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【WSOF24】岡見を破ったジョン・フィッチ<02>「ウェルター級ベストはベン・アスクレン」

JonFitch【写真】岡見を破ったフィッチは、UFC復帰を目指さない。ファイターの権利を訴えている(C)KIETH MILLS

10月17日のWSOF24「Fitch vs Okami」で岡見勇進に判定勝ちを収めたジョン・フィッチ・インタビュー後編。WSOFで頂点を目指す現状に続き話題は──UFCを訴えた原告13人のファイターの一人として、今後の業界のあり方に及んだ。
Text by Keith Mills

<ジョン・フィッチ インタビューPart.01はコチラから>

──ところで昨年、ジョンが敗れたホウジマール・トキーニョはタップ後も攻撃するという悪癖を繰り返し、王座剥奪&出場停止処分が下り、君とジェイク・シールズの間で新しいチャンピオンの座を争うことになったけど。

「空位の王座を賭けてジェイクと戦えることを光栄に思っているよ。良いマッチアップだ。トキーニョに関しては、本当に素晴らしい極めの強さを持っているにも関わらず、何度も繰り返し過ちを犯している。彼のためにもコミッションは、もっと早くペナルティを課すべきだった。今回の動きは少し遅かったと思う」

──自分に勝った相手がベルトを剥奪されたことについては?

「あまり過去のことは拘らないようにしている。敗北は自分を成長するための糧にしているだけで」

──もう頭のなかはジェイクとの対戦で占められているということだね。

「ジェイク・シールズはほんとうにタフなグラップラーだ。以前は一緒に練習していたし、彼の強さは分かっている。厳しい戦いになるだろうけど、相性が良い相手でもある。ジェイクと同じように僕もしっかりと柔術を身に着けているし、打撃もできる。どう戦うかは、ちゃんと考えているよ」

──どのような練習を一緒にしていた?

「寝技もそうだし、スパーもやった。本当に良い練習相手だから、いつも肌を合わせてハードに練習していたよ。彼は本当に強いんだ」

──WSOFのタイトル戦を戦うことを光栄だと言ったけど、ジョンは既にUFCでGSPを始め多くのビッグネームと戦ってきた。君にとってWSOFのタイトルはどのような価値があるのだろうか。

「WSOFは自分の力がタイトルを戦うのに相応しいと評価してくれた。彼らがそういう風に買ってくれたことは、非常に喜ばしいことだ。だから、しっかりと良い試合をしたいと思っている。自分を限界まで追い込んで、タイトルを取りたい」

──多くのWSOFと契約しているファイターが、ここで結果を残しUFCと契約することを望んでいると思うけど、今、ジョンがWSOFで戦う理由は?

「このスポーツは常に成長しているし、何もUFCだけが良い試合をファンに見せているわけじゃない。確かUFCがこのスポーツのマーケットの多くを握っている。でも、優れたファイターの数は決して少なくない。そして、優秀なファイター全てがUFCと契約しているわけでもない。ただね、フリーエージェントになるまでのUFCとの契約期間が長すぎるんだ。でも、そういう話は止しておくよ」

──それはUFCを相手に訴訟している13人の一人だからかい?

「そうだね。今も続いていることだし、ちょうど証拠開示手手続きの最中で順調にコトは運んでいる。裁判が終わった頃には、もっとフリーエージェント制が進んでいればと期待している。一つの組織が多くのタレントを束縛することは、望ましい事態じゃないからね」

──そんな立場にいるなら、UFC復帰など考えられないね。ではジェイクとの世界戦はジョンにとって最終ゴール、それともステップアップするために試合、どちらなのだろうか。

「本当に正直に言えば、UFCには最高のウェルター級ファイターはいない。ベン・アスクレンがベストのウェルター級ファイターだ。UFCがウェルター級を制圧しているような印象を与えるけど、それは選手層の問題。この選手に勝てば、認められるというファイターをUFCは長い間支配下選手とし、他で戦えないようにしているんだよ」

──なるほど。ではジェイク・シールズ戦に向けて、どのような準備をしているんだい。

「まだキャンプには入ってない。サンノゼのAKAにどんな面子がいるかにもよってくる。試合は2月の終わり頃になりそうだから11月中にはキャンプをスタートさせたい」

──ジョン、今日はありがとう。最後に何か言いたいことは?

「このスポーツにプロモーションの競争は欠かせない。スコット・コーカー体制になってBellatorはとても良くなった。そして、MMAが大きくなればなるほど入口の数だった増える。そうなればMMAに関わる仕事も増え、ファイターを取り巻く状況もより良いモノになるだろう」

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