【PXC52】グアム2戦目、ジョシュ・アルバレスと対戦する村元友太郎 「経験値では負けていない」
【写真】上下をブルーで揃え、小麦色の肌と真っ白な歯。既にグアム仕様だった村元。活きが良い──この言葉がピッタリと当てはまった(C)MMAPLANET
18日(金・現地時間)、グアムのUOGカルボ・フィールド・ハウスで開催されるPXC 52。フライ級=クリサント・ピットピットンゲ×カイ・カラフンラスという南北太平洋地域屈指のフライ級のマッチアップやハワイMMA界のパイオニア、レイ・クーパーの息子レイ・クーパーJrが初参戦を果たす同大会には日本から大番℃- boy高明、SARAMI、村元友太郎が出場する。
村元は昨年12月大会にショートノーティスで出場し、絶対不利と予想されたシェーン・アルバレス戦で、スクランブル勝負に持ち込み堂々のスプリット判定勝ちを手にした。日本でもほとんど実績のない村元だが、若手の台頭が目立ってきたALIVEでの練習の成果を見せた形となった。
2度目のPXCは同じアルバレスでも、ONEに参戦しさらに高い次元で戦ってきたジョシュ・アルバレスとの対戦となった村元にその意気込みを訊いた。
──シェーン・アルバレスに続き、ジョシュ・アルバレスとアルバレスとの対戦が続く村元選手です。前回の試合は11勝2敗のシェーンと2勝1敗の村元選手、完全にアンダードッグでのグアム入りでした。
「失うモノは何もないので、1Rから全てを出し切るつもりで戦いました。当然、3Rには疲れてしまったのですが『絶対に自分が上を取って終わる』っていう気持ちでいきました。練習の時から悪いポジションで終わらない、上を取って終わるということは徹底していたので。両者スタンドだったら、テイクダウンして終わる──これを続けてきたので」
──つまり村元選手のMMAの軸にはテイクダウンがあると?
「ハイ。削って、削って、削って……だから、あの展開は僕にとっては自分の試合でもあったんです」
──ジムの政治的な事情もあるのでしょうが、ALIVEの若い選手は一つのプロモーションで実績を積み重ねていくのではなく、色々なプロモーションで試合をこなしています。村元選手もHEAT、WARDOG、TTF-Challengeで戦うなどいわば主戦場がない状況です。
「必要なのは勝つことなので、どこで戦おうが勝つこと。連勝すればPXCとか海外だけでなく、国内のプロモーションも僕のことを知ってくれる。団体よりも勝ってキャリアを積み重ねようと思っていました。ALIVEで練習していれば、絶対に力はつくので」
──PXC出場は、そのような状況下でスクランブル発進となりました。
「3週間ぐらい前のオファーでした。でも体重とか少し落とすだけで大丈夫なので」
──戦績の差は気にならなかったですか。
「もう、気にしないようにしました。でも(日沖)発さんや久米(鷹介)さんに映像を見てもらって『お前の良いところをぶつければ勝てるぞ』って言ってもらっていたので、良いところだけぶつけて戦おうと思いました」
──それがスクランブル戦に持ち込むことだった?
「スタンドでダラダラと戦っても、アッチの得意なところだし。相手の良いところを潰して、自分から入っていく。自分の良いところをぶつけるだけでした。でもPXCは会場の雰囲気とか最高です。僕が下になると盛り上がって。でも、返して動くと応援してもらえる。良い動きには応えてくれて、楽しんでくれるんですよね。凄く良かったです。
試合後は写真を撮ってほしいとか頼まれて、あんな経験は日本ではなかったです。空港の警備員さんにも、『おめでとう。試合見たよ』とか言われて。街を歩いている人がPXCを知っていて、選手をリスペクトしてくれる。レストランで飯を食っていても、サービスしてくれるし(笑)。本当に気持ち良かったです。進行がルーズなのも経験していると、もう気にならないようですし」
──12月の試合から3カ月後のオファーというのも良い感じですね。
「1月にオファーを貰っていたので、準備期間もバッチリですね」
──ではジョシュ・アルバレスの印象を教えてください。
「13勝のうち9勝が一本勝ちで、サブミッションが強いです。3勝がKO、判定勝ちは一つのフィニッシャーなんですけど、負ける時は判定負け。なので、僕は動き続けられることができるスタミナを作って、削って最後は極めたいと思います」
──前回同様、キャリアが豊富なことは?
「全く気にならないです。ここで練習している限りは」
──練習になると人が変わる日沖発リーダーがいますしね(笑)。
「もう最近はかわすことを学びました」
──日沖選手の攻めをかわすことができる? 凄いじゃないですか。
横で話を聞いていた久米鷹介──凄いな、教えてくれよ。
「いえ、上手くかわせるように……指導してくれているということなんです(汗)。日々の練習が、実戦のつもりでいます。試合と変わらない感覚でガッチリやっても大丈夫な発さん、久米さんがいてくれているので。だから試合数は少なくても経験値は負けていないって気持ちでいられるんです」
──なるほど。
「階級が近い同世代の選手も少なくないし、凄く良い雰囲気で練習できています。練習で褒められると、それが自信になりますし」
──では2度目のPXC、思い切りぶつかってきてください。
「ハイ、ありがとうございます。動き続けて、これだけ動けるのかっていう試合をしたいです。フライ級王座もあるし、PXCで結果を残し、日本人で名前のある強い選手と戻って来て──いきなり戦えるようになりたいです」
■PXC52対戦カード
<バンタム級/5分3R>
トレヴィン・ジョーンズ(グアム)
ジャレマイア・ラビアーノ(米国)
<ヘビー級/5分3R>
ロケ・マルチネス(グアム)
大番高明(日本)
<フェザー級/5分3R>
カイル・レジェス(グアム)
ローリー・オコネル(豪州)
<ライト級/5分3R>
タイロン・ジョーンズ(グアム)
レイ・クーパーJr(米国)
<フライ級/5分3R>
クリサント・ピットピットンゲ(フィリピン)
カイ・カラフランス(ニュージーランド)
<女子アトム級/5分3R>
テサ・シンプソン(グアム)
SARAMI(日本)
<バンタム級/5分3R>
エミリオ・ウルティア(米国)
シェーン・アルバレス(北マリアナ諸島)
<フライ級/5分3R>
ジョシュ・アルバレス(グアム)
村元友太郎(日本)
<フライ級/5分3R>
スコット・イクラヴェア(グアム)
ジョーダン・マングロナ(北マリアナ諸島)
<フェザー級/5分3R>
ロビン・イクラヴェア(グアム)
ホゼ・ラミレス(グアム)