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【Interview】東京出稽古中の日沖発、『TV解説』を語る

2013.06.08

Hioki in Lotus

【写真】ロータス世田谷のYTTプロ練習で汗を流す日沖発。日沖の解説には「なるほど」が詰まっている (C)MMAPLANET

7日(金)、東京・世田谷のロータス世田谷で汗を流す日沖発の姿が確認された。新たにUFC中継を開始するFOX bs238で解説を務めるための東京滞在。日程を1日繰り上げ、東京での出稽古を敢行した日沖に解説という仕事について尋ねた。

――日沖選手が八隅孝平率いるロータス世田谷で北岡悟選手や宇野薫選手、BJ選手らと練習をする機会を目にすると思ってもいませんでした。

「今回、FOX bs238で中継されるUFC on Fuel 10の解説をさせて頂くことになり、土曜日から東京に来る予定だったんです。で、ちょうど今週はAliveの後輩の久米鷹介が東京や横浜のジムを回って出稽古に来ていたので、僕も1日早く入って久しぶりに東京で練習してみようと思ったんです」

――東京で練習をするのは、いつ以来ですか。

「Hide’s Kickの三好さんにレスリングを習ったり、そういう技術練習は機会を見ては行ってきたのですが、プロ練習のスパーリングに参加するのは、もう相当前からやっていないです。いつだろう? 中京の人間は数字と体幹が弱いの(※出稽古中の久米鷹介の口癖)で(笑)」

――どのジムで練習をする予定なのですか。

「ロータスさんを終えて、今日の夜はパラエストラ八王子さんにお世話になって、明日は午前中にDEEPジムで練習させていただく予定です。少しでも時間を有効に使えればと思って、久米の真似をしてみます(笑)」

――今回、日沖選手には解説という仕事について、少し話を伺いたいと思います。これまでひかりTVのUFC中継とUFC MACAOのパブリック・ビューイングで解説をされてきました。

「あとはサムライTVさんのプロ修斗中継でも、させていただいたことがあります」

――解説の仕事に対して、どんな印象を持っていますか。

「僕が向いているかどうかでいうと、向いていないと思います(笑)。滑舌が悪いですし(苦笑)。声も通らないですから。だいたい中京の人間は滑舌が悪いんです(笑※久米鷹介は滑舌の悪さで有名)。でも、解説をするのは好きなんです。試合を真剣に見るのが好きですから。

解説の仕事がなくても、試合の映像や中継はよくチェックする方なんで。ブースで画面を眺めて、仕事として見ると集中力も高まり、本当に良い機会を頂いていると思います」

――ひかりTVのUFC中継で、ご一緒させていただくことがあるのですが、滑舌が悪いとは全く思わないですし、MMAとしての知識が本当に深いので、凄く勉強させてもらうことが多いです。

「そうですか?  ありがとうございます。全体的な流れを見るのが好きなんです。ボクシングの先生が、ボクシングに限らず、知識のないスポーツでも『コイツは勝つぞ』って、佇まいやコメントを見て、結構当てることができるんです。僕はまだ、そういう見方はできないですけど、そういう風に試合を見ることができれば、もっと面白くなるでしょうね。

技術的な面や体力的な面で、試合を見ていても凄く面白いので、そういう面白い部分をファンに分かってもらえる手助けができるなら、こんなに嬉しいことはないです。ただ、僕の見方が全てでないので、実況の方が話すことからも、僕が考えない意外な意見が聞かれたりして、参考になることも多いです」

――自分はこの雑誌で原稿を書く仕事をしてくるなかで、時折り解説の仕事をさせてもらってきましたが、凄く多かったのが「専門的な言葉や細かい技術の話は伝わらない。必要ない」というTV局の意向を予め聞くこともありました。そういうなかで、日沖選手がされている技術的な話は本当に面白いです。

「そういう風に制限を設けられて解説をしたことはないので、好きなことを言って良いのは面白いです。触れて良いのか、ここ話すとストップが掛かるのかとか考えて。そういう部分も楽しんでやっています。MMAは分かり辛い部分も残っているし、でも、違う見方をすればもっと面白いのになぁって感じることも少なくなかったので」

――違う見方をすればということは、どういう見方をされている時に感じたのでしょうか。

「何て言うんですかね……、『だったら、飲み屋での喧嘩を見ていても同じじゃないか』って思う楽しみ方ですね。もちろん、それも有りなんです。でも、それだけじゃないはずです。MMAの面白さっていうのは」

――今回の中継は、現地から衛星電波で送られてきた映像を見て話すことが、ライブで流されます。これはで収録での解説が多かったですけど、生は緊張しませんか。

「どうなんでしょうね。放送はあとでもその場で収録をしたこともありますし、生でも収録だってことで器用に話を変えることもできないですし、僕の思っているMMAを放すことが出来ればと思っています」

――ではFOX bs238の第1回UFC中継、楽しみにしている試合を教えてもらえますか。

「ダニエル・サラフィアンとエディ・メンデスの試合ですね。サラフィアンがディープハーツとか使って、MMAには適していないと思われがち技を仕掛け、止まることなく動き続けていて興味があります。あの手の技を如何にMMAにアジャストしてくるのかは気になります。ブラジルのTUF出身ですよね?

ブラジルはどんどん若くて強い選手が生まれていますし、TUFCあってUFCが盛り上がっているということは、練習環境も良くなっていると思うので、凄く気になりますね。あと、レオ・サントスですね。日本で戦っていた時と、どんな風に変わってUFCで戦うのか。ウェルター級っていう体重が気になるところですが……。

米国のTUFをチェックしているのですが、ブラジルのTUFは見られていないので、どんな選手が出てくるのか、試合を見るのが楽しいです」

――そんな日沖選手、次回の試合の予定は?

「8月辺りに――と言われたまま、正式には決まっていない状態です。試合が決まらなくて、少し焦っていた時期もありますが、ちゃんと練り直して自分の技術を見つめ直したいと思っています。そういう気持ちもあったので、この機会に東京で練習をしてみたかったので」

―今日はありがとうございました。中継楽しみにしています。

「ありがとうございます」

インタビュー翌日、日沖の下にマネージャーから次戦への連絡が入った。もちろん、日沖に固辞する選択はなく、日時、対戦相手ともにすぐに発表になると思われる。ここで名前を公表することは差し控えるが、ズッファの日沖への期待や関心度が薄れていないことが明白な対戦相手といえる。日沖の対戦相手の印象は以下の通りだ。

日沖発
「基本はボクシング&レスリングの選手。前重心で真っ直ぐのパンチを思い切って打つので右が流れる傾向があると思います。フィジカルを軸に試合を組み立ててるわけではないですが、当たり力やスタミナはあると思います。××選手との試合を見る限り、立ち力はありそうですが、距離はあまり良くはないのでそこを突いていければと思います」

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