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【Special】道着を身に纏え──石渡伸太郎、植松直哉&嶋田裕太・鼎談<03>「点から線になります」(石渡)

Ishiwatari【写真】ますます熱い話になっていた鼎談ののち、石渡は初心者クラスで汗をかいた(C)MMAPLANET

石渡伸太郎、植松直哉、嶋田裕太による鼎談最終回。道着有りは手順を踏む。ノーギはそうでないという一般論に植松がもう反論を展開。そして嶋田は柔術家にとってMMAファイターとのトレーニングの利点、石渡はMMAファイターにとって柔術の稽古の必要性を語った。

<石渡伸太郎、植松直哉&嶋田裕太・鼎談Part.01はコチラから>
<石渡伸太郎、植松直哉&嶋田裕太・鼎談Part.02はコチラから>

──大間違いというのは?

植松 ノーギでも手順は飛ばせないです。ノーギの方が守る方がミスを犯すケースが多いだけで、トップグラップラー同士のノーギの試合で、ガチャガチャガチャとした展開で一気に勝負をつく試合があるのかと僕は問いたいです。

嶋田 ……。

石渡 ……。

植松 気に入らなければ、そう言ってもらえば本当に僕は構わないので。

石渡 いえ、本当にそうだなって。

植松 柔術は守りやすいんです。掴むところが多いので、エスケープは難しいですけど、ディフェンスはしやすい。つまり膠着しやすいということですね。

嶋田 植松先生はいつもエスケープと防御は違うと分けられています。

植松 それも上級者に当てはまることだからね。柔術でも白帯は守れない。ゴチャゴチャになる。皆さんのいうところのノーギと同じです。つまりノーギではディフェンスがミスをした場合、攻める方が雑でも攻めることできるということです。ノーガードの打ち合いと同じです。ハファエル・メンデスとコブリーニャがノーギで戦ってゴチャゴチャになることはない。

手順を飛ばして良いのは、ディフェンスがしっかりと守られていないから。それは道着もノーギも同じです。道着は掴むところが多いので、適切なエスケープでなくても、防御をしやすくなる。それが手順を飛ばせる、飛ばせないという元になっていると自分は思います。

――そういうことまで頭に入れて、道着の練習をMMAファイターは行うということでしょうか。

植松 そこまで考えていなくても、石渡君のように自然とそういう考えが備わるんじゃないかと思っています。

――石渡選手はどれくらいの頻度で道着の練習を行っているのですか。

石渡 基本、週に1回ですね。試合前になっても同じです。打撃の有無ということにつながるのですが、姿勢を意識しています。そこだけですね。

植松 そういう風に頭で理解しているから、言葉は多くならないよね(笑)。自分のやることを分かっているから。

石渡 植松さんに言われてですけどね。柔術の練習中、パスガードを狙ってガチャガチャやっている時に『殴れるポジションだよ』って言われると、腰が据わって一気にパスできることもあります。

植松 それも柔術なんです。

渡 本当に柔術の練習はした方が良いと思います。だから対戦相手にはしてほしくない(笑)。展開をきちっと理解するのに道着の練習はもってこいです。ノーギでガチャっとできちゃうところを、なぜガチャっとできたか理解できるようになります。知らなくて結果的に手順を飛ばすのと、知っていて手順を飛ばすことは全く違うと思います。

植松 ノーギなら技が極まるという考えが残っていると危ないです。それはディフェンス能力が低いから。そういう考えだと日本は世界に置いていかれてしまいます。グラップラーズ・クエストの映像なんて見ていると、まるで知らない選手たちがしっかりとした動きをしています。もともとカレッジ・レスリングがあって、ノーギでも手順を踏むことが体に染みついている。

嶋田 つまり米国の柔術家は、ノーギでもしっかりと守る。そしてレスリングもできるということなんだと思います。

植松 そしてMMAにも当てはまることだと思います。MMAで生き残るなら、軸となるスタイルを全局面に生かせるようになることが大切だと思います。特定の局面で強い、生かせるということではなくて。

嶋田 僕は個人的に石渡さんがネクサセンスに来てくれることが、柔術が認められたようで嬉しいです、それまでMMAファイターの方々が道着の練習をしてくれることはなかったので。柔術の練習をしてくれることが嬉しかったです。それにやっぱり体幹が違うので、自分にとっても凄く良い練習になります。今は宇野(薫)さん、越智(晴雄)さん、城田(和秀)さん、そして林(太陽)選手が来てくれるようになり、凄く良い練習をさせてもらっています。

石渡 神酒(龍一)はファッション柔術ですけどね。

植松 ハハハハ。損はしないと思います。最初の頃はなかなか分からないかもしれないけど。

石渡 初めは点だったんですけど、そのうちに線になってきますから。やらなきゃって思います。

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