【UFC163】絶対王者化進むアルドに、スマート・ゾンビは返上か
【写真】王座奪取にはいざとなったときの乱打戦ではなく、最初から乱打戦でアルドのペースを狂わせ、5R持つスタミナが要求されるジョン・チャンソン(C)MMAPLANET
8月3日(土・現地時間)、ブラジルはリオデジャネイロのHSBCアリーナで、UFC163「Aldo vs Korean Zombie」が開催される。メインは大会タイトルにある通り、コリアンゾンビことジョン・チャンソンが、UFC世界フェザー級王者ジョゼ・アルドに挑む一戦だ。
UFC王座になって5度目、WEC時代から通算すると7度目の防衛戦となるアルド。今年の2月には前ライト級世界王者フランキー・エドガーを破っており、絶対王者化が進んでいる。昨年来、アルド自ら、あるいは挑戦者の負傷など日程、カードの変更が続いていたフェザー級世界戦だが、今回も当初の予定ではアンソニー・ペティスがチャレンジャーだった。結果的に8月31日に世界ライト級王座に挑むことになったペティスは、足の負傷でアルドへのチャンレジを回避し、ジョン・チャンソンに挑戦権が巡ってきた。
ジョン・チャンソンも本来7月6日のUFC162でリカルド・ラマスと戦う予定だったが、ペティス・フェードアウトを受け、王者の地元リオデジャネイロでアルドと対戦することとなった。エドガー戦では、テイクダウンされることを避けるために、得意のローキックを封印してなお、打撃戦でエドガーを上回ったアルド。今回の試合では、エドガーほど打撃からテイクダウンの流れを警戒する必要なく、ローキックをガンガンと入れてくるだろう。
ジョン・チャンソンはこの試合が実に15カ月振りの実戦という不安要素がある。しかも、この間にKTTを離れ、自らのジムをビジネスパートナーとともに作り、チーム・コリアンゾンビとしても、この世界戦が初陣となる。KTTからは、イ・ユンジュン以外のチームメイトの移籍はなく、ソ・ドゥオンやカン・ギョンホら韓国軽量級勢らとトレーニングを積む状態にある。一説によると、ラマス戦前には川尻達也にもスパーリング・パートナーの要請をしていたジョン・チャンソン。体も随分と大きくなったようだが、心配されるのは尻を叩く指導者が不在という点だ。
韓国MMA界随一の厳しさを誇るKTTでなくても、韓国のMMAジムは監督と呼称される指導者を置くケースが多く、それらの監督は強烈なリーダーシップを発揮するケースも少なくない。そこで軋轢を生むケース当然あるが、指導者がいなくなったジョン・チャンソンがどのように自分を追い込むことができたのかも気になるところだ。
試合展開を予想すると、アルドがローで削ることが第一に予想されるが、ジョン・チャンソンは打撃のプレッシャーを受けて下がるということはないだろう。もちろん、結果的には打撃でダメージを受けることも考えられるが、とにかくジョン・チャンソンはガムシャラになろうと仕掛けていくに違いない。そのような展開になったとき、乱打戦というこれまでにもありそうでなかった試合展開に対し、アルドがどのような対応を見せることができるか。スマート・ゾンビになり、無茶な殴り合い、打撃の攻防は控えると公言しているジョン・チャンソンだが、この世界戦だけは、そこに望みを掛け、かつ5R動けるスタミナが必要になりそうだ。
■UFC163「Aldo vs Korean Zombie」対戦カード
<UFC世界フェザー級選手権試合/5分5R>
ジョゼ・アルド(ブラジル/王者)
ジョン・チャンソン(韓国/5位)
<ライトヘビー級/5分3R>
リョート・マチダ(ブラジル/1位)
フィル・デイビス(米国/7位)
<ミドル級/5分3R>
セザー・フェレイラ(ブラジル)
チアゴ・サントス(ブラジル)
<ミドル級/5分3R>
ターレス・レイチ(ブラジル)
トム・ワトソン(英国)
<フライ級/5分3R>
ジョン・リネケル(ブラジル/7位)
ジョゼ・マリア(ブラジル)
<ライトヘビー級/5分3R>
ヴィニシウス・マガリャエス(ブラジル)
アンソニー・ペロシュ(豪州)
<女子バンタム級/5分3R>
アマンダ・ヌネス(ブラジル/7位)
シーラ・ガフ(ドイツ/10位)
<ウェルター級/5分3R>
セルジオ・モラエス(ブラジル)
ニール・マグニー(米国)
<フライ級/5分3R>
イアン・マッコール(米国/3位)
イリアルディ・サントス(ブラジル)
<フェザー級/5分3R>
ハニ・ヤヒーラ(ブラジル)
ジョシュ・クロプトン(米国)
<ライトヘビー級/5分3R>
エジナウド・オリベイラ(ブラジル)
フランシマール・バローゾ(ブラジル)
<ウェルター級/5分3R>
ヴィスカーディ・アンドラーデ(米国)
ブリストル・マルンデ(ブラジル)