【UFC194】「別次元のトップコントロール」──ロックホールドがワイドマン倒し、新世界ミドル級王者に
<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
ルーク・ロックホールド(米国/1位)
Def.4R3分12秒by TKO
クリス・ワイドマン(米国)
チャンピオンの右ハイで試合がスタート。ブロックしたロックホールドが左ローを返す。前に出たワイドマン、ロックホールドは左フックの振りが大きくバランスを崩しバックを許す。飛び乗ってバックマウントを取ったワイドマンがパンチを入れるも、前方に振り落されそうに。マットに手をつき、ギロチン狙いからバックキープを試みたワイドマンは、結局ケージを背にして下に落ちずに向かい合う。テイクダウンを仕掛けバックコントロールのワイドマンが後方からヒザ蹴りと、序盤のペースを握る。
胸を合わせたロックホールドだが、右エルボーを被弾。続くテイクダウン狙いにロックホールドがギロチンも、ワイドマンは抱えられている頭と逆方向から抑えに。サイドを取られ、頭を抱えて防御状態のロックホールドは時間の経過を待つ。残り40秒でブレイクが掛かり、ロックホールドは左ミドルを決め左ハイ。ワイドマンのテイクダウン狙いにギロチンからチャレンジャーがトップを奪取する。ケージに詰めたロックホールドの胸をワイドマンが蹴り上げたところで初回が終了した。
2R、ワイドマンがスイッチして左ストレート。ここに右フックを入れたロックホールドは連打から、左ミドルを突き刺す。ワイドマンも右ミドルを返すが、挑戦者は左ローから左ミドルを再び入れていく。ワイドマンも右ミドル、ロックホールドは左ハイと蹴り合いが続く。左ミドルを嫌がったか、サウスポーに構えたワイドマンは、オーソに戻してボディロックへ。
離れたロックホールドがすかさず左ミドル。続いて左ハイから左ローと蹴りを続ける。チャレンジャーの右フックに組みついたワイドマンだが、左ヒザをボディに受けて離れる。ロックホールドは蹴りから右エルボーを打ち込む。左フックから前に出るワイドマンにロックホールドが右ボディを決める。左ミドルを続けるロックホールドは右ローを受け流し、パンチを避けて右ジャブを伸ばす。ブラジリアンキックのチャレンジャー、これをかわしたワイドマンが右ミドルを入れる。効かされたロックホールドは、一瞬背中を見せて距離を取り直した。消耗が目立つ両者、2Rはロックホールドが取ったか。
3R、ミドルを蹴り合った両者。より疲れているのはロックホールドか。前に出てチャンピオンが組みつくが、すぐに離れる。ワイドマンは右ミドルと右ローを軽く入れ、右フックへ。右を返したロックホールドに、ワイドマンは左を顔面に打ち込み、続いてテイクダウンを奪う。ケージを背にして立ち上がったロックホールドだが、さらにスタミナを失ったか。左を連続で伸ばすワイドマンに対し、ロックホールドは左ミドルから左ストレート。さらに左ストレート&右を入れていく。ワイドマンは右ミドルを返し、ロックホールドの顔色が変わる。
そのチャレンジャーが左から右を放つと、ワイドマンが右ミドルから右ハイ、続いて後ろ回し蹴りを見せる。ここで組み付いたロックホールドがテイクダウンからバックマウントへ。RNCを逃げた王者からマウントを奪ったロックホールドがパンチからエルボーを打ち込む。顔面がガードで固めるワイドマンにパンチを連打すると、エルボーへ移行。さらにパンチを連打し右エルボーを落とす。左のエルボーに切り替え、左右のパンチを入れるがレフェリーは試合を止めない。殴られるままのワイドマンはタイムに救われた。
4R、左ミドルから組み付いたロックホールドがテイクダウンを仕掛ける。金網を掴んだように見えたワイドマンが、ケージ際で耐えているが、ボディロックから引き抜かれるように背中をマットにつかされる。右エルボーをハーフから落とすチャレンジャーが、フルガードに戻されても引き続き右のパンチを流血のチャンピオンに見舞う。立ち上がって足を捌きつつエルボーを落としたロックホールドがパス。エルボーを落とし、マウントを狙う。
懸命に足を入れるワイドマンだが、ニアマウントでパンチを被弾し続けると、ついにレフェリーが試合をストップ。新UFC世界ミドル級王者はマットに大の字になり、ダニエル・コーミエー&ケイン・ヴェラスケス、そしてハビエル・メンデスと抱き合い涙を浮かべた。
「本当に信じられない。もう2度とできないよ。本当に疲れた。僕のトップコントロールが別次元だと分かってもらえただろう。3Rはストップしてほしかったけど、またやるだけだった。そしてベルトを巻けたんだ」とロックホールドが語り、「家に戻って愛する家族に会う。また戻ってくる」と元チャンピオンは話した。