柔術家となったべウナウド・ファリア(アリアンシ)が参戦。下からハーフガードでスイープし、そのまま噛み付きパスに移行するという必殺パターンを破る選手はいるのだろうか?
その有力候補として挙げられるのは、危険なまでの極め力を持つルイス・パンザ(チェックマット)と、昨年のADCC世界大会88キロ級王者のユーリ・シモエス(ブラザCTA)、そして昨年茶帯にしてADCC大会無差別級で準優勝を果たしたジャレド・ドップ(ヒベイロ)か。動ける重量級が揃ったスーパーヘビー級、ミドル級と並んで最大激戦区といえるだろう。
【ウルトラヘビー級】
アトス総帥、アンドレ・ガウヴァオンが本来のミディアムヘビー級から3階級上げてのエントリー。一昨年のパン大会でもこの最重量級に参戦して見事に優勝を飾った闘将は、今年もチーム優勝を目指して体格差を超えた戦いに挑む。
ストップ・ザ・ガルバォンの最有力候補は、昨年の世界大会スーパーヘビー級準優勝にして、ADCC世界大会無差別級でも準優勝したガブリエル・ホシャ(ソウルファイターズ)か。さらに長身を活かしたガードに定評のあるアブラハム・マルテ(GFチーム)、昨年の茶帯世界王者アリー(ロイド・アーヴィン)も参戦する。