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【ONE39】新計量方法について、マスクド・ヴィーガンに尋ねる<01>「選手はベスト体重を知らない」

Kotetsu Boku【写真】入場時に被っていたマスク着用、誰だか分からない……(C)MMAPLANET

2月20日(土)、インドネシア・ジャカルタで行われたONE39でヴィンセント・ラトゥールに2R4分04秒TKO勝ちを収めた朴光哲。

これでフェザー級転向後3連勝とした朴に、ONEの新計量方法について尋ねた。ヴィーガン・ファイターとして知られる朴らしい、含蓄に溢れる言葉が次々と聞かれたインタビュー、その序章から。

──巷では少し格下の選手に異様に強いという評判の朴光哲選手です(笑)。

「ハハハ。オーバーロールの時はリーチが短い相手には強いということで、今回は格下ですか。いつもありがとうございます」

──完勝だったのですが、開始早々に足を滑らせ顔面に蹴りを受けそうになった時はヒヤッとしました。

「何か試合の1週間ぐらいまで調子も良かったのに、試合前のアップとかで体を動かすと、バランスが凄く悪くて……ちょっと焦って試合に入ってしまっていました。案の定、試合が始まってもバランスが悪い。相手がアレだったので助かったといえば助かりました」

──他の試合を見ていても、足を滑らせる選手が少なくなかったような感じがします。

「う~ん、でも自分の問題です。自分の集中力の。集中はしているんだけど、これまでの試合……前のシンガポールの試合とかと比べると全然ダメでした。重心というかバランスが……」

──何が要因でしょうか……。

「目先の金勘定ですかね(笑)。取らぬ狸の皮算用です」

──ハハハハ。最近、羽振りが良くなって中国地方へ頻繁に出掛けていると聞きます(笑)。

「いえいえいえ、でも今週末も行ってきます。ノーフィーチャーとか言っていながら……。でも、悪いは悪いなりに勝てました。練習でシステム化され、オートマチックにできていた動きができなくなって。そこでパニックに陥らなかったことが良かったです。そういう瞬間もあったり、集中力がちょっと落ちていました」

──目先のお金で……。やっぱりファイトマネーが良いので(笑)。

「所詮、泡銭だって分かっているんですけど、0.Xパーセントとかで動きに出ちゃいましたね」

──それが小さな幸せの反動だと……。

「いやいや、そういうんじゃないですけど……そうですね、もっとノー・フューチャーを追及しないと」

──ONEで2連勝、通算3連勝なのですがONEの階級が変わりました。普段から体重を増やさない派の朴選手にはどのような影響があるでしょうか。これまでフェザー級で戦って来た朴選手が、今回はライト級で戦ってきたラトゥールと71・5キロ契約で試合をしました。通常体重から階級を振り分けるようになったONEということを考えると、ラトゥールは通常体重が低いライト級だったということでしょうか。

「でも減量が辛そうでしたよ。僕的には当日計量で70.3キロは越えたくなかったんです。自分は普段は72キロで。あっちはだから契約体重で72キロと言ってきたので、こっちは70.3キロだって言って、彼の要求は飲めないと伝えました。なら71・5キロ契約でやろうということになりました」

──つまり朴選手はユニファイドのライト級で戦いたかったということですね。しかし、これまでの基準を考えると、ONEの階級がどうなっているのか本当に分からなくなってきました。コールの時に読まれる体重はいつ測ったモノなのですか。

「試合の日の午後1時とか2時。大会の6時間ぐらい前のモノですね。当日計量があっても、それぐらいの時間はあるし水抜きは1キロや2キロはやっているんだろうなって思っていたんです。でも、現地に行ったら毎日、尿検(※尿検査=尿比重)があって体重を測ります。だから水抜きもできない。

ジャカルタに着いた時、僕は400グラム・オーバーぐらいだったんです。で、相手が1キロか2キロほどオーバーしている。他の大会なら余裕だけど、尿検査で引っ掛かると試合ができないかもしれない、それが不安でした」

──ただ、尿比重は1.020というONEが定めた基準をオーバーしていてもドクターの許可があれば試合はできるという抜け道が存在しますね。

「そう、それを現地に行くまで知らなかったので、相手のせいで試合がなくなったらどうしようってことばっか考えていたんです。自分自身、1キロぐらい水抜きで落とせるって思っていたぐらいだし、尿検査のことは分かっていなかったです」

──尿比重が上回ると、水を飲んで浸透圧で通常の体に近い状態に戻す。でも体重が増えるということで、選手達も本当に頭を抱えているとも聞きました。

「時間をかければ尿比重も通常になり、体重も落ちていくとは思います。乾いていると、やっぱり戻ります」

──しかし、ONEで戦う選手は他の大会で戦う選手とは全く違ったプロセスで試合をすることになるのですね。

「そうですね。通常体重の報告を何だかんだと言っても低く見積もっていますし。それに普段75キロあるフェザー級の選手は、65キロまで落とさないで良いって余裕ぶっこいちゃうんです。ONEのシステムになって改めて感じたのは、減量競技でやっている人間は、実は自分のベスト体重を知らないってことだったんです」

<この項、続く>

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