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【ONE39】新計量方法について、マスクド・ヴィーガンに尋ねる<02>「違うステージにMMAは進む」

Kotetsu Boku【写真】『俺の時代が来たってこと』とマスクド・ヴィーガンはマスクの裏で笑みを浮かべていた (C)MMAPLANET

2月20日(土)、インドネシア・ジャカルタで行われたONE39でヴィンセント・ラトゥールに2R4分04用TKO勝ちを収めた朴光哲インタビュー第2弾。

「減量競技の人間は実はベスト体重を知らない」──ONEの新計量方法、そして通常体重制のファイト=新しい概念のMMAに関して、朴光哲の舌はさらに滑らかになっていった。
<朴光哲インタビューPart.01はコチラから>

──ベスト体重を知らない……興味深いです。

「サッカーとか減量のないスポーツって、自分が何キロだと調子が良いかってあるんです。でも減量が必要なファイターって、多くの選手が試合がないときは大きくなって、試合の時に落として、計量後にひたすらリカバリーする。リカバリーは戻れば戻るほど良いって感じなってしまう。

自分の体重が何キロだったら良いのか──ではなくて、毎回のように戻せた体重が違い、『今回は5キロだ』とか『7キロ戻った』って同じ選手が言っている。でも当日計量で71・5キロで戦うなら、普段から71・5キロで練習して動けるようにしていくのがアスリート。だからONEの新しい計量方法は無駄に大きくする、無駄に戻すという観念がなくなっていくと思います」

──つまり普段からグッドシェイプを維持すると選手が増えてくるということですね。

「絶対的に、です。1日あるとリカバリーしていく方向になるのが、当日計量だとやっぱりそうはいかないから」

──ノーマルの体重で戦っていくなら、今のMMAの階級は体重差が大きいと思います。どこかに合わせるというのではなくて、自分が軸となるなら、4キロ、5キロ、7キロで刻むって体格差が大きくないですか。

「一理あると思います。ボクシングも減量競技だし、商業的にチャンピオンを増やす目的もあるのでしょうが、もう少し小刻みになっていくことも考えられますよね」

──当日計量はストレスになったりしませんか。

「だってアマチュア修斗の時なんて、減量して朝に体重を測って、そのまま3試合とか4試合とか戦っていましたからね。そういうのを思い出して、ストレスにならないようにしました。もう大昔の記憶ですけど(笑)」

──今後ONEでは70.3キロがフェザー級になるようですが、これはチャンピオンも含めシャッフルがあるかもしれないですよね。エウベウ・バーンズなんて、現状では70.3キロが通常体重とは思えない。まぁ、普段の体重をこの間に落としていることも考えられますが。

「そうでしょうね。チャンピオンも含め、階級が変わる選手も出てくると思います。当日計量だったら、自分の本当のベスト体重を探りに行くだろうし。普段は大き目の選手が、実は大きい方が動けているのかもしれない。体重を下げて、リカバリーしてっていう風潮がなくなると、新しいモノが見えてくるでしょう。

試合で有利になると思い懸命に減量して、リカバリーしていた選手は通常体重を下げるか、あるいは階級を上げるしかない。リカバリー競争から、違うステージにMMAは進むんですよ」

──実際に56キロのフライ級で戦っていたフィリピン人選手が、バンタム級という名の65.8キロで実際に戦い始めましたしね。

「自分の場合は70.3キロで問題ないですけど、例えば矢地(祐介)がONEに出たら──今のままだと77キロになるでしょうしね(笑)。MMAの概念が変わってくるでしょう」

──リングかケージか、そしてエルボーやサッカーボールキックの有無と同様に、あるいはそれ以上にONEの階級はMMAと一括りでいえない状況を生み出すかもしれないですね。

「そう、MMAが球技みたいなもんで。リング、階級でそれぞれ違うスポーツになる。でもカリフォルニア州で尿検査を取り入れるっていう話も起こって来たし、何年後かにはONEのやり方が世界標準になるかもしれないです」

──今はONE限定なのですが、通常体重制度となってきた場合、胃袋活性化運動で普段からグッドシェイプを保ってきたヴィーガン・ファイターの朴選手にとって、優位性が失われるのではないですか。

「俺のアドバンテージは、そんなもんじゃないです。もっとイッちゃってますから。取材で口にすると引かれちゃうから言えないけど。でも、これまで大きくしていた時間を技術やスタミナに割けるようになって、皆コンディションが上がるんじゃないでしょうか。だからってパワートレーニングを止める必要もないし。とにかく試合前の減量の負担が減ると、動きは良くなると思います」

──一つ現実的な点なのですが、以前のようにONEでの試合間隔が空いてしまった場合、昨年5月にパンクラスで戦ったように他のプロモーションで試合をする。その時はフェザー級で戦うなら65キロにしないといけないわけですよね。それともライト級で戦うことになるのでしょうか。

「そりゃあ、もちろん65・8キロまで落として、リカバリーして戦います。普段から70.3キロをキープしていれば3日もあれば65・8キロには落ちますから。最後に水抜きがあって、前日計量だと問題ないです。そういうことッスよ。

自分は呼ばれて出る側だから。主催者がやれって決めたことに従うだけです。そのなかで良いパフォーマンスを見せる。競技としておかしいなんて言ってもしょうがない。それが込み込みでファイトマネーを払ってもらっているから。でも新しい計量システム、階級の概念は俺の時代が来たってことッスよ(笑)」

──そう……なのですね(笑)。さすがは3連勝中、階級がシャッフルされないとして、次はどの辺りと戦う腹積もりですか。

「なんかまぁ、ONEからも次は強いの当てるよとは言われています」

<この項、続く>

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