【Pancrase269】どこを切っても見どころ、金太郎飴イベント!! ISAO×チョープ他、5分3R戦の見所
【写真】ISAO×チョープ、王者ナム・ファン以上に高い評価を受ける両者のフェザー級国際戦だ (C)MMAPLANET
9日(日)、東京都江東区ディファ有明でPANCRASE 269が行われる。5分×3Rが6試合、3分×3Rが5試合、計11試合からなる第2部は第1試合のフライ級=神部建斗×曹竜也戦から、メインのフェザー級=ISAO×ウィル・チョープまでどこを切っても見どころ満載の金太郎飴イベントといえる。
今回はそんなPancrase269から5回戦の試合の見所を紹介したい。まずメインは4月のマルロン・サンドロ戦で判定問題が取り沙汰されたISAOが、2月の稲葉聡戦でRNCよる一本勝ちを手にしているウィル・チョープと対戦する。194センチとフェザー級としては破格の長身を誇るチョープは、4月と5月にそれぞれ中国と台湾のMMA大会に出場し、連続で一本勝ちを収め現在5連勝と好調の波に乗っている。
シンガポールのジャグナウ・ファイトクラブに所属するチョープは、その長身&リーチを生かしたパンチやハイ、ヒザ蹴りといった打撃、さらには寝技でもスクランブルのなかでのギロチンに加えてガードからの仕掛けなど柔術的な動きも熟知しており、まさに自らの体躯を生かしたウェルラウンダーだ。ただし、懐に相手を入れてパンチを被弾することも少なくない。とはいっても、出ては下がるという出入りの激しい動きでチョープを疲弊させるのは至難の業といえる。ISAOが自らの射程距離に入るには、チョープのパンチやヒザを掻い潜る必要がある。
それでもその長身が災いしてか、チョープにはパンチを打つ際にパンチのみならず体も流れる傾向もみられる。そこでカウンターを入れれば、打撃を被弾すると脆さも併せ持つチョープだけに、ISAOとすれば素早い踏み込みからパンチを打ち込み、ダメージがあるとみると一気に試合を決めに行くラッシュにつなげたい。意外にも乱打戦の方が勝機を見出しやすいかもしれない。
2年8カ月振りのパンクラス参戦となる富樫健一郎が、高橋“Bancho”良明と対戦――7月にプロ修斗初のケージ公式戦で武田飛翔をRNCで破り、健在ぶりを見せたベテランが即デカゴン入りという憎いマッチメイクだ。
昨年の大晦日のDEEP DREAMにおける岸本泰昭戦で接戦を落とし、悪夢の4連敗中のBanchoに対し、距離をコントロールし自分の戦いを貫けるか。後のないBanchoの決死の打撃+テイクダウン狙いが富樫を切り崩すか。非常に興味深いファイトになる。
岡見勇信、福田力、水野達也、長谷川賢、辰巳豪人らとのトレーニングで、一際打撃で強さを見せる新村優貴もパンクラス初出場で、グアムのライアン・ビグラーと戦う。もともと新村はアゼルバイジャンからの刺客バクスティヤー・アバソフと対戦予定だったが、アバソフの負傷欠場で急遽ヒグラー戦が決まった。
グアムのPXCや韓国のTOP FCで戦績を重ねてきたビグラーは柔術&ムエタイをベースとしているが、打撃は荒く手打ちのフックが多い。そして柔術勝負になるのも下になる傾向が強いから、だ。新村は序盤のラッシュを切り抜け、ストレート系のパンチやローで削ればビグラーを組んで引き込むという展開に持ち込むことができるだろう。
この他、元修斗世界2冠、KOTC世界ジュニアフライ級という実績を持ち、最後の勝負をパンクラスで賭けるマモルが、北郷祐介戦に臨む。元祖MMAムエタイの使い手が、バックを譲らず強さを見せるか。主催者指名選手との王座決定戦出場権が掛かった変則的な進出トーナメント決勝戦を迎える新設ライトフライ級マッチは、2013年11月の再戦となる阿部博之×宇都木正和の一戦だ。前回の試合はRNCで勝利した阿部は、過去2試合=北方大地、江泉卓哉戦と連続スプリット勝利という粘り強さを見せているが果たして……。
とっておきの5回戦がウェルター級で組まれた。それが高木健太×佐藤天の一戦が。TTFチャレンジ、DEEP、パンクラスと戦う舞台を変えてデビュー以来8連勝中の佐藤。対する高木は昨年12月にREALでマルキーニョスの持つウェルター級王座挑戦に失敗し、今年3月のHEATではネルソン・カルバーリョに自らの持つウェルター級王座を明け渡すなど厳しい状況に追い込まれていた。
そして、背水の陣で挑んだ窪田幸生戦をKO勝ち。レッツ豪太×鈴木慎吾のウェルター級頂上決戦を見据え、キャリア最強といっても過言でない打撃の圧を持つ高木に対し、佐藤がどのような打撃から長南亮流MMAに持ち込むことができるか。残酷なまでの敗者と勝者のコントラストが明白になる、5回戦6試合――いずれも見逃せない。
■ PANCRASE269対戦カード
<ネオブラッド・ミドル級4人T決勝戦/3分3R>
荒井勇二(日本)
ボブ・アームストロング(ニュージーランド)
<ネオブラッド・ウェルター級4人T決勝戦/3分3R>
上原広誉(日本)
丸山数馬(日本)
<ネオブラッド・ライト級4人T決勝戦/3分3R>
NORIMICHI(日本)
小林裕(日本)
<ネオブラッド・フェザー級8人T決勝戦/3分3R>
中原由貴(日本)
横山恭典(日本)
<ネオブラッド・スーパーフライ級8人T決勝戦/3分3R>
小川徹(日本)
田中智也(日本)
<ネオブラッド・フライ級4人T決勝戦/3分3R>
ヤックル真吾(日本)
松尾剛(日本)
<ネオブラッド・ライトフライ級4人T決勝戦/3分3R>
高橋”フリーザ”達也(日本)
大津ヒロノブ(日本)
<ネオブラッド・バンタム級8人T決勝戦/3分3R>
川原玲郁(日本)
神田T800周一(日本)
<フェザー級/5分3R>
ISAO(日本)
ウィル・チョープ(米国)
<スーパーフライ級/5分3R>
北郷祐介(日本)
マモル(日本)
<ライトヘビー級/3分3R>
佐藤光留(日本)
シャノン・リッチ(米国)
<無差別級/3分3R>
中井光義(日本)
エリック・プリンドル(米国)
<ライト級/5分3R>
高橋”Bancho”良明(日本)
冨樫健一郎(日本)
<フェザー級/3分3R>
田村一聖(日本)
蓮實光(日本)
<ミドル級/5分3R>
新村優貴(日本)
ライアン・ビグラー(グアム)
<ライトフライ級(※-52.2キロ)初代王者決定戦・進出T決勝戦/5分3R>
阿部博之(日本)
宇都木正和(日本)
<ウェルター級/5分3R>
高木健太(日本)
佐藤天(日本)
<ライト級/3分3R>
石川英司(日本)
クリスMAN(日本)
<フライ級/3分3R>
神部建斗(日本)
曹竜也(日本)