【DEEP】フライ級転向2勝目、赤尾セイジ 「DEEPでベルトを獲りたい」
【写真】2Rという短期決戦で序盤にバックマウントを取られながら、粘り勝ちの赤尾。フライ級のツートップに迫りたい (C) TAKUMI NAKAMURA
20日(月・祝)、東京都大田区・大田区総合体育館で開催されたDEEP CAGE IMPACT2015。石橋幸太の代打出場となった赤尾セイジは、中山ハルキとのスクランブル& バック合戦を制して判定勝利した。
今年3月の公武堂ファイトからフライ級に転向、その初戦で計量オーバーの上に判定負けを喫してしまった赤尾だが、6月のDEEP名古屋大会でのキム・ヒョリョン戦、そして今回の中山戦とフライ級で2連勝を収めている。
王者・元谷友貴、そして前王者・和田竜光が圧倒的な強さを見せているDEEPフライ級戦線に食い込まんとする赤尾に話を訊いた。
――中山戦に勝利してフライ級2連勝を遂げた赤尾選手です。1R開始早々に右ストレートを被弾し、バック・トップポジションを奪われる苦しい立ち上がりでしたね。
「1R目はめちゃくちゃ固かったですね。地に足がついていないというか。減量の影響がちょっとあるのかなと思います。前回の試合もそうで、そういう試合が続いちゃっているので」
――そのピンチを脱出してからは、持ち前のタックルを主体とした戦い方でペースを掴みました。
「予想以上に中山選手のフィジカルが強くて、バックを取っていても返されることが多くて。途中でわざと自分にバックを取らせているのかなと思いました。試合前にあまり映像が手に入らなかったのでどういうタイプか分からない部分があったんですけど、試合をしてみてそういったタイプだったのかなと思いました。普通だったらしっかり抑えられるところで返されちゃっていたんで」
――それでも終わってみれば粘り強いテイクダウンとしつこいトップ&バックキープで勝利をもぎとった試合だったと思います。
「それが僕の持ち味ですからね。最低限の仕事は出来たかなと思います」
――今大会はもともと石橋選手が出場予定で、石橋選手の負傷欠場を受けて、赤尾選手が急遽出場という試合でした。調整面で問題はなかったですか。
「前回の試合がちょうど1カ月ほど前で、体重も増えないようにキープしていたんですよ。それでオファーをいただいたので、受けさせてもらったという感じです」
――フライ級に転向して3戦目。初戦は計量オーバーの上に判定負けとなってしまいましたが、その後は2連勝と結果を残しています。フライ級の減量・調整方法は掴めてきましたか。
「そうですね。しっかり体重の落とし方も分かってきたし、減量の仕方もちょっとずつ掴めてきました。このくらいの時期だったら体重はどのくらいまで落としておけばいい、とか」
――フライ級転向は以前から考えていたことだったのですか。
「バンタム級の選手は大きいなというのはずっと感じていて。対戦相手にも一通りやった部分もあったので、自分へのチャレンジという意味でフライ級転向を決めました」
――フライ級に落として、バンタム級で戦っていた時とはどんな違いがありますか。
「フィジカル的にはバンタム級とは全く違う世界ですね。体重を落とすことで自分も多少はフィジカルが落ちていると思うんですけど、相対的には有利になります。バンタム級とフライ級の選手とでは打撃のプレッシャーも全然違います」
――フライ級は相手が小さくなる分、自分にもアドバンテージがあるということですか。
「それもありますし、バンタム級時代はパワーやフィジカルというよりも、身体のフレーム的な差を感じることが多かったんです。例えばDJ.taiki選手や石司晃一選手はバンタム級でも背が高くて腕が長いタイプじゃないですか。ああいう選手と四つで組むと、向こうは深く両腕を差してクラッチ出来るのに、僕は全然腕が深く差せなくて、なんとかクラッチ出来るか出来ないかだったんです(苦笑)。
フライ級に落としてからは、そういったフレームの差を感じることはなくなりました。まぁでもどっちがいいかは分からないですよ。本当に強いやつはどっちでやっても強いだろうし。とにかく僕にとってフライ級で戦うことはチャレンジであることには変わらないです」
――現在DEEPフライ級は王者の元谷友貴選手、そして元王者の和田竜光選手が2トップ状態です。客観的に見て、その状況をどう考えていますか。
「2人とも強いですけど、そこに何とか割って入りたいですよね。そうじゃないとやっている意味ないんで。減量もきついですし、もうこれから何十戦もやるわけではないですから」
――赤尾選手は2007年にフューチャーキングトーナメントで優勝、2011年からはDEEPを主戦場に戦ってきました。DEEPのベルトへの想いは強いですか。
「はい。僕はずっとDEEPでやらせてもらっているんで、DEEPでベルトを獲りたいと思っています。まだまだ今日みたいな試合をしていたらダメだと思うし、あの2人の壁は高いと思いますけど、そこを打ち崩せるように精進していきます」