【ONE38】朴光哲に『食』を尋ねる<03>「麺類は悪魔の食べ物。固形物は快楽物質」
【写真】マスクを脱いだマスクド・ヴィーガンが食について話をしてくれた(C)MMAPLANET
2月20日(土)、インドネシア・ジャカルタで行われたONE38でヴィンセント・ラトゥールに2R4分04用TKO勝ちを収めた朴光哲インタビュー第3弾。
今回はONEの新計量方法や試合に関してではなく、ヴィーガンの彼にズバリ『食』について話を訊いた。さらなる朴光哲ワールドへ、ようこそ。
<朴光哲インタビューPart.01はコチラから>
<朴光哲インタビューPart.02はコチラから>
──次の試合はもうロシア人かブラジル人、あるいはモンゴル人ファイターということですね。
「もう、当てられる相手と戦うだけですからね」
──朴光哲の時代が来たわけですし(笑)。試合とは関係のない話ですが、朴選手のようにノーイーター、そしてヴィーガンという道にはすすめそうにないですが、若いころのように強くない胃腸のためによく噛んで食べる。これは皆、実践できるんじゃないかと思うようになりました。
「おおフィフティー運動を始めましたか?(笑)」
──朝と昼、忙しい時は難しいのですが夜はご飯を口に入れると50回噛むようにしています。
「ついにこっちの世界に来始めましたねぇ(笑)」
──白米が噛めば噛むほど美味しいです。
「甘味が出てきますよね。それに食べる量が減りませんか?」
──よく噛んで満腹中枢が……という部分でなく、よく噛んでいる間に子供たちがどんどんオカズを食べるので、現実問題として食べる量は減っています(笑)。だから○○○○のおにぎりとか噛んでも、普段感じている旨味がなくてメチャクチャ怖いです。
「冷えたら固くなっちゃうから焚いていないんですよね。食感はご飯だけど、実際には何が入っているのか。偽物のようなモノと本物の区別がつかなくなって、バカ舌になる。喉越しを求めて、飲み込んでいると分からない部分って多いんですよ」
──野菜も噛めば噛むほど味を感じることができます。オリーブオイルと朴選手の反対するチーズもトッピングしていますが(笑)。
「オシャレに食っていますね(笑)。でもチーズは嗜好品だから──添加物。癖になるように作られているプロセスフードなんで。本当の味を添加物で補う、それを求めるとバカ舌になっちゃう。野菜は生野菜ですか?」
──朝は生野菜が多いです。夜は他のおかずによって変わってきます。
「健康の世界にようこそ(笑)」
──いや、でも肉も食べますしアイスクリームも食べていますから。
「でもね、生野菜の甘さを感じられるようになったら、舌がリセットされている証拠です。噛むことは重要ですよ。僕は朝と昼はナチュラル・ハイジーン。生食で火を通さない。火を通さない野菜は酵素が多いから。いわゆる酵素系ってヤツです」
──塩辛いのではなくて、スパイシーな食べ物も噛んでいる時間が長いとずっと舌が辛いままで汗が止まらなくなって、これは厳しいです(笑)。
「辛いモノも嗜好品なんですよ。食っているうちにもっと辛く、もっと辛いモノってなる。唐辛子なんて、昔は相当高価なものだから、そうなると金儲けにつながった人がいるんじゃないですか?」
──続いて、朴光哲・経済論ですね(笑)。
「ハハハ。でも継続は力なりです。何かのタイミングで面倒くさいって感じちゃったら終わってしまうんで」
──そういう部分では麺類は難しいです。
「喉越し系ですね(笑)。麺類は悪魔の食べ物です。喉を固形物が通過するときに、脳が快楽を覚える。固形物は快楽物質なんです。減量していると、口のなかでクチャクチャやって吐くんじゃなくて。でも喉を一回通して、それから吐くってケースもある。モデルとかでも──それで摂食障害になっちゃうんってパターンですけど、喉を通過させることで満足させているから。
だから、それを研究して喉に刺激を与えて満足感を得られるようなモノができれば、世界中に新しいダイエットだって広まりますよ」
──またまた経済学ですね(笑)。
「いや……でも、これは本当に言えることで年を取ったら食べ過ぎはしんどいですし、経済的にも良くないですからね。僕でしんどいんだから、髙島さんも55歳になったら、相当しんどいはずですよ」
──誰が55歳やねん(笑)。それほど遠くないですが……。
「ハハハハ。まぁ麺類だったら『このそば粉は……』とか、『この小麦はイタリア産の○○だな』って。そこまで楽しめぐらい噛めるようになるようにして(笑)。僕は小麦粉は摂らないですけど。とにかく腹いっぱいになるとダメ、眠くなる。肉体労働の人とか、昼とかにもガッツリと食べるじゃないですか。だから午後はもう眠くなる。
僕らも言ってみれば肉体労働だし。練習で眠くなっちゃうなんて絶対に非効率的だから、朝と昼に腹いっぱいにするようなことはない。だいたい、野生動物に肥満体ってないですからね。そんなことしていたら死んじゃうから。贅沢病なんですよ、皆。ただし、現代人は忙しいから早飯になっちゃうことも分かります」
──押忍、色々と勉強になりました。ありがとうございます。