【No-Gi Worlds 2015】LF級でジョアオ・ミヤオが裁定覆り優勝、ルースターで本間祐輔は準優勝
【写真】ギリギリの勝負で敗れる印象が強かったジョアオが、ギリギリの勝負で勝ちきった (C)IBJJF
7、8日(土、日・現地時間)、カリフォルニア州ロングビーチ州立大学内のピラミッドにて、IBJJF主催の世界ノーギ柔術選手権が行われた。ADCCと並んでノーギ・グラップリングの最高峰の舞台といえるこの大会、今年も注目すべき強豪が多数エントリーして、激戦を繰り広げた。アダルト男子黒帯各階級決勝戦の模様を、まずは軽量級3階級から紹介したい。
<ルースター級決勝/10分1R>
カイオ・テハ(ブラザCTA)
Def. by バハトプラッタ
本間祐輔(カルペディエム)
大舞台に久々登場の日本最軽量級の第一人者、本間は見事に決勝に進出。7年連続でこの大会を制している大本命のテハと激突した。
試合開始早々にタックルからすぐにハーフに引き込んだテハは、すぐにクローズドガードに移行すると同時に、右手で本間の左手首を抑えつつ、本間の左手を右足で超えてあっという間に三角の体勢に──と思いきや、すぐに本間の右腕に標的を定め、右肘裏に自らの左腕を外からこじ入れると、自らの右腿をグリップしながら右肩を極めるバハトプラッタへ。これは以前柔術エキスポでナム・ファンを下した技だ。
前転してプレッシャーを緩めようとする本間だが、テハはその動きについて行きさらに絞る。さらに前転を重ねる本間だが、テハはそのたびに追ってゆき逃がさない。角度を付けて本間の右腕を捻り上げて肩を極めると、本間がタップ。帝王のテハが本間に何もさせずに圧巻の極めの強さを見せつけ、本大会驚愕の8連覇を果たした。
<ライトフェザー級決勝/10分1R>
ジョアオ・ミヤオ(シセロ・コスタ)
Def. by 8-6
サミール・シャントレ(サミール・シャントレ)
延々とダブルガードからの足関合戦や50/50等、いわゆるモダン柔術の攻防が続いたこの試合。序盤に50/50から上を取って先制点を奪ったミヤオは、そこからアンクル合戦に持ち込み、転がって場外ブレイクの奪取に成功。つまり、ミヤオが2点リード(ただしアドバンテージはシャントレがリード)した状態でスタンド再開となった。
その後も両者はいわゆるモダンの攻防で加点やマイナス点を重ねてゆき、試合はミヤオリードのまま終盤へ。点が欲しいシャントレは、ダブルガードからミヤオの足を持って立ち上がるが、ミヤオも片足で立つ。シャントレは軸足を払ってテイクダウン。ミヤオもすかさずスクランブルで立つが、シャントレは背後に。これで8-8の同点、アドバンテージでシャントレがリード、と思いきや、動き続ける両者を見てレフェリーはポイントを撤回、シャントレのテイクダウンはアドバンテージ止まりとなり、試合終了。逆転勝ちを信じたシャントレはスコアボードを見て呆然。両手を合わせて判定の再変更を祈るものの、叶わずじまいに終わった。
序盤では点を取った時点でブレイクに持ち込んだ方が優位になり、その後は似たような攻防が延々と続くものの、最後の数十秒は両者必死になりアクションが生まれる。モダン柔術のプロトタイプのような試合だった。
<フェザー級決勝/10分1R>
アウグスト・メンデス(ソウルファイターズ)
Closed out
オズワウド・モイジーニョ(グレイシーファイター)
ケイシーニョことオズワウド・モイジーニョは準決勝で優勝候補のパウロ・ミヤオと対戦。下になった方が相手を返すシーソー合戦となったが、最初に引き込んだ際にミヤオがダブルガードではなくあえて上攻めを選択してくれたことと、一度ニアスイープでアドバンを得たことが幸いして常に試合をリード。最後はミヤオの強引な攻撃に乗じてアドバンを追加して勝利。同じく準決勝で新鋭ジャンニ・グリッポを2-0下したタンキーニョことアウグスト・メンデスとの決戦に駒を進めた。
しかし、もともとソウルファイターズに所属し、タンキーニョから黒帯を貰ったモイジーニョは元師に勝利を譲ることを選択。所属道場は異なりながら、優勝シェアという形になった。
■リザルト
【ルースター級】
1位 カイオ・テハ(ブラジル)
2位 本間祐輔(日本)
3位 レオナルド・エスコバル(ブラジル)
3位 ジョルジ・サンチスティバン(ブラジル)
【ライトフェザー級】
1位 ジョアオ・ミヤオ(ブラジル)
2位 サミール・シャントレ(ブラジル)
3位 トーマス・リスボア(ブラジル)
3位 ハファエル・フレイタス(ブラジル)
【フェザー級】
1位 アウグスト・メンデス(ブラジル)
2位 オズワウド・モイジーニョ(ブラジル)
3位 ジャンニ・グリッポ(米国)
3位 パウロ・ミヤオ(ブラジル)